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#映画レビュー
ぬいぐるみとしゃべる人は
「ぬいぐるみには、命が宿るんだよ。」
母は私に言う。だからずっと大切にしなさい、と。
私の家系は、「ぬいぐるみは生きている」家系だった。
話しかけると声が返ってくる。一緒にご飯を食べて、一緒に出かける。
もちろん、同じ布団で毎日一緒に眠る。
母は、「この子たちは、貴方が眠った後にみんなだけで遊ぶから、遊べるように早く寝なさいね」と言った。
私にとってぬいぐるみは、きょうだいのような存在だった
一生付き纏うある問いについて
私は自己紹介が苦手だ。
何回やっても変な感覚になる。
名前があって、生年月日がわかる。
それなりに趣味も特技もあるが、
それが「私」かと言われると微妙な感じがする。
私、「貴方は何者ですか」の類の問いが苦手。
何が好きですか、長所は?短所は?好きなタイプは?
うどん派?そば派?
だがしかし、これは一生自分でしてしまう問いでもあって。
分からなくて、苦しくて、苦手。
映画「キャラクター」を観た。
花束みたいな恋をした
恋を「花束」と呼んだのは何故。
絹ちゃんと麦くんの何があの状況にさせたのか。
映画が終わって私と友達は、帰る気になれなくてファミレスに行った。
映画で出てきた座席っぽいところを選んで座って、ドリンクバーをふたつ頼んだ。
結局、絹ちゃんも麦くんも何も悪くない、という結論に至った。
就活を前に控えた大学2年生に、麦くんを否定することも、絹ちゃんを否定することもできっこなかった。
「価値観の違い」