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「楽しめ」って大人は言うけれど……。書籍「あなたの不安を解消する方法がここに書いてあります。」 #全文公開チャレンジ 第38回

こんばんは。ニッポン放送・アナウンサーの吉田尚記です。

#ふあかい 全文公開の第38回。本日も「メソッド4」のつづきからお届けします。

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メソッド4 「面白そう!」さえあれば、人生は大丈夫

楽しむってなんだろう?

 そしてよく言われる万能の言葉、「〇〇を楽しむ」。そもそも楽しむって、何なのでしょうか? 勉強とは対極にあるものな感じがします。音楽を楽しむ。何も考えずに楽しめそうな感じがしますよね。聞いて、ただ生理的に気持ちがいいと思うのも楽しみ方のひとつです。
 一方で、同じ音楽を聞きながら「ここでシンセの音を使うの? しかもこのギターのコードは……」みたいな分析を楽しんでいる人もいたりする。
 選挙を楽しむ。これはどうでしょうか?
 選挙なんて、こんなにつまらないものはない、という人が大半かもしれませんが、世の中には選挙道楽の人がいます。「今回の比例代表の結果次第では、野党のパワーバランスが云々」みたいな話をしながら、選挙速報に大興奮していたりする。彼らにとっては選挙が最高に楽しいものなんですね。でも、選挙や政治のシステムを知らない人間からしたら、何が楽しいかはさっぱりわからないわけです。
 逆に、いかにも楽しめそうな、スポーツ観戦はどうでしょうか? たとえば優勝がかかったサッカーのリーグ戦の最終戦、だとしましょう。楽しさは一目瞭然なようでいて、実は複雑なルールや、両チームの置かれた状況、選手の調子などさまざまな情報を把握しないと、その手に汗握る楽しさを味わうことはできません。

 楽しむってボーッと何も考えずに生理的に気持ちよくなることだけじゃない。
 楽しむとは、状況を把握して意外性を待ち望むこと。楽しみ方がわからないというのは、対象について知らないだけです。
 一見、何が楽しいかさっぱりわからないものがあったとしても、何かとっかかりがつかめれば、とたんにもっと知りたくなる。
 そう考えると、「楽しむって、実は勉強すること?」ってなりませんか?
 どうやら学校で習うことや、試験に向けて詰め込むことだけが勉強、というわけではなさそうです。
 スポーツのルールを知ることや、ゲームのキャラクターや漫画の世界を知ることも、間違いなく勉強です。勉強、という言い方はつまらないなら、単に「周りのことを知ればいい」というだけ。
 そして、楽しむためのとっかかりとして最もおすすめなのは、その道に詳しい人に話を聞くことです。

 以前、能楽師の安田登先生に話を聞いたことがありました。
*8 安田登|1956年生まれ。下掛宝生流(しもがかりほうしょうりゅう)ワキ方能楽師。能ワークショップを行うなど、能文化の普及(ふきゅう)に尽力。近著に『役に立つ古典』(NHK出版)など。
 恥ずかしながらぼくは能をまだきちんと鑑賞したことがなく、どんな風に楽しめばよいものなのか全然わからなかった。でも、安田先生のお話をうかがって、興味の切り口の宝庫だなってことを知ったんですね。
 たとえば、戦国時代、諸国大名はこぞって能を嗜んでいたそうです。戦争について考えなきゃいけない状況で、なぜ彼らはこんなのんきな舞台に夢中になっていたのか。話を聞いていると、そんなことが気になってきます。
 能舞台って、現代劇のように舞台セットが組まれて情景がわかりやすく説明されているわけでもなく、極度に簡略化されています。でも、能舞台の見方がわかっていると、月が出る場面ではそこにありありとした月がどかーんと出てくるように見えるんだそうです。歴史を積み重ねて、人間の生理を分析して作られたシステムなので、見せたいものを見せるメソッドがちゃんと構築されているんですって。それが見えないのは、単に見方を知らないから。
 どうでしょう? そう聞いたら、とたんに能への興味が出てきませんか?

