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「日本人は〜」への違和感と、ぼくたちにできること

こんばんは、よすです。

昨日の記事に関連して。


知ってるつもり

「海外」や「海外旅行」というキーワードの周りには、まるで四葉のクローバーが群生するかのように「日本は遅れている」、「日本人は思考停止している」、「日本人はグローバルな目線がない」、「日本人は出る杭を打つ」、「日本人は新しいものを受け入れない」などの日本人による日本人へのステレオタイプのようなものがよく見られるのは気のせいでしょうか。

でも、例えばズボンやバッグにあるファスナーのことはだれでも知っていると思いますが、ファスナーが具体的にどのような仕組みなのかはほとんどだれも知らないのと同様に、僕たちは「日本人」のことを実はよく知らないのではないでしょうか?

この記事では「日本人は新しいものを受け入れない」というメッセージを槍玉にあげて考えてみましょう。

「日本人は新しいものを受け入れない」というメッセージもよく聞きますね。しかし、歴史をかえりみると、中国や朝鮮、スペイン、ポルトガル、イギリス、フランスなどのいろいろな外国と貿易をしていろいろな文化や技術を取り入れてきました。食べもの、仏教、お金、鉄砲、戦闘機、法律、哲学・・・。

一時期、鎖国をしていた時代はあったものの、あれは歴史の中でも特殊な期間であり、その中であってもいくつかの国とは貿易をしていました。そして鎖国後、日本は文明開化を迎えます。

例えば、この絵をご存知の方も多いと思います。


ビゴーによる風刺

これは1887年にビゴーというフランス人の画家が書いた、社交会に出かける日本人の風刺画です。日本人は新しいものを取り入れないどころか、安易にマネしていたとわらわれていたのです。ちなみに左上の3文字は「生意気な」という意味だそうです。

最近でいえば海外発のSNS、サブスク、アイドル、音楽、化粧品、書籍、家電、ミームなど、さまざまな海外製の文化が日本で受け入れられています。少し前よりも若い人たちを中心に「日本製」へのこだわりも薄れてきた肌感で、「安くて質のいいコンテンツ」やどこかで話題になったものなら受け入れられている印象です。

それに僕たちの暮らしにすでに溶け込んでしまって自覚が難しい、中華料理、イタリア料理、インド料理などの料理だったり、服、スポーツ、言葉、哲学、価値観、制度、法律などなど、ハードなものからソフトなものまでが実は海外からやってきたものです。むしろ生粋の日本のモノのほうが少ないくらいではないでしょうか?

本当に日本人が特に新しいものを受け入れないなら、なぜこんなにも海外から輸入した文化が溢れかえり人気を博しているのでしょうか?

変化をきらう、世界中の人々

「日本人は新しいものを受け入れない」は「日本人は新しいものをなかなか受け入れない」と言いたいんだと親切に解釈したとしてもまだ疑問は残ります。

新しいものをなかなか受け入れないのは、本当に日本人に特に顕著に見られる傾向なのかどうかがあやしいからです。

「日本人は新しいものを受け入れない」という意見にかなり譲歩して、例えば「アメリカ人よりも日本人のほうが変化をきらう傾向が強い」と言いたいのだとこれまた親切に解釈しても、おそらくその差は些細なものでほとんど無駄な指摘だと考えています。

なぜかというと、あの変化の中心ともいうべきアメリカでベストセラーになっている本でも「現状を打ち破り、変化を起こそう」のような自己啓発的メッセージは当たり前のように登場するからです。もし、変化を嫌うのが日本人に見られる特性なら、なぜアメリカ人がアメリカ人向けに出す本でも「変化を起こそう」というメッセージが繰り返されているのでしょうか?

つまり、変化を嫌うのは日本人だけでなく、全人類の傾向だといえるのではないでしょうか?

最近だと「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣」という自己啓発本が世界的なベストセラーですね。世界でなんと1,500万部超えたらしいです(発行部数が?)。

なぜ、行動(変化)を起こしたい世界中の人々はこのような本が必要なのでしょうか?もしかして本を買っているほとんどが日本人なのでしょうか?いや、たぶん人間が理性ではなく本能の部分で変化を必要としていないから、でしょうね。

考えてみればそれはとても自然なことですよね。僕たちが行動を起こすのは必要だからであり、満たされたら行動しないのは筋が通っているように思います。こんな楽園のような国で、適度に働いていざくつろごうとするとケツをしばかれるほうが変ではないでしょうか。

日本よりもかなり貧しい発展途上国で今日を必死に生きなければならない人たちと、成熟しきった日本でのんびりと生きている人たちを比べて「日本人は〜」といっているうちに、おそらくその国も経済成長を迎えて豊かになったら今の日本のようにのんびりと暮らせる状態になるんでしょうね。そうなればいいと思います。

すぐに「日本人は世界に出ないからダメだ」といってしまう日本人には注意しましょう。海外に出ないといけないのはどこかの国に何か目的がある人だけです。

僕たちにできること

他でもない自分自身が何か変化を起こしたいのであれば、日本人ではなくひとりの人間として、怠惰な自分自身を奮い立たせないといけませんね。

そのためには、突然「グローバルな目線」で他の日本人を「日本人」とけなしてたまに飛行機に乗っては眠りこけるのではなく、怠惰な人間という生き物を理性とテクニックで乗りこなし、一歩一歩努力することが大事なのかもしれません。

最後に、先ほど紹介した「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣」でも提案されている行動指針を共有しますね。

  1. 現在の習慣を自覚する

  2. 不要な習慣をやめる

  3. 小さなことからはじめる

  4. それを続ける


お読みいただいてありがとうございました!


参考書籍

  • 知ってるつもり 無知の科学

  • ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣


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