イヤホン難聴
高齢患者が多いこともあり、難聴の人の対応するケースが複数あります。
難聴になるとコミュニケーションに支障をきたします。
まず、普通に話しかけても、患者からよく聞き返しがあります。
それに、聞こえる音は限られるので、話し手の言っていることが正しく伝わりにくいです。
最近では、銀行の窓口などで筆談対応が増えていますね。
「われ十五にして学に志し、
三十にして立ち、
四十にして惑わず、
五十にして天命を知り、
六十にして耳順い、
七十にして心の欲するところにしたがいて矩を越えず」
(孔子)
イヤホン難聴とは
ヘッドホンやイヤホンを使い、大きな音量で音楽などを聞き続けることにより、音を伝える役割をしている有毛細胞が徐々に壊れて起こる難聴です。
WHOでは、11億人もの世界の若者たち(12~35歳)が、携帯型音楽プレーヤーやスマートフォンなどによる音響性難聴のリスクにさらされていると示しています。
イヤホン難聴は、じわじわと進行し、少しずつ両方の耳の聞こえが悪くなっていくため、初期には難聴を自覚しにくいことが特徴です。
他の症状として、耳閉感(耳が詰まった感じ)や耳鳴りを伴う場合があります。重症化すると聴力の回復が難しいため、そのような耳の違和感に気づいたら早めに受診することが大切です。
原因
耳から入った音は、内耳の蝸牛(かぎゅう)という器官にある「有毛細胞」という細胞で振動から電気信号に変換され、脳に伝わることで聞こえるようになります。
有毛細胞は、音の大きさと聞いている時間に比例して、有毛細胞が傷つき、壊れてしまいます。有毛細胞が壊れると、音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こします。
WHOでは、80dBで1週間当たり40時間以上、98dBで1週間当たり75分以上聞き続けると、難聴の危険があるとしています。
100dB(ガード下で電車が通り過ぎる、ライブ・コンサート会場での騒音)以上の大音響では急に難聴が生じることもあります。
ヘッドホンやイヤホンは耳の中に直接音が入るため、周囲に音漏れするほどの大きな音で聞いたり、長時間聞き続けると、難聴が起こります。
イヤホン難聴の予防
WHOでは、以下のことを推奨しています。
1.音量を下げたり、連続して聞かずに休憩を挟んだりする
2.使用を1日1時間未満に制限する
3.周囲の騒音を低減する「ノイズキャンセリング機能」のついたヘッドホン・イヤホンを選ぶ
参考資料:厚生労働省ホームページ
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