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“深刻さ”とはエンタメ? 書籍「あなたの不安を解消する方法がここに書いてあります。」 #全文公開チャレンジ 第26回

こんばんは。ニッポン放送・アナウンサーの吉田尚記です。

#ふあかい 全文公開の第26回。本日は「メソッド3」のつづきをお送りします。

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メソッド3 “深刻ごっこ”禁止

深刻さとはエンタメである

 深刻さは、エンターテインメント。そしてぼくたちはそのエンターテインメント性を自分の人生にも入れ込みたい生き物です。
 悩んでいる人、深刻な顔をしている人は、人を引きつけます。そこには、意味がある気がするからです。
 当たり前のようにサクサク殺人を犯す、悩みのない犯罪者は、ドラマになりません。死刑宣告されても、「はいそうですか」と納得する。留置所の中でも淡々と過ごす。
 すべてが平坦に進んでしまったら、それはドラマにはならないですよね。

 逆に、深刻ぶるだけで、どんな状況でもドラマに仕立て上げることができます。たとえば恋愛。ただ幸せなだけのカップルのなれそめは、披露宴のプロフィールムービーになるくらいで映画になることはないでしょうが、ふたりの交際を親が認めない、という深刻さがひとつ加わったとたん、その恋愛は一気に人の興味を引くラブストーリーになります。
「この結婚は認めない!」と言われたら、本人たちも「私たちは絶対に結ばれるべき運命なんだ」と意味や生きがいをみつけてしまいます。冷静に考えてみれば、お互い同士じゃなきゃ絶対にいけない理由なんて、本当はないはずなんです。地球上に異性は35億人もいますし。でも、反対されると、お互いじゃなくちゃいけない意味を探し始める。きっと本人たちは、ドラマの主人公になったような気持ちを味わい始めるはずです。

 太宰治の短編小説に『トカトントン』というものがあります。主人公が深刻に悩もうとしていると、いつもどこからともなく「トカトントン」というトンカチの音が聞こえてきて、その度に悩みがどうでもよくなってしまうという話。最高です! 「生れて、すみません。」なんていう、深刻の極致のフレーズを著作の副題につけてみせたのも、深刻はエンタメだ、とよくわかっていたからなんじゃないでしょうか。
*2 太宰治|1909年生まれ、1948年没。小説家。『人間失格』『走れメロス』『斜陽(しゃよう)』など、多くの名作文学を残し、後年に多大な影響を与えた。
*3 「生れて、すみません」|太宰治の著作『二十世紀旗手』の冒頭に掲げられた言葉。ちなみに、詩人・寺内寿太郎の作の剽窃(ひょうせつ)ともいわれている。

「人生はクローズアップで見ると悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇」というのは、喜劇王チャールズ・チャップリンの名言です。自分自身のことは、意識しないとクローズアップでしか見られません。だからちょっとしたことでも悲劇としてとらえてしまいがち。でも、それはまったく関係ない他人から見たら大爆笑の喜劇かもしれない。
*4 チャールズ・チャップリン|1889年生まれ、1977年没。イギリス出身の映画俳優、監督。映画黎明(れいめい)期、“小さな放浪者”と呼ばれる浮浪者スタイルで、数々のコメディに出演し、スターに。社会的弱者への視点も盛り込んだヒューマニズムあふれる作風は、現代も評価され続けている。
 自分の人生を悲劇ととらえるか、喜劇ととらえるか。実は、自分で選択できるんです。さて、どちらの人生がより楽しそうでしょうか?
 もうおわかりだと思いますが、私は自分の人生は喜劇であってほしいと思っています。そんな人生に意味があるかないかは、最後まで生きてみないとわからない。ただ、かなり多くの人が、無意識に悲劇を選んでいるなぁ、と思います。
「孤独は生まれてから塵に帰るまでの苦い贅沢品」(『25時のバカンス』市川春子著/講談社)というセリフを見てびっくりしたことがありますが、深刻さとはエンタメ。だから、実は「なくても生きていける」ものです。われわれは何時でも深刻さの淵から戻ってこられる。そのことを頭の片隅に置いておくだけで、生きることが少し楽になるような気がしませんか。
*5 『25時のバカンス』|『25時のバカンス 市川春子作品集Ⅱ』に収録されている中編漫画。深海生物の研究者の女性とその弟とのひと夏の交感が、独創的な世界観で描かれたファンタジー。

もくじ

はじめに
メソッド1
「不安」の正体を明らかにしよう
 -不安はどこからわいてくる?
 -不安は社会の原動力

 -不安の先には、死しかない
 -コミュニケーションからの完全な断絶が、死

 -「不安」はまったく役に立たないもの?
 -不安への対症療法は、「これからどうするか」

 -とりあえず、具体的にやってみる
 -具体化って超大事

 -「なんか大丈夫」感=セルフエスティーム
 -考えるよりも、行動しよう

 -人生で一番役に立たないプライドの話
 -手っ取り早くセルフエスティームを上げるには
 -COLUMN① パソコンは生産の道具、スマホは消費の道具
メソッド2
知らない人に話しかけてみよう
 -「モテたい!」は、叶うのか?
 -コミュ力は才能じゃない

 -知らない人に話しかけるために必要な持ち物
 -コミュニケーションとは、協力型のゲームだ
 -聞いたらダメ、やったらアウトってなんだろう?
 -人に好かれる方法はない
 -彼氏・彼女がほしい! だったら知らない人に話しかけよう
 -実践編① コミュニケーションに最も必要なのは「質問力」
 -実践編② 質問はWhyよりも、Who・When・Where・What・Howが有効
 -実践編③ 会話のきっかけ「木戸にたちかけし衣食住」
 -実践編④ 会話を「えっ!」でトラップする
 -実践編⑤ 間違った情報でもぶつけてOK
 -実践編⑥ 自分の気持ちを表現する=説明力
 -実践編⑦ あいさつをしよう、時間を守ろう
 -実践編⑧ 大きな声が出せていれば、なんか大丈夫
 -COLUMN② 「集中力」は「無視力」
メソッド3
“深刻ごっこ”禁止

 -悩みは自分に何をもたらす?
 -「みんな悩んで大きくなった」はウソ

 -深刻さとはエンタメである
 -決断だけが、人を成長させる
 -承認を目的とすることはできない
 -きみが不機嫌になるのはなぜ?
 -実践編① バンザイして悩んでみよう
 -実践編② 悩みから「暗くなる」をとっぱらってみる
 -実践編③ 適度に“深刻ごっこ”を楽しむ
 -実践編④ 悩むの禁止
 -実践編⑤ やりきることを目的にする
 -実践編⑥ 他人に期待しない
 -実践編⑦ 愛嬌最強説
 -COLUMN③ 引き出しを増やす方法
メソッド4
「面白そう!」さえあれば、人生は大丈夫
 -「夢を持て」って言うけれど
 -100個やって、どれか1個ハマればラッキー
 -今しかできないことをやろう
 -〇〇をやりたいのか、〇〇家になりたいのか
 -楽しむってなんだろう?
 -完全な自由はないけど、どの不自由にとらわれるかを選ぶ自由はある
 -結論。不安を解消する方法=知らない人に話しかける
おわりに

というわけで、今日はここまで。明日もよろしくお願いします!

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ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記ですー。

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