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好奇心は、「疑問」からうまれる。書籍「あなたの不安を解消する方法がここに書いてあります。」 #全文公開チャレンジ 第35回

こんばんは。ニッポン放送・アナウンサーの吉田尚記です。

#ふあかい 全文公開の第35回。本日からはいよいよ最終章にあたる「メソッド4」がスタートします。

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メソッド4 「面白そう!」さえあれば、人生は大丈夫

「夢を持て」って言うけれど

 夢、好奇心。大人って、簡単に言いますよね。大切なら、むしろ簡単に口にして欲しくないものですが。最終章では、夢や好奇心についてのお悩みをピックアップしてみました。
 夢、と聞くだけであーもうー、道徳ー! とアレルギーを起こしてしまう人もいるかと思いますが、まずは、お悩みから。
 ラジオネーム・エコロ。さん。

【お悩み④】
「私にはやりたいことがないんです。将来、何になりたいかも全然わかりません。毎日そのことでモヤモヤしてしまいます。このまま高校・大学と普通に進学して、普通に生きていくんだろうな、とはなんとなく思っています。でも友だちの中には、ちゃんと将来なりたいものがあって、そのために努力を始めている人もいる。めちゃくちゃ焦ります。やりたいことって、どうすれば見つけることができるんでしょうか?」

 やりたいことが見つからない。これって、本当にたくさんの人が悩んでいることだと思います。なのに、大人は「もっと夢を持て」「なんでもやりたいことをやれ」とだけ言ってくる。多分好意なんでしょうけど、その割には自分がどうなのか、そしてやりたいことの見つけ方は教えてくれない。
 夢(この言い方、あんまり好きじゃないですけどね)とか好奇心って、なんなのでしょうか? 見つけようと思って見つかるものなのでしょうか? 

100個やって、どれか1個ハマればラッキー

「夢を持て」「好奇心を持て」。世間で当たり前のように言われていることですが、大人ってつまらない言い方をしますよね。
 これもこの本で禁止している具体的じゃない命令形。ホームラン王になれ、「to be」で言うんじゃなくて、ホームランを打つ方法、「how to」を知ることが大切。

 正直、「好奇心」はめちゃくちゃ大切だと思いますが、「夢」は、つまんない大人に「将来の夢は何?」と聞かれたときに答える用の想定回答として持ってれば充分じゃないですか? さて、好奇心とはどんなもので、どうやったら身につくでしょう?

 好奇心を持て、と言われるということは、持っていない、ってことなんでしょう。さて、でも私はほとんどの人は、好奇心があるのに、その気持ちを持つことを自分で禁じているんじゃないかと思っています。
 好奇心とは、「疑問」を持つことです。ただ、疑問を持つことを無意識に自分に禁止している人が多いのです。
 それは無意味な疑問で全然いいんです。誰に発表する必要もないものなのだから、何も、「この宇宙の成り立ちは……」なんて、壮大な疑問じゃなきゃいけないわけじゃない(もちろん、どんなに壮大な疑問でもいいわけですが)。そもそも疑問に思ったことは純粋に疑問なんであって、そこに優劣なんてないはずなんです。
「興味があることなんて特にない」なんていう人も、「疑問」で考えてみるとどうでしょうか? 何も深く考える必要はありません。ちょっと顔を上げて周りを見回してみるだけでも、日常の何気ない疑問って、結構わいてきませんか?
 たとえば、いつも飲んでいるジュースのペットボトル。何からどうやって作られているか知っていますか? サッカーって、どうして11人でプレーするんでしょうか? 蚊って、なんであんなに不快な音を立てて飛んでくるのでしょうか? ジャニーズって、なぜ組織力が強いんでしょうか? 今開いているこの本って、どうやって印刷されているんでしょうか? あれ? デジタル版の場合って、データどうやってるの?

