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アルコールと社会問題③~飲酒と事故~

私が車を持っていた時、たまに遠くへドライブすることがありました。
一般道から高速道路に入り、出口を出ると山道や海沿いの道を運転することがありました。
シーサイド・ドライブは、前方に海が広がっていて、気持ち良かったですね。
 
私の好きな言葉をお届けします。

「自然が作り上げたものこそが美しい。我々はそこから発見するだけだ。」
“What nature has created is beautiful. We will only discover from there.”
(アントニ・ガウディ)


いろいろな飲酒事故


飲酒・酩酊時には身体運動機能や認知機能が低下するうえ、理性の働きも抑えられてしまいます。

そのため飲酒により「交通事故」「転倒・転落」をはじめとする様々な事故が引き起こされます。


老若男女を問わず一度でも飲酒・酩酊をすればこのような事故を起こす可能性があり、またその被害者となることもあるため、大変身近で重要な問題です。

飲酒によって引き起こされる様々な事故を防止するためには、その原因となっている飲酒行動自体への取り組みが必要です。

飲酒事故はアルコール関連問題のひとつであり、アルコール乱用やアルコール依存症が背景にある場合には、それらに対する適切な治療が必要です。


1. 飲酒運転による交通事故


モータリゼーションと飲酒習慣の普及により、毎年、多くの飲酒運転による交通事故が発生しています。
 
特に、1999年には東名高速道路で飲酒運転のトラックに追突された乗用車内の幼児2名が死亡する事故や、2006年に福岡市内の橋上で乗用車が飲酒運転の車に追突され、海上へ転落し、幼児3名が死亡した事故は大きな社会問題となりました。

また、死亡事故率を飲酒有無別にみると、飲酒運転の死亡事故率は飲酒なしの9.1倍(2021年)と高く、飲酒運転による交通事故が死亡事故につながる危険性の高いことが明らかになっています。

そのため、悪質な危険運転を防止するための法的な対策として、危険運転致死傷罪制定(2001年12月、改正刑法施行)、厳罰化と酒気帯び運転の基準引き下げ(2002年6月、改正道路交通法施行)、飲酒運転及び助長行為の厳罰化(2007年9月、改正道路交通法施行)、行政処分強化(2009年6月、改正道路交通法施行)、危険運転致死傷罪と自動車運転過失致死傷罪の移行・罪名変更である自動車運転致死処罰法施行(2014年5月)といった様々な法的対策が施行されてきました。

これらの法的対策の甲斐あって、原付以上運転者(第1当事者)の飲酒運転による年間交通死亡事故件数は、2000年の1,276件から、2021年には152件と大幅に減少しています。

しかしこのような状況においても、事故や違反を繰り返す常習飲酒運転者が存在することも指摘されています。

さらに久里浜医療センターと神奈川県警察との共同研究から、飲酒運転検挙経験者の半数以上が多量飲酒者であり、アルコール依存症者の割合も一般人口に比べて非常に高いことがわかっています。


2. 酩酊による交通事故(歩行者)


歩行中の交通事故死者数(2021年)は941名で、全体(2,636人)の1/3以上と、状態別交通事故死者数では最も多くなっています。

歩行者側の法令違反の内訳をみると、高齢者以外では酩酊等が23%と、横断違反(11%)の2倍となっています。このことから酩酊歩行は死亡事故につながりやすく、大変危険であることがわかります。


3. 転倒・転落


酩酊により足元がふらつき、注意力が散漫になるほか、意識障害が出現することもあるため、転倒や転落が起こりやすくなります。

また、転倒時には身体を防御するような反射的な運動が遅れ、頭部外傷などの重傷な外傷が起きやすくなります。

さらに階段や電車のホームなどから転落し、死亡する事例も多くみられます。


4.溺水


飲酒後に入浴し溺水する事例が多く、公衆浴場や川・海での溺水もみられます。
飲酒が溺水の危険性を高めることが指摘されています。


5. 凍死


アルコールには末梢血管拡張作用があるため、飲酒をすると体表の血流が増加します。

従って飲酒後に寒い所に長時間いると血液が冷やされて低体温になりやすく、屋外で眠り込んでしまい凍死する事例が多数みられます。


5. 吐物吸引による窒息


酩酊状態のため、嘔吐の際に吐物を吸引して窒息する事例も多く、酩酊者への適切なケアが必要とされます。


参考資料:厚生労働省ホームページ


最後まで読んでいただきありがとうございました。


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