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【コラム】現代の若者に効く!選択型マネジメント!(マネジメント手法)

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はじめに

30代、40代のマネジメント層の皆さん、若手のマネジメントに悩んでいませんか?🙄

数年前から同世代の友人・知人からよく相談を受けるようになって、自分自身もここ数年20代前半の若手と関わるようになって思ったのです。
「これは時代が変わったんだ」と😱

私の世代はまだギリギリ古い世代でございまして、ゆとり教育などが導入されるギリ手前、又は1~2年程度しか影響を受けていない世代です。
それゆえ、まだ昭和の匂いが残ったマネジメントスタイルにも対応できますし、体育会系という言葉も馴染み深いものがあります。
もちろん、私個人はそういうマネジメントスタイルが嫌いですし、大反対ですが、そういうマネジメントスタイルが存在していること、一定の機能を果たしてきたこと自体は否定せずに生きていきます。

しかし、そのような古いスタイルで育ってきた同世代は、若い世代に対しても体育会系又は中途半端な体育会系スタイルを導入し、マネジメントに失敗し続けています🤔

そこで今日は、若い世代(1996年以降に生まれた人たち。2022年現在で26歳以下の若手)に合うであろう新しいタイプのマネジメントスタイルをご紹介しましょう!
30代、40代の皆様の参考になれば幸いです。


1.旧式マネジメントスタイル

まず、何が旧型のマネジメントスタイルなのかを考えてみましょう。
私が感じる旧型マネジメントスタイルは、明確な上下関係と指揮命令系統が存在するマネジメントスタイルです。

上司は年齢、地位、権限、裁量など全部上で、部下はその上司を尊敬し、付き従うことが半ば当然と考えられているスタイルです。
いわば昔の体育会系部活動と同じです😱
野球部、サッカー部、柔道部、空手部、剣道部などはその色彩がとても強いと思うのですぐにイメージできると思います。

このスタイルは、実はもう古いのではないかと感じています。

現代の若手の子たちと話していると、言葉の端々から感じられる価値観として「能力主義」「個人主義」が垣間見えるときがあります。
もちろん、全員ではないですよ。
でも、我々が若かった頃より遥かに割合が多いと感じます。

誤解を恐れずにいえば、

「無能な人間には従いたくない!」
「他人は他人、自分は自分」
「自分の上に立つのであれば、自分より能力が上でないといけない」
「役職なんか所詮役割の違い。人間的な格の違いではない」
「役職が上というだけで偉そうにしている人は無能」

という信念に近いものを感じます。
我々世代の一部もそういう感情は持っていたと思いますが、より外部に表出しやすい世代になったなと思います。

現在の若手は、同じ会社にずっと留まろうという価値観が薄く、次のキャリアのための通過点という色彩が強いです。
そのため、無能な上司の下で働く時間を無駄な時間だと感じています。
一方で、日本人らしさというか、義理人情の心もあって、受けた恩は返そうという姿勢があります。

少なくとも、私は彼らのこういう価値観に賛同していますし、悪いとは思いません。

私以上の世代では、自分より能力が劣る先輩・上司でも、年齢が上ならばいろいろ我慢して付き従うという選択をしがちです。
転職という選択肢がネガティブなイメージを持っていた世代なので、まずは我慢して耐え忍ぶという選択肢を選んでしまうのです。

しかし、今の若い人たちはそういう我慢や時間を「無駄だ」と感じることが多いようです。
時代が変わったんです😁

上記のような旧式のマネジメントでは、特定の役職者に権限を集中させ、管理を任せていれば上手くいくことが多かったです。
そのため「集中型マネジメント」と名付けることにします😁

このマネジメントスタイルでは、権限が上司に集中しているため、その上司が権限を濫用したとしてもなかなか発覚しないという問題がありました。
そのため、一方的なノルマを設定されたり、パワハラを行われたりしても部下は閉ざされた世界でそれを我慢し続けなければなりません。
そういう意味では多くの部下たちの我慢と辛抱と犠牲の下に成り立っていた経営スタイルです。
今でも多くの大手企業でこのスタイルが採用されていると思います。

