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和紙の可能性

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和紙のこと、染めや工芸など和紙加工のこと、つづっていきたいと思います。
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#柿渋染め

胡粉の実験

胡粉の実験

Kurogane 額縁の吉田さんのご提案で、胡粉の実験してます。

一枚目の写真はベージュ色の和紙に胡粉を塗ったもので、二枚目が黒の下地に塗布した和紙。
色が濃い方がはっきり白が出るのかなという感じ。

胡粉を厚塗りして揉んでみたりします。
もっと胡粉が落ちて下地の色が見えるかな?と思っていましたが、あまり思ったようには下地の色が見えません。
今回は胡粉をドウサ液に溶いて使いました。
他にもコンニ

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金銀装飾(蒔絵)

金銀装飾(蒔絵)

柿渋染めの黒い箱に 錫と真鍮の金属粉を使って装飾しました。

比較的簡単にできるので、そのやり方を今日はレポートします。

こちらの和紙を貼った箱にまず、ドウサ液を塗ります。

写真からわかるでしょうか?ちょっと粘り気を入れています。
これはドウサ液にこんにゃく粉を入れて作ってます。
サラサラ(そのまま)のドウサ液だとすぐに乾いてしまい、錫、真鍮の金属粉が思ったように定着しないのです。
僕のやり方

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柿渋の実験🧫

柿渋の実験🧫



25年くらい前に作った屏風です。
見ていただきたいのは、柿渋染めの模様。
上半分の茶色い部分が柿渋染め、下は墨染めです。
なぜこんなじわじわした模様になったのか、いくら再現しようと試みてもできませんでした。
ブクブク 泡が出て 柿渋がどんどん変化して固まってきつつあるのを急いで紙に撫で付けたのだけを覚えています。

たまたま先日見ていたテレビでお掃除の時 重曹液にクエン酸を混ぜたら泡が出るとい

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柿渋染め

柿渋染め



        今朝は柿渋染めと墨染めをしました。

       あらかじめドーサ液で模様を付けています。
       ドーサ液は塗ったあと乾くとほとんど見えません。

       まず 裏から柿渋を塗ります。
       赤い色をしているのはベンガラを混ぜているから。

       それから全体に松煙を混ぜた黒色の柿渋を。

        表に返したところ。
        ドー

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柿渋の可能性

柿渋の可能性

タイトル画像は 柿渋染め和紙を貼った壁掛けです。
色が バラエティに富んでるでしょ。

柿渋染めといえば 基本的に茶色。(そのまま染めたら茶色です)
古い文献を見てみると 柿渋に 松煙(しょうえん)を混ぜて黒っぽくしたり、弁柄を混ぜて 赤っぽくしたり があります。
あとは化学反応で 鉄焙煎(錆釘を柿渋に入れる)で 紫~黒色に変色します。

これは柿渋に松煙を混ぜて黒っぽい色を出したもの。
白抜きは

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柿渋染めの魅力 和紙の魅力

柿渋染めの魅力 和紙の魅力



壁掛け作りました。
9月の二人展に向け そろそろエンジン全開で作品作っていかなきゃいけない時期に入りました。

表面を流れているのは 柿渋。楮(こうぞ)の和紙にドウサ液(撥水液)を塗り 青墨で下地に色を付け、最後に柿渋を塗り、仕上げた染め和紙です。
ドウサ液を塗っているから 柿渋が和紙に吸い込まれず、いい感じに流れて自然の模様を作ってくれます。
日本画でいうところの たらしこみ という技法を参

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今朝の墨染

今朝の墨染



今朝のお仕事は 墨染。
青墨(せいぼく)を 擦って染めました。
前日 和紙にドウサ液(撥水液)で 模様を描いて一日乾かした素材を使ってます。

ドウサ液は 塗ったところがほぼ見えなくなるので どういう模様を描いたか染めてみないとわかんないです。
刷毛で染料・墨を引き染めにしていきます。

だんだん 模様が出てきて

こちらが全体像。
この紙を墨が乾かないうちに揉んで 一番最初の写真のような雰囲

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洗える和紙のお皿 海外へ☆彡

洗える和紙のお皿 海外へ☆彡



インドのムンバイの 日本総領事館で洗える和紙のお皿使っていただいているというご報告を受けました。
今年のお正月に 岡山天満屋デパートの 催事岡山贔屓 二人展でお買い上げいただいたお客様が実際にインドで使っている様子の写真を、先日お店にご来店いただき見せてくださいました。

こんなイメージですね。
「手入れもしやすいし 使いやすい」
使ってくださっているシェフの うれしい感想。

こちらは 同じ

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つくることは生きること☆彡

つくることは生きること☆彡



これは 今朝染めた紙。
ドーサ液(撥水液)で模様を付け 色の墨で下地を塗り その上に柿渋でもう一度染色。
少し深み(奥行き)が出て少しだけ金属っぽく光沢が出たのがお気に入り。

同じような染め方でも 和紙の種類によって これだけバリエーションが出ます。
また 墨色を入れてすぐ 和紙を揉むのか 時間をおいて揉むのか 墨を入れるとき表からなのか裏からなのか・・・やってみなきゃわかんない。

染めた

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手仕事のこと

手仕事のこと

トップ画像は 20年くらいお店で使っている 和紙のお皿 キャッシュトレーです。
私が厚紙に和紙を貼り 柿渋で染めて手仕事で作りました。
年月を重ねて 端のほうが擦れたり ちょっとはげたりして 味が出てきました。

志村ふくみ、志村洋子さん共著の「夢もまた青し」の中で
「時間(とき)を重ねることによって、美しさが磨かれていく。それは手工芸の何にも代えがたい特質といえるでしょう」 
と表現されてます。

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今朝のお仕事

今朝のお仕事



折敷を作りました。タイトル画像の柿渋染めの和紙を使って仕上げています。染めたばかりのものと 乾いて落ち着いたものは少しイメージ違いますね。

裏は赤弁柄の和紙を貼りました。リバーシブルで 水洗いできるように 合成漆(水性ウレタン樹脂)を塗って仕上げます。

最近は このような揉み紙模様に挑戦しています。

今回の外出規制で時間ができて ちょっと立ち止まっていろいろ考えたり 新しいことに挑戦した

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和紙昔の人はこのように使っていた。

和紙昔の人はこのように使っていた。

古い文献を調べてみると 和紙、柿渋の使い方 いろいろあります。

煙草入れ・・・柿渋に砂糖水を混ぜ何重にも 和紙に塗り、皮のようにした。という記述がありました。砂糖水とは 思いもしなかったし、まぁ、つやが出るんだろうなという想像はつきますが、やってみようとは思えないなぁ。

鉄色紙・・・和紙に 柿渋を引いて 陰干ししたあと 生鉄の煮汁を引いた紙。1826年の 佐藤成裕著の本に その製法が記されてい

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柿渋の魅力

柿渋の魅力

柿渋という自然染料があります。

渋柿を 青いうちに収穫しつぶして発酵させた 染料で 防虫 防水効果があり、雨合羽、和傘 など 日本では広く使われてきました。

和紙との相性も良く かぶれたりすることもなく簡単に使えて便利です。

なにより 染めた時いろんな変化をするという意味で 奥が深く、面白い染料です。写真の箱 は 柿渋染め和紙を使ってます。

柿渋そのものを 紙に塗ると 基本茶色。塗ってすぐ

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