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時間 -カイロスとクロノス-

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人間が考える人間、という問いを多くの人に聞いてみたいと思っている

環境に流される愚か者である。

状況によって変わる気まぐれものである。

前提を疑うのは労力がかかる。

疑い続けるのはもっと労力がかかる。

行動に移すのは、さらに大変だ。

それを生活や仕事の選択に落とし込んだのが、2000年代。
選択するとき、自分が大切にしたい価値観を言語化する。
・その価値観は、育った環境の「ふつう」で培われる。
・義務教育の中で、脈々と植え付けられる。
・自分の琴線に触

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ギブソンとベルクソン(30)

時間とアフォーダンスの間に、なにかおもしろことが眠っているのではないかと思い、ここ最近は黙々とその手の本を読んでいる。

そして、いつものとおり、黙々と読んでいた内容を、メタメタとカフェと散歩と対話を通じてしていたところ、どうやら、ベルクソンも読んだほうがよさそうだ、ということになった、降ってきたのだ。アフォーダンスだけを読んでいてもつかみどころがなかったので、ちょうどよい助け舟だった。ということ

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時間のほんやの妄想メモ(28)

時間のほんやの妄想メモ(28)

IKEBUKURO LIVING LOOPに出店することになった。やってみたいことは3つある。10月までにゆるゆると準備していきたい。

1.本を売ってみる(もちろん、店舗で売った経験はない)
2.カルテを書いてもらい、本を選ぶサービス(サブスクリプション?)
3.本の装丁をつくるワークショップをやってみたい

どんな本を集めようかテーマは「時間」にしよう
Kairos Zineがいちばんの売り物

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Kairos Zineが3冊、売れた(27)

Kairos Zineが3冊、売れた(27)

2018年に発行したZINE、ほそぼそとオンラインで販売しています。

ご縁があって、下北沢のB&Bに3冊置いてもらっていたのですが、一昨日、全部売れたので、また納品してください、とメールをいただいた。

自分で作ったものが売れるというのは、非常に嬉しい経験。もともと、売るつもりはありませんでした。自分の「時間」を知りたいという好奇心!だけで作りました。内容は偏りがあってマニアックです。そして、し

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疑われていない常識(26)

理性〈⇔直観〉は万能ではない。行動経済学や心理学などが、20世紀に理性の揚げ足取りを盛んにおこなった。そして、理性は格下げされたような状態だ。ただし、合理性があるからこそ、非合理性が存在するのだ。

反共感論を読んでいたときに、そんなことが書いてあった。これは僕にとってとても深い洞察だった。従来、疑われていなかった理性という常識を徹底的に疑い、そのことが科学の世界においては一つのブームになった。一

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なぜ、「時間とタイミング」なのか(25)

自分のやっていることは、かなりの部分で論理破綻している。整合性はないし、思いつきででまかせでやっているものばかりだ。だから、人に説明するときにたいてい失敗する。その原因は、相手の立場に立たずに、思いついたことをポンポンといって混乱させてしまうからだ。そして、理解してほしいと思っているから、理解してもらえてないと思うと、次々と情報を投げ込み、一貫性やストーリーがなく、さらに混乱を招いてしまう。

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インターネットと待ち合わせ(24)

同じ空間を共有しなくとも、打ち合わせができるのは、インターネットの発展がある。しかし、それはあくまでも、「離れたところを接続する」ということについてだ。もし、接続されても、落ち合えなければ、打ち合わせはできない。メールのやり取りはできるだろうが、オンラインのビデオ会議はできない。

それでは、オンラインのビデオ会議を成立させるために、必要な条件はなんだろうか?それは、お互いに比較可能な時計を有して

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Whyに含まれる時間性(23)

Whyに含まれる時間性(23)

Why、なぜという言葉。これに含まれる時間性について、考えていきたいと思う。この時点で、何を書くのかは決めていない。

Whyの特徴を考えるために、同じカテゴリーにされやすい他のWと比較する。What,When,Who,Whichだ。Whenが一番時間性をもっていそうであるが、それはあくまでもその一瞬であり、その一時である。「いつ」というのは、ある意味で、それが答えられた瞬間に時間の範囲は定まる。

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葉山芸術祭と、こくいっこく(21)

葉山芸術祭と、こくいっこく(21)

時間と音、について書いてみようと思う。

葉山芸術祭で、ひとつの作品を鑑賞した、正確にいうと体験した。テーマは時間であり、リズムだったのだが、僕がとりわけ心に残っているのは、「音」だ。

ジジジジジジジジジジ....

というバイブ音。

そして、この音を旅の途中のどこかで聞いたのだ。その音を聞いたとき、葉山のことを思い出した。そして、今、その音を聞いた場所のことは忘れている。時間をリズムに変換し

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君が代、を時間から読む(20)

君が代、を時間から読む(20)

きみがよは
ちよにやちよに
さざれいしの
いわおとなりて
こけのむすまで

57577の歌であることを、日本国民に生まれて35年目にして気がついた。そして、この歌に込められた意味というのも、あらためて漢字をおっていくことで、いまさらながら勉強させてもらった。

さざれ石(小さな小石)が巌(大きな岩石)となり、苔がその巌にむすまでの長い時間、きみの時代が

という永遠なる治世を詠んでいるのだろうと。

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時間がアフォードするもの(20)

時間がアフォードするもの(20)

「自分探し」とは本来、「自分」を探すことではなく、既存の環境のなかで自分が居やすい場所を見つけたり、つくり出したりすることだ。

人間の心的な機能も脳の内部で自律できる過程ではなく、環境との関係性にこそ、その本質がある。

『〈心〉はからだの外にある』の一節である。自分探しは、自分の中にある何かを探す行為ではないと、心理主義的な考えから一歩距離をおいた考えである。さらに、アフォーダンスを提唱したギ

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平成最後の東京大学の告辞と祝辞(19)

平成最後の東京大学の告辞と祝辞(19)

平成最後の東京大学の卒業式の総長告辞、その後半で見田宗介先生の書籍から引用しつつ、語られていることにいたく感銘を受けた。

そして、その余韻が心に残ったまま、昨日と今日、facebookのタイムラインを専有したのが、入学式での上野千鶴子先生の祝辞である。こちらも、心を掴んで離さないインパクトのある祝辞だった。

そして、見田先生及び上野先生は共に社会学者である。2つを重ね合わせてみると、何か発見が

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希望と現実(18)

希望と現実(18)

そういう「個人の成功」ではなく「全体の幸福」を願う人を僕は「希望」と呼びたいし、その発信源になれればな、と。理念は自由と平和、現実は合理性であった。

理念は希望、現実は?というところであろう。

本当に希望は人をドライブするのか?そして、誰かの希望でドライブされた人は幸せになるのか?自分の希望を持つ可能性はあるのか?

そういう「個人の成功」ではなく「全体の幸福」を願う人を僕は「希望」と呼びたい

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未来のために現在があると信じた平成、そして令和(16)

未来のために現在があると信じた平成、そして令和(16)

本を読んでいて、ときに内臓が震えるときがある。寒気に近い感覚だ。それが起こるのは、自分が無意識に信じていたものが否定され、そしてその否定の論理に自分が納得してしまっているときだ。

頭はNO、体はYES。

この分離した状況を内臓、特に胃が察知するのだ。たまにこれが体調不良につながることさえある。そのほか、前頭葉が破裂しそうになる感覚もあるが、それはまた別の機会に読書の身体感覚みたいなテーマで書こ

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