もちろん、素晴らしい人格者が上司になった場合は非常に良い結果を産むマネジメントスタイルなのですが、そういう人格者の数は極めて少数と言わざるをえません。


2.選択型マネジメント

では、現代の若者にとって好ましいマネジメントスタイルはどのようなものでしょうか。

上記の問題を解決するために、最近のベンチャー企業(主にIT企業)では上下関係をできる限りなくし、フラットな組織構造を作る会社が多いです。
経営陣(執行役員や部長レベル)以外はほぼ全員が一般社員という構成で、上下関係ではなく、単に役割分担を明確にしているというニュアンスが強いと思います。
課長や係長などは存在せず、取締役→事業部長(執行役員の場合もある)→一般社員という3段階、又は取締役(事業部長兼務)→一般社員のみの2段階構造です。
そのため、フラットな組織構造を持つベンチャー企業と現代の若者の相性はとても良いと思います😁

私は、このようなフラットな組織構造においては「選択型マネジメント」が良いのではないかと考えています。
そして、今のところ若手の皆さんと接するときは概ねこのスタイルで上手く行っている気がします。

選択型マネジメントでは、権限や裁量を本人の希望に応じて分散させます。
しかし、責任はある程度上司に集中させます。
その責任を背負うからこそ、一般社員よりも上司の方が所得が高いという構造です。

高所得の正当性を責任の重さに置くわけですね😁

このマネジメントスタイルでは、以下のようなことを実践していきます。
なお、ただの一例です。

(1)部下に裁量を与える(任せる)
(2)結果への責任は原則として共に背負う
(3)インプットとのバランスを取る
(4)数値目標は部下が自分で決める
(5)上司は部下の目標達成に貢献する立場
(6)タスクや役割を公開する
(7)相談は誰にしてもよい
(8)ネガティブな意見を受け入れる

以下、簡単に説明させていただきます。


(1)部下に裁量を与える(任せる)


まず重要な点は権限の分散です。
集中型マネジメントでは、権限がすべて上司に集中していたので、仕事の進め方もすべて上司が決定していました。
そのため、上司によってどこまで裁量を任せてくれるかという点に大きな差異が出てしまい、人によってはマイクロマネジメントを行ってくるケースも多かったと思います。
一方で全部丸振りして放任主義という人もいてなかなか対応が難しい状況だったと思います😱

そのため、選択型マネジメントでは、どこまでの責任を負うか、どこまでの裁量がほしいかを上司・部下で話し合って(本人の希望に応じて)、裁量の範囲をある程度明確にします。
したがって、その裁量の範囲内では原則として部下に裁量があることになります。
タスクの完了期限は決まっていますが、その期限までにどういうふうなやり方をするかは部下次第です。

最初に進め方を相談して、報連相のタイミングを決めてから着手してもいいですし、全部自分で決めて完成品だけ提出してもOKです。
ただし、どのレベルが合格レベルなのかは明確に把握していないとNGを食らってタスク未完のままになります😁

裁量があるということは、それに伴ってプロとして活動しないといけませんから、どうすればタスクを完璧に完了できるかを考えて活動しないといけません。
こういう注意点を最初の段階でしておくと、部下はしっかり自分で考えてタスクをこなします。

優秀な人は最初に仮説を立てて、60点くらいの段階の成果物を上司に提示し、方向性の確認を行います。
これが数回続くともう正解の出し方がわかるようになるので、後は完全に任せてしまって構いません。
部下の成長速度も上がるので一石二鳥です。
そして、責任や裁量が広くなればなるほど、タスクの達成難易度が上がるので、それを任される人の報酬は上がっていくという仕組みです。

選択型マネジメントだと、当事者間で責任の所在と裁量の範囲が明確になるのでトラブルも少ないです。

当事者間で話し合う際に、その人の志向も知ることができます。
例えば、言われたことを忠実にやりたいという人には明確に指示を出します。
こういう人は事務職に向いています。

一方で、ある程度自分で考えて裁量を持ってやりたいという人には責任も負ってもらいますが、原則自由にやらせます。
働く場所や方法も問いません。
自宅でやりたい人はそうすればいいですし、リゾート地でやってもいいです。
タスクさえきれいに片付けばそれでよしです!
専門職ですから、プロとして扱います。


