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行き当たりばっ旅

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唐突で無計画な一人旅。だからこそ出会えた人やものについて。
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#写真

人はなぜパネルから顔を出すのか――「広瀬すず」になってわかった1つのこと。

人はなぜパネルから顔を出すのか――「広瀬すず」になってわかった1つのこと。

あなたは「顔出しパネル」で記念撮影をしたことがあるだろうか。

突然されるような質問ではないが、驚かずに振り返ってみてほしい。

「顔出しパネル」、それはキャラクターなどが描かれた看板の、くり抜かれた穴から顔を出して撮影するアレだ。誰でも人生で一度くらいは経験があるのではなかろうか。観光地に行けば必ずといっていいほど遭遇する。むしろ遭遇することなく旅先を後にするほうが難しい。

■それは「おひとり

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“100日後になくなるコンブ”に巻かれて、小樽。

“100日後になくなるコンブ”に巻かれて、小樽。



「お父さん預かります」

通りを歩いていて、一際目を引くのがこの看板だ。これに目を留めぬ者はいるのか。それほど目立っている。

「お父さん」という生き物。いざというときは頼りになるのかもしれぬが、すぐどこかに行ってしまう習性がある。家族で買い物をしていても気付いたらいない。そばにいたとしても「まだかぁ?」とその退屈を思いっきり露に。我が家だけかと思っていたが、そうでもないらしい。置いていくわけ

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異国の旅人は金目鯛5切れを“ペルリ”と食べて、下田。

異国の旅人は金目鯛5切れを“ペルリ”と食べて、下田。

思い出す、ある春の休日。ふと海を眺めたくなった。横浜から電車に揺られて辿り着いたは下田。「思い立ったが吉日」な私の旅に相応しい、よく晴れた朝だった。

この地の名物であり、好物の金目鯛が目当ての一つであった。人だかりができた店の前で足を止め、ボードに名前を書いたあと30分ほど待っただろうか。待ちくたびれたところに欲張りな性格も合わさって、煮つけも刺身も堪能できるスペシャルな定食を頼んだ。すると、店

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