 ぼくたちの身の周りは、わからないことだらけなんです。疑問が多すぎる。その結果、「全部知らなくても一緒だ」になってしまう。もちろんその一つひとつを全部知ることはできないし、知らなくても生きていける。知らないことをそのまま無視することもできる。
 だったら逆になんでもいいから、まずはとりあえず目についた中から何かひとつ疑問をピックアップして、本でもインターネットでもいいし、誰かに聞いてもいいから、その先を追求してみると、いいと思いますよ。

 たとえば蚊について気になったので、とりあえずウィキペディアで検索してみたとします。いきなり、「最も古い化石は、1億7000万年まえの中生代ジュラ紀の地層から発見された」なんて書いてある。「蚊って、人間よりも昔からいるのかよ?」と、その瞬間、蚊についての見方がちょっと変わりませんか? そこから、さらにジュラ紀について調べたりしたくなったりするかもしれない。何で「ジュラ」って言うんでしょう? ……調べてみました。あ、ジュラって、ドイツやフランスにあるジュラ山脈、から来てて、白亜紀、って言いますけど、「白亜」ってチョークのことなんですって。チョークの取れる地層だったから、白亜紀。へー!!
 別に学者になりたいわけじゃないし、そんなこと調べても意味ないって?
 そうだと思います! でも、へー、って言えましたよね。以上! その知識が役に立つかどうかなんて誰にもわかりませんし、もっと言えば、役に立つとか立たないとか、まったく関係ない。今知りたいかどうかがすべてでいいんです。やりきりましょう。
 ぼく自身は中学~予備校生くらいまでの間、神保町に通ってひたすら漫画を買いあさっている時期がありました。でもそれも別に漫画家になりたいからとかではまったくなく、読まずにはいられなかっただけ。水島新司が面白いって聞いて『ドカベン』(秋田書店)を読み始めたら、最初は野球漫画じゃなくて柔道漫画だったことにびっくりし、続きの『大甲子園』(秋田書店)を読みはじめたら、途中で『大甲子園』の前に『ダントツ』(秋田書店)っていうのがあるから、順番的にこっちから読まないと……! みたいな感じでどんどんつながっていって、終わりがない。次々に新発見がある。
*1 水島新司|1939年生まれ。『野球狂の詩』『ドカベン』『あぶさん』など、野球をテーマにした漫画の名作を数多く生み出した、野球漫画家の第一人者。
*2 『ドカベン』|1972年~81年、『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で連載された野球漫画の金字塔(きんじとう)。ドカベンこと山田太郎を主人公に、高校野球に青春をささげる少年たちの姿をリアルに描き、大ヒットとなった。
*3 『大甲子園』|『ドカベン』の続編として、1983年~87年、『週刊少年チャンピオン』で連載された。引き続き山田太郎を主人公としながらも、作者・水島がそれまで手掛けてきた他の野球漫画の登場人物たちも登場。水島自身が“水島高校野球漫画の集大成”と呼ぶ作品でもある。
*4 『ダントツ』|1982年~83年、『週刊少年チャンピオン』で連載。水島が、『大甲子園』の連載を開始するためのプレストーリーとして執筆された。弱小野球部監督に就任したダントツこと三郎丸三郎が、チームを甲子園へ導くため奮闘(ふんとう)する。『ドカベン』、『球道くん』などの世界観を継ぐ。
 気づいていないだけでこの世の中は驚きに満ちているんです。「えっ!」の連続。そしてそれは、どんなきっかけでもいいからその世界に入ってみないとわからない。あれ? これって、メソッド2のコミュニケーションでもお話しした気がしますね。人間も一緒。質問することで、思いもよらなかった興味がわいてくるんです。

 勉強だってそうです。たとえば日本史・世界史は、暗記科目じゃないですよ、とんでもないゴシップの塊とも言えます。「源頼朝と源義経の兄弟って、仲良かったのにいつの間に仲違いしていたんだろう? 兄弟なのに? いや、兄弟だから?」という疑問から入れば、芸能人のケンカのゴシップはなぜか自然に身についてしまうように、どんどん入ってくる。学問って、そういう風にはじまったんじゃないですかね?