(2)結果への責任は原則として共に背負う


さて、上述のとおり、本人の希望に沿って裁量を与えましたが、原則としてその裁量に応じた責任は本人に負ってもらいます。
しかし、このとき「本人だけが」責任を負うことは避けた方が良いです。
それはただの責任転嫁です。

上司・部下で責任と裁量の範囲を話し合って決めて、その裁量について本人にも責任を負ってもらいますが、この責任は「共同で」背負います。
上司には任せた責任があり、部下には引き受けた責任があります。
そのため、もし失敗したとしても、最終的な責任は上司(任せた人)が負います

ここが一番難しいところです🤔
旧式の集中型マネジメントでは、権限も責任も集中していたので、上司が責任を負うことが当たり前でした。
実態としては上司が部下に責任を押し付けている場面の方が多い気がしますが、建前上は上司に権限・責任がある形でした。
そのため、器の小さい上司は、部下の失敗の責任を背負いたくないがためにマイクロマネジメントに走りやすい構造がありました。

一方で選択型マネジメントでは、上司と部下の合意に基づく裁量と責任の分散を行います。
でも、それは共同で責任を負っている状態に過ぎないので、最終的な責任は上司が負うことに変わりはありません。

つまり、選択型マネジメントでは、部下の成長のために裁量を与えつつも責任は自分が取るという器の大きさが必要なのです。
そういう思考ができない人はそもそもマネジメント層に入るべきではないと言っていいでしょう。

更にいうと、共に責任を背負えるような部下、その部下の成長のために頑張ろうと思えるような部下を採用しないといけません。
したがって、選択型マネジメントをしっかりと機能させるためには、マネジメント層に入る人を慎重に選び、かつ、その人に採用権を与えないといけないのです😁
会社側が押し付けた人員との間で選択型マネジメントを行えというのは酷な話です。
裁量は常に濫用の危険がありますから、性格が歪んでいる部下に裁量を与えるとろくなことになりません。
そのため、適切な人をマネジメント層に任命し、かつ、その人に部下の任命権、採用権を与えておかないと機能し辛いのです。

ということは、経営層の器も試されています😱


(3)インプットとのバランスを取る


続いて、選択型マネジメントでは、原則として部下に対して無理なタスクを与えません。
部下が自分で「やりたい」又は上司からの依頼に基づいて自分で「やれる(承諾)」と判断したタスク以外はやらせません。
最初の話し合いの時点で裁量と責任を分散するので、それによって報酬もある程度決定されます。
合意に基づくタスク以外を与えないのは、本人の役割を明確にするためでもありますし、インプットとのバランスを取らせるためでもあります。

専門職では特にそうですが、タスクに忙殺されてインプットの時間が無くなると、その人の成長はそこでストップします。
成長が止まると、本人が先々のキャリアで躓きやすくなりますし、結局は会社にとってもメリットがありません。

そのため、上司は常に部下のインプットに気を配らないといけません。
部下が勉強する時間を確保し、どういう知識を入れるべきかを指導し続けるべきです。
もっと現実的なお話をすると、インプットを疎かにするような人を自分の部下にするべきではありません
インプットをしない人は成長が著しく遅い又は全く成長しないので、部下として抱え続けてもあまり価値が無いのです。
そういう部下の責任を自分が負うという気持ちにもなれないでしょうから、採用時点で弾くべきです。

これは裏を返せば自分自身も学び続けないといけないということを意味します。
部下に天才が一人入ってくると、あっという間に知識レベルで追い抜かれますからね🙄
私も今、優秀な子に後ろを狙われていますので、必死に学んでいるところです。

専門職は一生涯勉強し続けないといけない職種です。
部下の将来のため、組織の将来のために、インプットの時間を確保してあげましょう。
それが結局は全員が得をする方法です。


(4)数値目標は部下が自分で決める


旧式の集中型マネジメントでは、数値目標というものは原則として会社から割り振られた「ノルマ」であり、勝手に決められるものでした。
上司でさえも会社(取締役会)から振られた数値を追いかけるだけの役割です。

このようなノルマ制度が機能した時代もあったと思いますが、現代ではなかなか機能しません。
その数値が実現可能性のある数値であればある程度機能するのですが、大抵は現場の温度感をわかっていない取締役会が決定する数値なので、無謀な数値目標となりやすいです。
どこの大手企業でも同じような問題を抱えています。
むしろ大きな会社ほど陥りやすいノルマの罠だと思います。

