日記「恋人がサンタクロース」
ユーミンの代表的な楽曲。スキーが流行していた時代にリフトに乗っていると必ずスキー場に流れていた。今や定番のクリスマスソングになっている。あ~だこ~だ語らずにストレートに恋人がサンタクロースって言えちゃうユーミンはすごい。
子供の頃サンタクロースはいると思っていた。今でも記憶に残っているクリスマスがある。あれは幼稚園の年長さんの時。「おちないくん」というおそらく手長猿と思われるぬいぐるみをサンタさんにお願いした。紫色の体に長い手。手にはマジックテープが付いていてどこにでもぶらさがるようになっているぬいぐるみだ。だから「おちないくん」なのだろう。いざクリスマスの朝、枕元に「おちないくん」がいた。でも私が欲しかった「おちないくん」よりふた周りほど小さいサイズだったのだ。私はとても悲しかった。そんな思い出。手に入れたいものはそう簡単には手に入らないのだ、と子供ながらに思った。
サンタクロースはいないと知った時には、恋人からプレゼントをもらうものだと知った。何故だか女性は高額なプレゼントをもらえるのだ。不思議な時代だった。
時は過ぎると高額なプレゼントなんて欲しくなくなった。一緒に過ごす時間。たった一言の言葉。物よりも大切なものはあるのだと知った。
それさえももらえないと知った時
あの人は私の恋人ではないのだ
あの人は私のサンタクロースではないのだ
私はあの人にとって恋人ではないのだ
私はあの人にとってサンタクロースではないのだ
クリスマスが嫌いになった。私は幼稚園の年長さんの時から知っているのだ。手に入れたいものはそう簡単には手に入らない、ということを。
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