 私の例で言うと、選挙特番の担当になったことがありました。この軽いおじさんが! そこでまず思ったのは、選挙について勉強なんかイヤだー、ではなく、あんなにみんなが熱狂して、大の大人が全力で泣き笑いする選挙って、なんか不思議で面白い。これは「選挙のルールってどうなってるんだろう? 調べてみたい!」とまず疑問を持ちました。でも、選挙ってちょこちょこシステムが変わってて、新聞や雑誌の記事はいろんなプラスアルファの情報がとっても多くて、物事の根本をつかむのが難しい。ので、なにかシンプルに説明してくれるものってないかなー、と思っていたところ、良い本を見つけました。中学校の公民の教科書です。これが、一番無駄なくまとまっているな、と。
 もちろん上司から「買って読め」って言われたわけじゃありません。あんまり大人が買う本じゃないと思いますが、私にとっては合理的。好奇心、疑問、からスタートすると、ちょっと普通じゃない行動に収まることは、まま、あります。
 だから、みんなもっと気分通りに生きていいんです。疑問がわいたことが蚊の構造だっていいし、ジャニーズの組織力の秘密だっていいし(知ってますか、ジャニーズって野球チームの名前だったんですよ)、『Fate/Grand Order』のキャラクタープロフィールだっていい。
*5 『Fate/Grand Order』|スマートフォン専用ロールプレイングゲーム。『FGO』とも呼ばれる。人類の滅亡(めつぼう)を阻止(そし)するため「マスター」となったプレイヤーが、「サーヴァント」と呼ばれる英霊(えいれい)と共に、その原因となった歴史上の七つの特異点に立ち向かうファンタジー。
 気が済むまで追求して、飽きたら別の疑問を追求しはじめる。途中で「なんかこの疑問ってそこまでじゃないな」と思ったら放り出してしまってもいい。気ままにやっていいんです。なのに、気ままにやること、どうでもいい疑問を持つことを、自分に禁じている人がとても多いな、と思っています。
 これを繰り返していると、気がつくと大分遠くまで来ていることがある。それが「夢」だったということじゃないでしょうか。後付けですよ、夢って。

 そして、興味を持つ対象に、貴賤はありません。
『超・少年探偵団NEO』に夢中になってる娘に、正直、「何がそんなにおもしろいんだろう?」と言ってしまえると思いますが、もう、大推奨。大人のくだらない意見なんて聞かなくていいんです。自分さえ楽しければそれでいい。
*6 『超・少年探偵団NEO』|江戸川乱歩(えどがわらんぽ)の小説『少年探偵団』シリーズを、新たな設定でリブートしたショートアニメ。100年後の未来の東京を舞台に、7代目小林少年たちの活躍を描く。
 むしろ、他人が興味持たないことに興味を持てたら勝ち。それこそが才能だと思います。どこかの誰かのニッチな興味で、人類自体の知恵が増えたことって、結構あるんですよね。
 ぼくの好きな、缶詰の歴史の話。
 缶詰って、缶詰自体が発明されてから缶切りが登場するまで、なんと50年以上の開きがあるんです。では、缶切りが登場するまで、みんなどうやって缶詰を開けていたのか。銃剣とか金槌でこじ開けていたのだそうです。銃剣って! 缶詰ひとつ開けるだけで、かなりの大ごと。でも、缶詰って、もともとは軍隊の携帯用食料として作られたものなので、そもそも武器が身近にあることが前提だったんですって。
 でも、50年以上常識だった開け方に対して、あるとき誰かが、「これってちょっと不便じゃね?」ってようやく気づいた。本当にそんなに大げさなものなの? と。そのおかげで、今ぼくたちは銃を使う必要なく、缶詰を食べることができるようになった。なお、缶切りで開けられるようになって初めて、液体も缶に詰めることが出来るようになったとか。確かに、銃剣や金槌で開けてたら、中身飛び散りますもんね……!
 歴史の中のどこかで誰かが「缶詰って、本当に銃で開けなきゃダメなの?」という疑問を感じたことが、すべてのきっかけ。後から考えれば、この素朴な思いつきは人類を先に進めた歴史的な発見と言えるかもしれません。
 そもそも別に何か成果を残そうなんて考える必要はまったくない。そのとき楽しめるとか、改善したい気持ちがあれば、それでいい。「こんなことに興味を持ったって仕方ない」ということなんてひとつもない。そりゃもう、めちゃくちゃエロいことだったりしてもいい(ただ、人を巻き込んでいいかは、慎重に考える必要がありますが)。