このようなノルマの罠にハマった会社では、現場の社員は「上が勝手に決めた根拠のない数字を負わされているだけ」という認識なので、頑張る気にもならず、モチベーションは低いままで稼働します。
結果的に目標未達又は無理な(ないしは不正な)目標達成が続き、真面目な従業員であるほど精神的に疲弊していくのです。
最終的には離職率の上昇を招きます

一方で、選択型マネジメントでは、数値目標を部下が自分で決めます

このとき、会社側としては、現在の給与を維持するために最低限クリアしてもらわないといけないレベルを提示する必要があります。
例えば、昨年(前期)と同等のタスクを前年と同等以上の速度で処理することなどが最低限のレベルになると思います。
部下が「維持」を目指すのであればこれをクリアすればOKです。

一方で、部下が「昇給」「昇格」を目指すのであれば、それ相応の課題をクリアしてもらう必要があるので、それを部下に決めさせるべきです。
キャリアは自分で決めるものですから、そこを考える契機にしてあげると良いと思います。

上司は必要に応じて部下に助言を行うようにしてください。
部下が考えているキャリア像は、十中八九ぼやっとしています。
マネジメント層とは経験値がまるで違うことが多いので、見えている世界が全く違うと考えてください。
見たこともない世界を想像しながらキャリアを考えている状態です。
そのため、見えている側の助言が必須です。

この助言を適切に行えない人は上司の器ではありません😱
部下をよく理解し、どういう言葉で噛み砕いて伝えると伝わるのかを日々考えましょう。
そのためにも、自分の過去のキャリアを言語化したり、客観的なキャリア戦略をしっかり学んで自分の脳内に落とし込んでおく必要があります。

上司と部下との対話の果に、部下自身が立てた目標が出てきます
この目標こそが価値のある目標であり、達成する可能性の高い目標です。
ほぼあり得ませんが、もしこういう質の高い目標設定を全社員が立てられるようになったら、組織は毎年強固になっていきます。
最強の組織は毎年成長し続けられる組織ですから、部下がモチベーションを高く保てるような目標設定を手伝ってあげてください。


(5)上司は部下の目標達成に貢献する立場


部下が適正な目標設定が行えた場合、上司はその時点から徹底的に部下の目標達成に貢献してください。
選択型マネジメントでは、これが上司の最重要役割です。

本来、上司というものは経験が豊富で、何らかの分野の専門家であることが多いです。
経験はある程度年齢に比例しますが、生き方次第で若くして多くの経験を積むこともできます。
その経験から得られた様々な知見、人脈、能力を部下の目標達成のために活用してください。

部下が学びたい分野、身につけたい能力、達成したい数値目標…それらすべてに全身全霊で協力してください。
部下が学びたい分野が自分の専門領域外なら、自分の人脈の中でその分野に詳しい人を紹介してください。
部下が身につけたい能力が得られやすい書籍があるなら紹介しましょう。
数値目標に貢献できるような方法があるならどんどん提案しましょう。

選択型マネジメントでは、基本的に主役は部下です。
部下が自分で選び、自分で学び、自分で成長していくスタイルです。
上司はそれをフォローし、助ける役割です。
もちろん、部下が全然有言実行をしないなら手助けする必要はないですが、一生懸命頑張っているなら全力でサポートしてください😁

なお、目標を真面目に立てない、部下が有言実行しない(目標達成の活動をしない)という場合、信頼関係がないか、採用ミスかのどちらかであることが多いです。
いずれにしても上司の責任です😱
なので、採用段階からしっかりと見極めましょう。
目標達成のために努力し続けられる人は本当に極僅かですから、良い部下を獲得するために本気で採用活動を行いましょう。
良い人材に出会える確率は1~2%(100人会って1人か2人しか良い人がいない)だと思うので、本気で採用活動をしないとなかなか出会えないと思います。


(6)タスクや役割を公開する


さて、ここからちょっと難しい論点のお話をします🤔
選択型マネジメントの特徴を軽くおさらいしますと、選択型マネジメントでは、
・上司と部下で話し合って裁量と責任を分散
・責任を共同で負う
・インプットのバランスを取る
・数値目標を部下自身に決めてもらう
・上司は目標達成に貢献する役割

でしたね?

