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#読書の秋2020
レンマ×ロゴスのハイブリッドは「脳」から始まる −中沢新一著『レンマ学』を精読する(6)
中沢新一氏の『レンマ学』を読む連続noteも6回目である。
前回の記事はこちらであり、締めくくりに次のように書いた。
私たち人間が、区別と差別で煩悩に苛まれるのは「生滅心」の働きのせいなのだけれども、人間の心は実は生滅心だけでなく、生滅心と心真如との「和合」によって成り立っている。ここに人間が煩悩に苛まれつつそこから脱する道がある。
人間はロゴス的知性によって、ものごとを整然と分けることがで
中沢新一著『レンマ学』を精読する(2)ー「縁起の論理」より、私は他者であり、他者は私である
中沢新一氏の『レンマ学』を読む。
互いにはっきりと区別された物事を、並べて積み上げたものとして世界を理解するのが「ロゴス」的な知性である。通常「知性」というと、明確に定義され互いにはっきりと区別された言葉を理路整然と積み重ねていくことのように思われているが、ロゴスはまさにそうした知性のあり方である。
◎私は私であって他の誰でもないし、他の誰かは私ではない。
◎私と他者は最初から、完全に分かれて