 だから、やり散らかして全然OK。たとえばぼくは大学生のときに「大学生=テニスサークル」というイメージだけで、実際にテニスサークルに入ったことがあるんですが、まあ馴染まなかった。でも別にそれが失敗だったとは思いません。死ななかったし。むしろあのとき経験としてやっておいてよかったな、と思っています。
 よく、「この道一筋」って言いますけど、リスク高いと思うんですよね。自分の道をひとつに決める、人生をかけて取り組む疑問が、ひとつ目やふたつ目で見つかるのは相当ラッキーです。むしろ、一生見つからなくても、別にいいんじゃないでしょうか。そのときやる気がでることを100個やって、1個はまるものがあればラッキーですよ。
 まずは、日常でふと疑問に思った気持ちをないがしろにしないで、調べてみましょうか。

もくじ

はじめに
メソッド1
「不安」の正体を明らかにしよう
 -不安はどこからわいてくる?
 -不安は社会の原動力

 -不安の先には、死しかない
 -コミュニケーションからの完全な断絶が、死

 -「不安」はまったく役に立たないもの?
 -不安への対症療法は、「これからどうするか」

 -とりあえず、具体的にやってみる
 -具体化って超大事

 -「なんか大丈夫」感=セルフエスティーム
 -考えるよりも、行動しよう

 -人生で一番役に立たないプライドの話
 -手っ取り早くセルフエスティームを上げるには
 -COLUMN① パソコンは生産の道具、スマホは消費の道具
メソッド2
知らない人に話しかけてみよう
 -「モテたい!」は、叶うのか?
 -コミュ力は才能じゃない

 -知らない人に話しかけるために必要な持ち物
 -コミュニケーションとは、協力型のゲームだ
 -聞いたらダメ、やったらアウトってなんだろう?
 -人に好かれる方法はない
 -彼氏・彼女がほしい! だったら知らない人に話しかけよう
 -実践編① コミュニケーションに最も必要なのは「質問力」
 -実践編② 質問はWhyよりも、Who・When・Where・What・Howが有効
 -実践編③ 会話のきっかけ「木戸にたちかけし衣食住」
 -実践編④ 会話を「えっ!」でトラップする
 -実践編⑤ 間違った情報でもぶつけてOK
 -実践編⑥ 自分の気持ちを表現する=説明力
 -実践編⑦ あいさつをしよう、時間を守ろう
 -実践編⑧ 大きな声が出せていれば、なんか大丈夫
 -COLUMN② 「集中力」は「無視力」
メソッド3
“深刻ごっこ”禁止

 -悩みは自分に何をもたらす?
 -「みんな悩んで大きくなった」はウソ

 -深刻さとはエンタメである
 -決断だけが、人を成長させる
 -承認を目的とすることはできない
 -きみが不機嫌になるのはなぜ?
 -実践編① バンザイして悩んでみよう
 -実践編② 悩みから「暗くなる」をとっぱらってみる
 -実践編③ 適度に“深刻ごっこ”を楽しむ

 -実践編④ 悩むの禁止
 -実践編⑤ やりきることを目的にする

 -実践編⑥ 他人に期待しない
 -実践編⑦ 愛嬌最強説

 -COLUMN③ 引き出しを増やす方法
メソッド4
「面白そう!」さえあれば、人生は大丈夫
 -「夢を持て」って言うけれど
 -100個やって、どれか1個ハマればラッキー

 -今しかできないことをやろう
 -〇〇をやりたいのか、〇〇家になりたいのか
 -楽しむってなんだろう?
 -完全な自由はないけど、どの不自由にとらわれるかを選ぶ自由はある
 -結論。不安を解消する方法=知らない人に話しかける
おわりに

というわけで、今日はここまで。明日もよろしくお願いします!

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ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記ですー。

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