次は、目標達成までのプロセスをどこまで公開するかです。

選択肢は大きく分けて3つです。

・フルオープン(全部公開)
・一部公開
・非公開

私は原則としてフルオープン派です。
目標というものは、外部に発信することで誓約効果が生まれ、それを達成しなければならないというインセンティブが働きます。
モニタリング効果の一種です。

それに、本気で何らかの目標を達成しようとしている人間は、基本的にその目標を外部に積極的に公開していきます。
なぜなら、そうした方が協力者が得られやすいからです。
特に、高い数値目標を掲げている人については、一人で達成することはほぼ不可能で、誰かの人脈を活用しないとなかなか達成できません。

営業職が自己の業績を棒グラフでオフィス内に貼り出されることがあると思いますが、あれも目標達成プロセスの公開手法の一種です。
誰かに見られているという状況がプラスの効果をもたらすのです。

しかし、優秀な人にとってはプラス効果なのですが、能力が低い人にとっては「見せしめ」となるので、モチベーションを低下させる効果を生みます。
つまり、優秀な人間がより優秀になるのに効果がある一方で、中途半端な能力しかない人については更に能力を低下させ得るのです😱

このメリットとデメリットをよく検討した上で、どこまで公開するかを決めていかないといけません。
上司は部下との対話の中で判断していく必要があります。
その人がどの程度本気なのか、外部に発信して積極的に助けを求める姿勢がどの程度あるのか。
そのあたりをよく見極めましょう。

なお、私が所属しているWARC社では、基本的にチーム目標は公開されていますし、月次で進捗状況が発表されます。
各チームが抱える目標の達成のために、社内のあらゆるところから紹介をもらいます。
そのため、各チームの構成員がそれぞれの人脈、クライアント様と対話する中で『この案件ならWARCの●●事業部がお役に立てそうだな』と思いつけるような仕組みがあります。

こういう社内の人脈をフル活用する仕組みが重要です。
もちろん、紹介を受ける側の姿勢も重要なので、この点は要注意です。
せっかく紹介してもらったのに、紹介してくれた第三者を粗末に扱ったり、ご迷惑をおかけしたりする人は二度と協力してもらえなくなります。


(7)相談は誰にしてもよい


集中型マネジメントでは、職場での対話が同部署間又は上司部下間で偏る傾向がありました。
上司が全責任・全権限を持っているため、他部署に自分の部署のことを勝手に相談されたりするのを嫌う傾向があり、自分の支配領域内に置きたがる人が多かったのです。
これは多くの企業が抱えている悩みの一つだと思います。
閉ざされた世界がいっぱいできるのです😱
これが組織の不健全に繋がります。

選択型マネジメントでは、部下は誰に相談しても良いです!

極論をいえば、部下が上司・メンター・相談者を選べるマネジメントスタイルです。

フラットなITベンチャー企業にお勤めの皆さんは「え?当たり前じゃない?」と思うでしょうけども、実は全然当たり前ではありません😱
多くの大手企業では、完全な縦割り行政(もっぱら、その事業分野を管轄する省庁・部署、およびその下位組織の間でのみやりとりが行われ、異なる分野にまたがる部署連携がとられない状態)が行われておりまして、他部署の上役に相談するなんて行為はもはや離反行為とみなされます。
裏切り者として処罰されることもあるくらいです。

日本の大型組織では、恐ろしいほどの不健全・非効率が横行しているのです。

選択型マネジメントでは、こういう不健全を極力排除します。
若手はどこの誰に相談してもOKです!
社外秘を外部に漏らすなどの違法行為をしなければ、どんな相談をしても構いません!

こんなこと当たり前なのですが、その当たり前ができていない組織が非常に多いです。

例えば、部下が「将来絶対会計の知識が必要になるから、経理部長に話を聞きに行きたい!」と思った時、上司がSlackで一本「うちの部下が会計学びたいらしいから、ちょっとMTG組んでお話してあげてくれないかな?」って送ってあげれば済む話なんですよ😁
そういう自由なコミュニケーションを積極的に創出できるチームを作った方がいいです。

今からいうことがとても大事なことなので是非覚えておいてほしいのですが、組織の力というものは、個々人が持っている知識の総量で決まるのではないのです。
組織の力は、組織の構成員が「誰が何を知っているか」を知っている度合いで決まるのです。

~のことなら●●さんが詳しいよ!
~のことなら▲▲さんだ!

