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「テレフォン人生相談」から、引きこもりの脱却方法のヒントを得てみる

人生相談を聞いてみる(読んでみる)

人生相談をみてみると、自分と似たような境遇の人って案外いるもんです。引きこもってもう三ヶ月目になりますが、中には3年、10年と色んな人がいます。

原因は、色んな理由があります。それに対して、パーソナリティが親身にアドバイスをくれます。

そんな数ある中から、引きこもりに関するテレフォン相談をピックアップして、まとめてみました。

1. 無職で引きこもりの自分を変えたい

30歳女性から、10年間、無職で引きこもり。仕事は4か所で働いたが仕事を覚えられず長続きしなかった。問題行動を起こし親に何も言われない生活に甘えてきた自分、誰かにビシっと言って欲しい。

相談内容を簡単にまとめます。

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20~22歳の頃には、バリバリ仕事をやっていたみたい、仕事を覚えられなかったりと様々な理由で、仕事を転々とする。

原因は自分が努力してこなかった、自分が甘い、など自分を責めている模様、そして仕事に悩みに悩み抜いて、二階から飛び降りるという暴挙に出る。それで「仕事に行け。」と口うるさく言っていた両親も、何にも言わなくなったそう。

親を支配している自分の今の状態を、「悪」という認識はある。小学生の頃、成績は悪く、約束を破る、忘れ物をするなどケアレスミスが多い。ちなみに僕もケアレスミスをしょっちゅうしていた。

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精神科医の高橋龍太郎先生の意見としては、発達障害(ADHD)の疑いがあること。

ADHDは注意欠陥多動性障害の略で、特徴的な症状としては、年齢に見合わない「不注意さ」や、好きなこと以外に対する集中力がなくほとんど関心や興味を示さない「多動性」、思いついたことをよく考えずに即座に行動に移してしまう「衝動性」が挙げられます。

精神科の診断は主に問診(DSM-Ⅴ)なので、生物学的な診断方法は存在しませんが、血液検査などで知ることも可能です。

手帳にADHDの診断をもらってゆっくり社会復帰することをアドバイスしました。

ADHDの方には、最初の会社、または仕事に失敗するケースが多いそうです。ADHDには仕事の向き不向きが存在しているようなので、じっくり探すことが最善策としています。

ちなみに発達障害をもつかたには、一部の能力が欠損している代わりに、特殊な能力を秘めていることがあります。たとえばアスペルガー症候群やサヴァン症候群。

実話を元に作られた映画「レインマン」に出てくる、サヴァン症候群のレイモンドは、自分表現が苦手なのですが、記憶力がとてもよく、一度見た本を全て暗記し、落ちた鉛筆をパッとみただけで本数を当てるほどです。

2. 大学卒業して就職せず部屋に引きこもってる次男

65歳男性、24歳の次男、大学を卒業して就職もせず部屋に引きこもっている。社会保険料を一括で支払ったら怒って以降、対立中で食事も自分で作って食べるように。電話代は初めから自分の貯めたバイト代から払っている状態。この先、どう息子と関わっていけばいいか?

相談内容を簡単にまとめます。

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周囲の友達との関係を絶って、新陳代謝を図るために県外の大学へ進学し、アルバイトは四年間ずーっとやっていたなど、大学生活は割と謳歌していた様子。2018年の3月に卒業したが、ろくに就職活動をしていなかったよう。

父親は自営業で、学校の行事には100%参加していた。躾で次男を叱ったことはあるようだが、それ以外はない。

次男は実家で不自由な生活はしていない様子。大学を卒業した時点で、貯金があったようで、それを切り崩して実家で生活。ある日、社会保険関係の請求がきて、父親が前払いし、次男を叱ったところ、顔を合わせることをしなくなり、食事も自分の貯金で賄うようになる。

幼少期から家族旅行に頻繁に行っていたようで、何不自由なく生活を送っていた次男。境遇がちょっぴり僕と似ています。

育て方が甘かったんじゃないかと母親から、責められているようですが、同じ育て方をした長男は無事に自立。

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そんな次男とどう関わって行けば良いのか。作家で翻訳家の三石由起子先生のアドバイスは、次男は全然困っていないことから、親が先に先へと心配するのが良くない、と指摘しました。

次男を思い切って大人扱いすること。親にとってみれば子供は子供。そっぽを向いていることが大人として自覚する、彼のためになるからです。

僕からしたら非常に耳の痛い話です。今、親に見放されて、「一人で生きていけ!」なんて言われた日には、必死で職を探して生きることでしょう。

「獅子は子を谷に落とす」は本当に的を得たことわざです。今の現状、状態がいかに恵まれているかわかる、一説でした。僕は焦らず、サボらず、ゆっくりやります。

3. 人付き合いが怖い

人が怖いからと、家で引きこもりのような状態で10年間、働けない状態でいる29歳の息子。ひとりぼっちで、友達もいなくて一人サッカーや、部屋でゲームをしたりしている。みんなで一緒に食事をするのも嫌だと、部屋で一人で食べている。どんな仕事でもいいので、働いて自立して欲しいという父親。家を出て一人で自立しろとは可哀想で言えない。

