衝撃のゴ〇ブリサッカー
(閲覧注意:ゴ〇ブリのお話です。気分が悪くなるようなおぞましいエピソードが出てまいります。昆虫が苦手な人は「今なら間に合う。逃げるんだ!」)
高温多湿な香港はゴキがブリブリ言わせるゴキ天下。雨上がりの直後なんかは、排水溝の底で蠢めくゴキの黒光りの揺れが見えます。
ある夜、外食から帰宅途中、別のレストランの野外テーブルから少し離れた排水溝の鉄格子蓋がゴキ化していました。
野外テーブルで食べたお客さんの食べ残しや飲み残しを、そこの排水溝に直接流したらしい水じゃない水たまりがそこにできておりました。
不自然な厚みで蓋が膨れていて、香港のゴキの多さは、そりゃもう嫌という程わかっていたはずなのに!街頭で煌々と照らされた歩道に、ここまで大量の黒光りの束が群がっている光景を現実に見た事がなかったので、それはそれは衝撃でした。
またある時はバス停で列に並んでいると、突然前に立っている人が雷に打たれたようにビクビクっと痙攣。見ると、ゴキが足元から靴を上り、足を這い上がってくる感触からの痙攣で、足をバンバン踏み鳴らして振り落とします。
後続の私も、そのまた後ろの人達も、それを見て、自分は大丈夫かと足元を見ると、足元の排水溝から忙しく出入りしている複数のゴキに気づいてしまい、じっとしているのが怖くなって、何となく足踏みしてみたり、体をブルってみたりして、バスが来るまで皆で挙動不審な集団でした。
私は、大袈裟でなく、本当にゴキが視界の片隅に入るだけで、私の中のゴキ探知機が瞬時にそれを察知し、この巨体が地面から離れようと飛び上がる仕掛けとなっております。
みんな普通にそういうモンだと思っておりました。
ところが私の旦那は、そうした私の反応を過剰反応だと言い私がパニックに陥ってゴキの突進を交わしているさなかにも、「身体がビクッとなるほど反応するのは、東洋医学的には血液循環がうまくいってなくて心臓がナンチャラハンチャラ・・」
とその場で延々講釈をたれています。
「大体お前、そんなデカい図体で、こんな小さいものの何が怖いんだ?虫の方がよっぽどお前を怖がってる。」
・・・は~い。そう言えば昔中国工場に居た時も、下駄箱の中にゴキブリがいて、キャーと騒いだら、現場の男の子が、ぱっと素手で(←!)ゴキを摑んで息の根を止めると(←!!)そのまま近くのごみ箱にポイっと捨てて、「ハザカイさんは、大人なのにゴキブリが怖いんですか?」と言われた事はありましたよ?
え?大人だから?虫よりだいぶデカいから?そういう問題すか?
・・・私、彼らの基準の方がわかりません。
そしてある時、お姑の家で晩御飯を終え下りてくると、普通にゴキが地面を我が物顔で縦横無尽に謳歌しておりました。
その時です。
旦那が私に
「蹴れっ!」
と言いました。
(?えっ!?・・・ケレ????)
私がポカンと立っておりますと、旦那がもう一回
「そいつを蹴れ!」
と言いました。
「!」
(え?ゴキブリを蹴れって言ってんの?いやいやいや・・。)
「早く!」
「そいつをこっちに蹴れ!」
「は!?やだよ!ヤに決まってんだろ!💢」
「蹴ってその訳のわからない(←?!)恐怖を克服しろ!」
・・・や。わけわからないの、そっちっすよ・・。
ゴキに恐怖心を抱いて何が悪いって言うのよ!?私がいけないの?間違ってるの私?
「早く!!💢今だ!」
・・・そんな事言われても・・私の頭には、色々な嫌なパターンが浮かんでは消えます。
靴が脱げずに、且つ ゴキが蹴飛ばせる というベストな力加減がわかりません。
実際はゴキがハマるほどの穴ではないけど。
私にすればコレが何気に可能性としては一番高いかと思います。
大人ですから何をするにも、うまくいくパターンと、うまくいかないパターンも両方緻密に計算します。
「早く!!💢💢💢大丈夫だから!蹴れっ!」
でも、旦那がヒステリックにあんまり叫ぶモンだから、だんだん私も、そうしなければならないような気がしてきました。
追い詰められた私の頭の中には・・・
そして――――――
激しく高鳴る鼓動を抑えられないまま、
私は覚悟を決めて足を、ふりかぶりました。
頭の中を走馬灯のように駆け巡る最悪のパターンの数々・・(←死にかけやないかい!)
足の震えを抑えこんで―――!
心の怯えを呑み込んで―――!
私の心臓は、はるか昔に味わった、ファーストキス直前の時のように、これ以上ないほどドキドキしております。
胸の高鳴りが体の底から湧きあがってきます。私の身体は、まるで、恋に落ちた時のような不思議な高揚感に包まれました。
ドキドキドキドキドキドキドキドキ・・!!
「ていっ!」
とうとう目の前のゴキを思い切り蹴飛ばしました―――――
私に蹴られたゴキは、そのまま旦那の足元に滑って行きました。
すると!
旦那が
また、私に蹴り返してきました。
ひょっえ~~~~~~~~~~~!
「こっちだ!パス!パス!」
おののきながらも旦那の声に乗せられて更にパス!
そうして二人でゴキパスを3往復くらい。(←注:普通に人通りのあるマンション下)
怒って飛び上がって襲ってくるかと思っていたゴキは
終始無抵抗。
自力での動きや多少の風くらいには抗えても、ヒューマンパワーには抗う力がないようでした。
パス攻撃が終わっても、ゴキは復讐する体力も残っていないかのようにヨロヨロと明後日の方向に逃げていきました。
そして私もゼイゼイと肩で息をしていました。
「ほら。別に、どうって事なかっただろ。」
と旦那が得意そうに言いました。
しかし、それ以降、「蹴れっ!」と言われても身体が無意識に抵抗するのか空振りしてしまう私なのです。
あの特訓の意味はっ?!?
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それにしても、アルマゲドンのテーマソング、エアロスミスの「I don't want to miss a thing」、サビの部分だけアップしてくださっている方もちゃんといらっしゃるのですね~、さすがヨウツベ先生です。
お陰さまで
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