 だから、わからないことに出合ったら、人に聞いてみるの、いいですよ! おや、ここで「知らない人に話しかける」が効いてきました。
 そして、知らない人に聞いてみるときに、一番困るのは、「何を聞けばいいんだろう」じゃなかったですか? ここで、聞いてみたい疑問がはっきりあったら、話しかけるのに必要なのは、あとはもう、勇気だけですよね。
「何これつまんない」と思ったら、だいたい、自分が浅はかなんです。つまらないものは、この世からもう無くなっているはず。誰かが面白い、と思っているから、この世に残っている。だから、面白がっている人に聞いて、とっかかりをつかめたら最高です。面白いと思う瞬間を見つけられたら、そこから全部ひっくり返りますから。あとは好きなように見ればいい。
 自分がその魅力をわからないからといって「つまんねw」と切り捨ててしまうことは、自分の無知をさらしていることと同じ。もったいない!

もくじ

はじめに
メソッド1
「不安」の正体を明らかにしよう
 -不安はどこからわいてくる?
 -不安は社会の原動力

 -不安の先には、死しかない
 -コミュニケーションからの完全な断絶が、死

 -「不安」はまったく役に立たないもの?
 -不安への対症療法は、「これからどうするか」

 -とりあえず、具体的にやってみる
 -具体化って超大事

 -「なんか大丈夫」感=セルフエスティーム
 -考えるよりも、行動しよう

 -人生で一番役に立たないプライドの話
 -手っ取り早くセルフエスティームを上げるには
 -COLUMN① パソコンは生産の道具、スマホは消費の道具
メソッド2
知らない人に話しかけてみよう
 -「モテたい!」は、叶うのか?
 -コミュ力は才能じゃない

 -知らない人に話しかけるために必要な持ち物
 -コミュニケーションとは、協力型のゲームだ
 -聞いたらダメ、やったらアウトってなんだろう?
 -人に好かれる方法はない
 -彼氏・彼女がほしい! だったら知らない人に話しかけよう
 -実践編① コミュニケーションに最も必要なのは「質問力」
 -実践編② 質問はWhyよりも、Who・When・Where・What・Howが有効
 -実践編③ 会話のきっかけ「木戸にたちかけし衣食住」
 -実践編④ 会話を「えっ!」でトラップする
 -実践編⑤ 間違った情報でもぶつけてOK
 -実践編⑥ 自分の気持ちを表現する=説明力
 -実践編⑦ あいさつをしよう、時間を守ろう
 -実践編⑧ 大きな声が出せていれば、なんか大丈夫
 -COLUMN② 「集中力」は「無視力」
メソッド3
“深刻ごっこ”禁止
 -悩みは自分に何をもたらす?
 -「みんな悩んで大きくなった」はウソ

 -深刻さとはエンタメである
 -決断だけが、人を成長させる
 -承認を目的とすることはできない
 -きみが不機嫌になるのはなぜ?
 -実践編① バンザイして悩んでみよう
 -実践編② 悩みから「暗くなる」をとっぱらってみる
 -実践編③ 適度に“深刻ごっこ”を楽しむ

 -実践編④ 悩むの禁止
 -実践編⑤ やりきることを目的にする

 -実践編⑥ 他人に期待しない
 -実践編⑦ 愛嬌最強説

 -COLUMN③ 引き出しを増やす方法
メソッド4
「面白そう!」さえあれば、人生は大丈夫
 -「夢を持て」って言うけれど
 -100個やって、どれか1個ハマればラッキー

 -今しかできないことをやろう
 -〇〇をやりたいのか、〇〇家になりたいのか
 -楽しむってなんだろう?
 -完全な自由はないけど、どの不自由にとらわれるかを選ぶ自由はある
 -結論。不安を解消する方法=知らない人に話しかける
おわりに

というわけで、今日はここまで。明日もよろしくお願いします!

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コミュニケーション成立!最大のヨロコビ。
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ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記ですー。

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