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書籍「あなたの不安を解消する方法がここに書いてあります。」 #全文公開チャレンジ   第1回

こんばんは。ニッポン放送・アナウンサーの吉田尚記です。

この度、4/20に河出書房新社さんから著書「あなたの不安を解消する方法がここに書いてあります。」が出版されます。

昨日、緊急事態が宣言され、外出が制限されました。
ネットや電話を通じて、人と話をすることはできても、直接人と会う機会は、激減するでしょう。

そんな中ですが、現在の私は、不安にならない人間です。
ただ、元からそうだったわけではない。
むしろ、一生抜け出せないんじゃないか、と不安になりすぎたので、いまは、もう不安にならないのかもしれません。

この状況下、多くの人が不安だと思います。10代から20代にかけて不安の塊だった人間が、この状況下でも「楽しそうなおじさん」である経緯は、説明を仕事とするアナウンサーとして、ちゃんと、伝えられると思います。

ステイホームで、一番つらいのは、自分にこだわらされること。コミュニケーションのなかで、自分にこだわることがなくなれば、不安はなくなります。

執筆中、まさかこんな状況になっていると思わなかったのですが、何らかの助けになればとなれば、と思い、出版のために編集ほか様々なコストをかけて作らせて頂いた文章を、河出書房新社さんの許可を得て、今日から毎日本文から1〜2節ずつ更新していき、5月までに全文公開させていただくことにしました。

まず第1回は「はじめに」から。

ぜひ最後までお付き合いください。

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はじめに

 タイトル通り、この本のテーマは不安についてです。
 なぜ〝不安〟なのか? まずそこからお話しします。
 出版社さんから「14歳に向けたシリーズで本を出しませんか?」と本書の話をいただいたときに、自分のことを思い返してみました。
 14歳って子どもじゃない。自分としても、14歳のときと今で、考え方の基本に何にも差はない。14歳はなんなら取引先くらいのイメージです。子ども扱いするなんてとんでもない、失礼のないような本にしなければならない、と思いました。
 だったら、14歳くらいの頃から自分にとって最も切実で、しかも長く解決しなかった問題について書かなくてはいけない、と思いました。その問題は、“不安”です。
 あらためて、どうですか? 不安。なんらかの不安、ありませんか?

〈受験が不安〉。もちろんありますよね。高校にしろ大学にしろ、これ誰もが共感できる。
〈知らないうちに病気になるのが不安〉。そうですよね、生きている以上この可能性は、誰も否定できないですよね。
〈3時間目、体育で着替えなきゃいけないのにうっかり名前入りの恥ずかしいパンツをはいてきてしまった〉。これは震える。

 またこの不安というやつがやっかいなのが、人に話しても理解してもらえない場合があること。大人に相談しても、「そんなこと気にするな」とたったひと言で片付けられてしまったりしませんか?
「気にするな」と言われて、それがスッとできるなら、最初から不安になったりしないわ、と思ったりします。
 そうなんです。不安というのは、基本的に自分事で、他人にわかってもらいにくい。だから、ひとりで抱えて悶々とするしかなかったりします。

 そして、おそらく一番大きいであろう不安は、「この不安がもっと続くかもしれない不安」じゃないでしょうか?

〈不安の原因がわからないから不安〉。そう、不安の原因、わからないですよね。だから解消するためのとっかかりがなかなかつかめない。〈気にしないようにしても気にしちゃう〉〈夢にまで見る〉。かつての私もまさにそうでした。今から二十数年前、学生の頃から就職して数年経つまでの私は、めちゃくちゃ不安な人間だったんです。

 でも、今現在の私自身は、「楽しそうですね」と言われがちです。そして、実際に毎日めっちゃ楽しいです!
〈日本で一番楽しそうに見える〉。どうも、楽しそうなおじさんです。
〈不安をカモフラージュしてる?〉。あ、その視点、鋭い。でも、してないんですねー、これが。