相談内容を簡単にまとめます。

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こちらの29歳の男性は、学校を出て以来、一年間ほどは仕事をしていたものの、それ以来はさっぱりの模様。

昼夜逆転しているわけでもなく、規則正しい生活を送っている。普段は家でゲームをやっている。親子の会話はあまりない。父親の「早く仕事見つけろよ。」にただ頷くだけ。

仕事をやめた理由は人間が怖くなったのが原因です。何があったかは分かりませんが、僕自身も今人が怖いので、気持ちは察します。

ハローワークにも行っていたようですが、それは10年前の話。上のご兄弟も身体が弱く、週に2、3回ほどしか仕事に行っていない。

母親は主婦業、ご兄弟は自分の生活費で精一杯であるため、父親が主に家計を支えている。

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では、精神科医の高橋龍太郎先生のアドバイスは、人と関わるリハビリをする

生活支援の機関は、就労支援と生活支援の二本立てでやってくれるところもあるみたいです。まずはそこで、友達付き合いから始めることが第一歩です。

人間不信に陥ったら、まずは心のリハビリから。」という点が非常に参考になりました。いきなり就業というのもハードル高いですし、これなら自分もできそうです。

4. 働く習慣とジョブコーチの活用

32歳の息子は無職で引きこもり状態。高校卒業の資格を取って仕事に就いて欲しいと思っているのだが、母親の自分に何ができるのだろうかという相談。中学2年生の時、クラス委員に選ばれてから1年近く不登校になる。3年生の時には頑張って志望校に行くが、その高校でも不登校で2年生、3年生と留年し7年目の面談で、担任の先生から一緒に高校に入学してきた子が、今度は教育実習で来るが辞めないのか?の誘導で「はい」と答え退学することに、それに反論できず、高校卒業させてあげられなかったことで、責任を感じる母親。その後2年間、引きこもり生活をするが、販売関係の仕事に就職する。転勤生活が続き、最終的に東北への転勤となり、自分達も心配という気持ちを汲んで5年間で円満退職する。それから3年間は家に居るも、3ヵ月知人の農繁期の手伝いをして、残りの9か月は家でインターネット。時々、話しをするようだが、家族間では会話はない。

相談内容を簡単にまとめます。

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2015年時点では、無職の男性。いわゆる引きこもりの波がある。細かく、引きこもり歴をみてみると、小学生のころはすごく良い子だった模様。中学2年のときに一年間。クラス委員に選ばれて行かなくなる。

中学3年には学校に戻り、高校にはなんとか入学した。しかし、高校2年の時に不登校になる。3年も留年する。原因は不明。7年目に高校を除籍される。

その後、退学して2年ほどは引きこもるものの、就職。5年ほど販売関係の仕事に勤め、仕事を転勤しては、転勤した。しかし、東日本大震災の影響により、実家に戻る。

それから、実家に三年間いる模様である。でも仕事をしていないわけじゃない。1年のうち、3ヶ月ほどは知り合いの農繁期に手伝いをしている。しかし、9ヶ月はうちにいる。

インターネットで誰れかとチャットをしている模様。父親は口下手なので話をしない。母親(相談者)は仕事を探したり、高卒資格とったらと色々話しかけるが、無視される。相談者は言う度に自己嫌悪に走っている。

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相談者が精神的に病んでいるのが伺えます。精神科医の高橋龍太郎先生のアドバイスは、「仕事探しなよ。」、や、「高卒資格取ったら。」という問いかけが、

息子さんにから見れば「あなたは失敗モデルだよ。」とネガティブな気持ちにさせてしまっています。

それから、相談者が一人だけ喋るだけの環境が不味いみたいで、口数を減らすことによって、息子さんの言いたいことを言わせる。

それから、この息子さんは3ヶ月就労しているため、全然引きこもりではないそうです。

だから、社会のシステムに上手く乗せるために、就労支援センターに通ってみる。そこにジョブアドバイザーが居て、キャリアごとのカルテを作って、相談しあいながら仕事を結びつけてくれるようです。

5年も働けば立派な就労力はついているため、すぐに適応はできるそうですよ。

人生相談から見えてくること

4本の人生相談をみてきましたが、自立支援というのが意外にも充実していることが分かります。

相談者の大半は知らなかったようです。僕も知りませんでした。行政や、NPOなど、組織は様々ですが、各都道府県に必ずあります。

それから、日本はまだまだ捨てたもんじゃないと思いました。人生一回失敗して、ニート、ホームレスになったとしても色々生活支援してくれる団体がわんさかある。もちろん中には違法行為を働くとこもあります。

バックアップがこれだけあるなら、一回失敗しても怖くないと感じてます。もし、まだ僕の心にわだかまりがあるなら、人生相談を受けてみるのも良いですね。


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