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ITとヒトとの関わり方・バランス・距離感・適正化【八百屋から見た“食”no.48】

近所にあるファミレスで目にする光景。

人手不足編でも書いたように、働くヒトが減っています。
アルバイトはひと昔前のような規模では採用できず、大手個人といった経営規模にかかわらず、常時配置が難しくなっています。

注文取りのパネル化・QRコード化は一般に普及しましたね。
さらに一歩進み、飲食産業では配膳(運搬)・会計を非対面方式にシフト。
猫型ロボット(←ん?)が出来上がった料理を運びます。

ここまで割り切った状況になり気づいたのは、今までヒトが関わる場面が多すぎたのだろうということ。モノやサービス提供の“相手”がヒトだったことで「合理化できない部分」「摩擦が起きる部分」「お客さんが従業員に期待しすぎる部分」があったように感じます。その究極がカスタマーハラスメントと呼ばれる社会問題。ヒト対ヒトの意思疎通が会話では成立しない/わかりあえない状況が散見されるようになりました。お節介の通じない社会は味気ないものです。

大げさにいえばコロナ禍前までの有人史において、ヒト対ヒトの意思疎通は対面による会話で、特定の(目前にいる)相手が対象でした。会話に加えて表情や態度しぐさでも読み取っていました。2000年前後からWeb/メール上のやりとりが普及。会話ではなく画面上の文字のやりとりが主流になりました。コロナ禍の非接触の流れも相まって(画面やロボットが間に入る)最低限の操作で済ませるという“意思疎通の諦め”がヒト社会に急速に普及したことで【省力化】【非・属人化】が進展したように感じます。

個人的には『五感の無い人生&画面に動かされる人生はつまらない』と日頃から思っています。会話があった方が楽しいし豊かだとも思っていますが、それと省力化/非・属人化は別の話。人手に頼れない時代を生き抜くには避けて通れません。

従業員が店内から完全に消えたわけではなく、清掃や補充作業や持ち帰り対応に勤しんでいて味気ない店内ではありません。ロボットが動いていても許容でき、従業員のいらっしゃいませの声もあり雰囲気も損なっていません。まぁまぁ可愛げのあるフォルムでゆっくり動くロボットとの共存に慣れた場ができつつあります。店側の省力化合理化も進み、受け手(お客側)が身構えないITやDXのベストバランス・ベストミックスを見たように思います。

ありがちな“不要な開発ツールに踊らされること”なく、“ホスピタリティが足りない/操作できない”の声にブレることもなく算盤とツールとヒトのベストミックスに今後もチャレンジしてほしいし、省力化合理化の運営を進めたからこそ、ファミレス店舗という場の継続&サービス提供の恩恵を受けていることを消費者である私達は(コトバにしないまでも)意識して欲しいなと。そういう今(2024年)と未来を暮らすんだなと「行ってきますニャー」の声を聞きながら感じるのでした。

◆八百屋/個人経営でもIT省力化はできるのか
①キャッシュレス対応
②SNS発信/お客さんとの意思疎通&注文受け
③仕入/専用Webサイトを使った受発注
④経費精算/帳簿入力
⑤通販サイト作成
IT/Webツール利活用はこの5点。キャッシュレス導入は各店経営者の判断でよいように思います。どう考えても決済手数料が店側負担なのはキビシイです。一律である必要はないです。せめて各店舗で料率を決められるようにならないと。

ヒト対ヒトのニュアンス/やりとりがどうしても必要な属人的八百屋において、これ以上の省力化/作業代替化は今のところ難しいように思います。対面であれば一言二言で済むような内容も画面上の文字表現にするとうまく伝わらず(どう表現するかに)時間を取られますし。ITツール導入がかえって非効率/作業負担増になるケースもあるように思います。

合理化という点では、ユニク■のようなICタグ化で瞬時に会計できたらいいのになと夢想するものの、ナマモノには難しいか。採算面も厳しそうです。


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↓いままでの店舗運営はアルバイト充足が前提だった

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↓少子高齢化と働き手不足

↓たべもの屋は継続してこそ

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