 さて、ぼくの中にもともとあった不安はどこに行ってしまったのでしょうか?
 滝に打たれて修行しましたとか、どこかのタイミングで「えいやっ!」って大技でクリアしたわけでは決してないんです。ただひたすら地道に、自分の中の「不安の原因とは」ということを探り、ああでもない、こうでもないと、いろんなことを試行錯誤しながら、ちょっとずつ進んでいったら、今の「楽しそうおじさん」になったんですね。

 じゃあ、その「楽しそうおじさん」はいかにして作られたのか、ということを書きましょう、というのが今回の本です。

 そして、この本、不安からスタートして、実は最終的には私の専門ジャンルにつながっています。アナウンサーの専門ジャンル─「コミュニケーション」です。
 不安の原因って、結局コミュニケーションですよね、というのがこの本の裏テーマ。
 不安とは、相手に受け入れてもらえないかもしれないというコミュニケーションの不安のことです。さっきのパンツの例でいうと、「あいつ、あんなパンツはいてるダサイやつだから、仲良くするのやめようぜ」って言われるの、怖いですよね?

 ぼくが18歳の頃出会った「アドラー心理学」というものがあります。創始者のアルフレッド・アドラーは、こんなことを言っています。「悩みは、すべてが人間関係の悩みである」。人間関係の悩み=コミュニケーションの悩みってことですね。

 そこで最近よく言われるのが、〝コミュ力〟です。微妙な言葉ですよね。
 チラッとさっき出しましたが、ぼくの職業はアナウンサーでして、本来であればコミュニケーションが得意でなければいけない立場にいます。
 にもかかわらずもともとぼくはオタクだし、初対面の人と会うのはちょっと怖い、不器用な人間です。そんな人間が何の因果かアナウンサーになってしまった。アナウンサーの仕事って、言うなれば「これから初対面の人と大勢から監視されている中で15分楽しく会話してください、ただし失礼のないように」と毎日言われるようなものです。仕事だから、できなかったら当然怒られます。
〈きつすぎる〉〈つらみwww〉〈2分で胃潰瘍になる〉。ですよね?
 それが年間200回訪れるんですよ。でも仕事だからやらなきゃいけない。
 学生の頃、そしてアナウンサーになりたての頃のぼくは、嫌な言い方ですが、完全なる〝コミュ障〟でした。そんな人間がアナウンサーとして、楽しく仕事ができるわけがないんです。現場に入るたびに滑り続け、終わったら仕事がなくなったらどうしようと考える、まさに当時のぼくは不安の塊でした。

 ただ、〝コミュ障〟って、よくよく考えると変な言葉だと思いませんか。
 コミュニケーション障害の略とされていますが、最近では本来の医学的なコミュニケーション障害とは異なる意図で使われています。でも、ほかのジャンルを見てみると、単に苦手なこと=障害とは使わないですよね。たとえば「水泳障害」とはいわない。「料理障害」なんていう言い方もしない。それは、どちらも練習しないとできないことだとみんなが思っているから。
 それに対して、「歩行障害」という言い方はあり得ます。一般的には歩くことって、身体機能に特に問題がなければ、練習しなくてもできるはずのことだと大多数の人がとらえているからです。
 どうやらコミュニケーションって、練習しなくてもできることだと思われている。
 ここに大きな間違いがあると、ぼくは考えています。

 確かに、水泳も料理も、まれに練習しなくてもできる人はいます。コミュニケーションについてもそうで、テレビの芸人さんとか、コミュ力の鬼もいます。彼らを見ると「できて当たり前なはずのことが、俺はできない。俺はコミュ障だわ」と思ってしまう。
 でも、水泳・料理と一緒で、大多数の人は実はそうじゃない。コミュニケーションは、本来、練習しないとできないことだと思うんです。

 だから、コミュニケーションが不安の原因だとするならば、練習しなければ不安には勝てない。逆を言うと、コミュニケーションを練習しさえすれば、不安には勝てるようになるのではないか、というのがこの本で言いたいことです。

