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#ファンタジー
聖騎士シリーズまとめ
オリジナルRPG曲集、聖騎士シリーズのまとめです。
2021年5月2日〜公開順にまとめています。時系列順のまとめはこちらから。
■ ラスボス編 / 過去の英雄と黄金の城「昏き英雄」
1作目。この曲から始まりました。
「冥府の婚礼」
2作目。婚約者も出てきてます。
「昏き目覚め」
3作目。遠い昔の穏やかな記憶。
■ 過去編/ 聖騎士が英雄となった頃の話「理の形象」
4作目。《魔王》の
ミハルカ・テーゼの章(3)【掌編小説】
エリーネが体調を崩したと聞いて、北の森にあるロジウ様の別邸に見舞いに行くことにした。
別邸を囲う結界の入り口へは案内役の使い魔が馬車を誘導し、そこから先は使用人が案内してくれる。
「ミィハ……来てくれたの? 嬉しいわ!」
部屋では寝巻き姿のエリーネがベッドに横たわっていた。
これまで彼女との間にあった距離は、いつも彼女が詰めてきてくれたのだと知る。今日は一歩一歩、自分が近付いていく番だ
ミハルカ・テーゼの章(2)【掌編小説】
「ねえミハルカ、勉強会はどうだったの? 楽しかった?」
まるでデートの報告を待ちわびる少女のような瞳で、エリーネがたずねてきた。
「楽しかったかどうかはわからないけれど……とても興味深い内容だったわ。詳しく聞きたい?」
「ふふ……遠慮しておくわ!」
予想通りの反応だ。
「で……誰か気になる人はいた?」
エリーネがずいと距離を詰めてくる。
第一賢者様の主催する魔導薬学の勉強会には、
ミハルカ・テーゼの章(1)【掌編小説】
ミハルカという名前には、大空という意味があるらしい。
テーゼ家の長女として生まれた私に、当時の王国付き魔導師であったお祖父様がつけてくれた名だ。
「また古代文字の勉強か?」
王宮図書館で一人勉強していると、積み上げた分厚い魔導書の隙間からロジウ様が顔を出した。
「はい。今は先祖の故郷で用いられていた言語の解読にいそしんでいます」
第一賢者であるロジウ様は、私の親友エリーネのお父上で