という風に、誰に聞けばわかるのかというのを組織の各構成員が知っていることが重要なのです。
そのためにも、日頃からいろいろな人とコミュニケーションをとって、相談できる仕組みが必要なのです😁
本当に組織を強化したいなら、コミュニケーションの量に着目すべきです。
それぞれの相互理解を深める活動が重要です。

若手で優秀な人というのは、自分の組織内の人間を活用するのが本当に上手です。
自分一人で覚えられる知識量には限界がありますし、勉強もすぐに完了するわけではない。
でも、他人の知識と能力を活用すれば解決できる。
そういう発想を持っている若手が優秀な若手です。
最優秀層になってくると、他社のリソースまで使い出しますからね😱
「~の分野ならA社の●●さんが詳しいな!繋ごう!」という発想をします。
末恐ろしい。

この記事を読んでいる若手の皆さん!
私が持っている知見が役に立つならいつでも相談してくださいね😁
私はフルオープンな男ですから、どこの会社の人でもいつでもカモンです。
ちなみに、フリー素材山本さん(うちのCEO)も基本的に空いているときはいつでも相談に乗ってくれます😁


(8)ネガティブな意見を受け入れる


最後に、選択型マネジメントの基礎を成す部分をお話します。

上述のとおり、選択型マネジメントはかなり難易度の高いマネジメントスタイルです。
現代の若者にハマる可能性が高いスタイルですが、上司側に求められるスキルはかなり高いです。

その中でも最難関が「信頼関係の構築」です。
裁量と責任を分散する時点で既に信頼関係が構築されていないと上手くいきません。
部下側が心を開いてくれないと、適正な役割分担ができないのです。

そのため、まず意識してほしいことは「ネガティブな意見を受け入れる姿勢」です。

多くのマネジメント層は、これができていません。
部下がネガティブな発言をすると叱責したり、注意したりします。

でもよく考えてみてください🙄
ずっとポジティブでいられる人間・組織なんて、おかしいくないですか?
そんな作られた人間像でいる限り、職場で本音で話せるわけがないのです。
本音で話せないような上司に自分の本当の目標を話すわけがない。
そんな状態でマネジメントが上手くいくはずがないのです。

会社に対して様々な不満を抱えているのが従業員です。
当たり前の話です。
そのネガティブな意見を受け入れて、しっかりと話を聞く姿勢から信頼関係が生まれます。

また、従業員の抱える不満には「ただのワガママやろ」と思える部分もあるかもしれませんが、時々大きなヒントが隠れていることがあります。
それがイノベーションに繋がることもあるので、聞いておいて損はないです。
そして、部下の不満に思っているポイントをよく分析することで、その部下の個性もよくわかります。
先々成長する可能性が高い人なのか、低い人なのかも手に取るようにわかるようになってきます。

マネジメント層にとって、ネガティブな意見というものは宝の地図みたいなものです。
様々な情報を与えてくれますから、聴かないなんて勿体ないのです。


おわりに

ということで、ちょっと長くなりましたが、現代の若者に合うであろう選択型マネジメントというマネジメントスタイルを語らせていただきました😁
参考になれば幸いでございます。

時代と共に人の価値観は変わっていきますけども、これから10年程度で一気に日本の価値観は変わっていくと思います。
日本は今後、弱小化していくことがほぼ確定している国なので、今の10代、20代の人たちの方が私達世代より遥かに強い危機感を抱いています。
優秀な人ほど海外の大学・大学院に行き始めているのもその傾向でしょう。

だからこそ、変わらないといけないのは我々おっさんの方です。
過去の価値観や常識を一旦アンラーニングして、新しい時代の新しいマネジメントを模索しましょう!

その過程で得られる様々な情報が、きっと我々世代にも生き抜く力を与えてくれると思います!
頑張って生きていきましょう😁

では、また書きます🎵


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著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
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