 今回特に気を付けたのが、「気の持ちようだから!」という精神論は徹底的に排除したこと。必ず、誰でもこういうふうにやればできる、と「やり方」を具体的に書きました。
 まず、結論からお伝えします。
 不安を解消するために、ぼくが本書で言いたいこととは。

 ①何事も具体的に
 ②いろんな人と話をしよう
 ③「to be」じゃなくて、「how to」「to do」で
 ④考えることをめんどくさがらない

 これでもうわかったっていう話の早い人は、もうこの先を読まなくても大丈夫だと思います。
 いったいどういうこと? と興味を持ってくれたなら、ぜひ一緒に考えていきませんか。

もくじ     

はじめに
メソッド1
「不安」の正体を明らかにしよう
 -不安はどこからわいてくる?
 -不安は社会の原動力
 -不安の先には、死しかない
 -コミュニケーションからの完全な断絶が、死
 -「不安」はまったく役に立たないもの?
 -不安への対症療法は、「これからどうするか」
 -とりあえず、具体的にやってみる
 -具体化って超大事
 -「なんか大丈夫」感=セルフエスティーム
 -考えるよりも、行動しよう
 -人生で一番役に立たないプライドの話
 -手っ取り早くセルフエスティームを上げるには
 -COLUMN① パソコンは生産の道具、スマホは消費の道具
メソッド2
知らない人に話しかけてみよう
 -「モテたい!」は、叶うのか?
 -コミュ力は才能じゃない
 -知らない人に話しかけるために必要な持ち物
 -コミュニケーションとは、協力型のゲームだ
 -聞いたらダメ、やったらアウトってなんだろう?
 -人に好かれる方法はない
 -彼氏・彼女がほしい! だったら知らない人に話しかけよう
 -実践編① コミュニケーションに最も必要なのは「質問力」
 -実践編② 質問はWhyよりも、Who・When・Where・What・Howが有効
 -実践編③ 会話のきっかけ「木戸にたちかけし衣食住」
 -実践編④ 会話を「えっ!」でトラップする
 -実践編⑤ 間違った情報でもぶつけてOK
 -実践編⑥ 自分の気持ちを表現する=説明力
 -実践編⑦ あいさつをしよう、時間を守ろう
 -実践編⑧ 大きな声が出せていれば、なんか大丈夫
 -COLUMN② 「集中力」は「無視力」
メソッド3
“深刻ごっこ”禁止
 -悩みは自分に何をもたらす?
 -「みんな悩んで大きくなった」はウソ
 -深刻さとはエンタメである
 -決断だけが、人を成長させる
 -承認を目的とすることはできない
 -きみが不機嫌になるのはなぜ?
 -実践編① バンザイして悩んでみよう
 -実践編② 悩みから「暗くなる」をとっぱらってみる
 -実践編③ 適度に“深刻ごっこ”を楽しむ
 -実践編④ 悩むの禁止
 -実践編⑤ やりきることを目的にする
 -実践編⑥ 他人に期待しない
 -実践編⑦ 愛嬌最強説
 -COLUMN③ 引き出しを増やす方法
メソッド4
「面白そう!」さえあれば、人生は大丈夫
 -「夢を持て」って言うけれど
 -100個やって、どれか1個ハマればラッキー
 -今しかできないことをやろう
 -〇〇をやりたいのか、〇〇家になりたいのか
 -楽しむってなんだろう?
 -完全な自由はないけど、どの不自由にとらわれるかを選ぶ自由はある
 -結論。不安を解消する方法=知らない人に話しかける
おわりに

(ここまで)

というわけで、今日はここまで。続きはまた明日。


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コメント (1)
本屋さんに行けない環境ですが、こうやって冒頭だけでも読めるのありがたいです。とても全部読みたくなりました…!!すぐ不安になってしまう私にはもってこいの本です。買います。
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