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和紙の可能性

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和紙のこと、染めや工芸など和紙加工のこと、つづっていきたいと思います。
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#柿渋

柿渋と箔

柿渋と箔

アルミ箔を使った実験をしています。
色墨はうまくいきました。
柿渋を使ってみたのですが、とりあえず、塗った時はいい感じの色に仕上がって喜んでたのですが、何日か経つと、柿渋を塗ったところが箔と一緒に剥落してしまいました。
これはこれで、自然の風化っぽいので良きですが、剥落が多すぎて、使えないかなぁという感じ。
柿渋が乾く時の縮みが激しいのと、柿渋の粘着力が強すぎるからかなと思います。
ただ、発見とし

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箔を貼った箱

箔を貼った箱

アルミ箔を貼った箱に色墨と柿渋にベンガラを混ぜた染料で色付けをしてみました。
アルミ箔そのままだと色が入りにくい(はじく)ので、ドウサ液を施してから着色しました。
ちょっとケチって、値段の安いアルミ箔を使ってしまったことを少し後悔してます。本銀箔にすればよかった。
本銀箔とアルミ箔の違いは、まず光り方。アルミ箔の方が反射が半端ない🪞
アルミ箔を貼った大きな面積の紙はアルミホイルみたい笑笑。

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最新作の柿渋染め

最新作の柿渋染め

紫墨で模様を入れた和紙にドウサ液で装飾し

柿渋に色墨を混ぜて変化をつけて上塗りしてみました。

ドウサ液の効果が案外インパクトがありいいです。

青墨も雰囲気が出ます。
柿渋の流れた跡も派手すぎず。
黒ベンガラを混ぜた柿渋を使うともっと強烈な仕上がりになります。

ちょっと茶色く変色しているところはミョウバンや重曹の効果。
このパターンは今度の個展の時に量産して、書道に使う紙にしたり、インテリア

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染め和紙備忘録

染め和紙備忘録

使用した紙石州紙
まずドウサ液で模様をつけ乾かした後柿渋染め
これは柿渋に赤ベンガラと黄色ベンガラを混ぜたものを使用。
それから色墨を乗せました。

こちらは黒ベンガラか松煙ベース。
染め方順序は一枚目と同じ。
今まで逆パターン、つまり 色墨を塗ってから柿渋染めをするという方法は何度もやってました。
違いは次の写真で

これはこれで悪くないのですが、とても渋い仕上がりになります。
明るめの綺麗な染

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最近の仕事

最近の仕事

いい感じでしょ。
染め方を工夫してます。
まず、色の墨で染めた和紙に薄いドウサ液を塗って
乾いてから柿渋に色墨を混ぜた染料で再び染めます。

最初の写真のお皿はベースにグリーンの墨
二枚目はベースに薄い赤色の墨を塗っています。

柿渋に黒弁柄を混ぜるとこんなふうに粒子の荒いベンガラの黒が
残って面白いです。

こちらには黒弁柄を入れず、色墨と柿渋だけでの仕上げ。
最後に水晶末を撒いて、独特の雰囲気

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ドウサ液の使い方♥️

ドウサ液の使い方♥️

柿渋を 和紙にそのまま染めたら とりあえず茶色になります。
いろんな色を染め重ねることにより奥行きが生まれます。
これは、石州紙にまず、青墨で色を付け
ドウサ液で模様を付け柿渋染めの染料を乗せたところ

全体に薄いドウサ液を塗っているので
染料がすぐにしみ込まずにいい感じに流れます。

今回は柿渋に黒弁柄を混ぜているので
その粒子がいい感じに残って模様を生み出しています。
そこに水晶末を振りかけた

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染め和紙実験

染め和紙実験

和紙の可能性を追求してます。
今日は柿渋を使った実験。

同じ和紙でも 下地のやり方で仕上がりが違ってきます。
今回は今までやってなかった 全体に薄いドウサ液を塗って
その上に柿渋をかけてみることにしました。

ドウサ液の効果で柿渋がしみ込まず、
染料が乾かないうちに干すと柿渋が流れて
面白い模様になりました。

生乾きの状態。
個人的にはとても好きな模様になりました。
これが奇跡の一枚にならない

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今朝の渋染め

今朝の渋染め

今朝は柿渋に黒弁柄を混ぜた染め和紙を作りました。

黒っぽい柿渋染めにするときには松煙(しょうえん)を使うこともあります。
というか 松煙のほうが一般的かな。
黒弁柄のほうが 柿渋になじみやすく使いやすいです。
あと、しっかり黒色になるのではなく 柿渋の茶色が残るところが面白いと思います。
場合場合で 使い分けます。

染める紙は 石州和紙にまず、正麩糊で模様を付けた後青墨(せいぼく)でした色を付

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糊を塗り染め和紙を作る

糊を塗り染め和紙を作る

和紙という平面に奥行きがどうにか出るように染色できないかといろいろ工夫して実験してます。
今までは 主にドウサ液を使っていましたが こんにゃく糊、正麩糊を使うとどうなるのかやってみました。

まずは 横野和紙黒弁柄 に 正麩糊をランダムに塗って乾かしてから柿渋に黒弁柄を混ぜた染液で色付けをしてみました。
むら染めになり 少し奥行き感が出たと思います。
石粉を撒いたり ミョウバンで少し変化を付けたり

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大きなタペストリーの作り方

大きなタペストリーの作り方

今日は大きなタペストリー染めるところのレポートです。

今回は備前焼のような雰囲気でということで用意した染料は柿渋。
赤いほうはベンガラを混ぜて。
黒い方は 松煙を混ぜています。

        先日つないだ紙にまず赤色のほうを塗ります

       刷毛をぐるっと回転させて円を描きます。
       これは備前焼の牡丹餅をイメージして。。。

        次に黒を入れていきます。

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柿渋の実験🧫

柿渋の実験🧫



25年くらい前に作った屏風です。
見ていただきたいのは、柿渋染めの模様。
上半分の茶色い部分が柿渋染め、下は墨染めです。
なぜこんなじわじわした模様になったのか、いくら再現しようと試みてもできませんでした。
ブクブク 泡が出て 柿渋がどんどん変化して固まってきつつあるのを急いで紙に撫で付けたのだけを覚えています。

たまたま先日見ていたテレビでお掃除の時 重曹液にクエン酸を混ぜたら泡が出るとい

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柿渋染め

柿渋染め



        今朝は柿渋染めと墨染めをしました。

       あらかじめドーサ液で模様を付けています。
       ドーサ液は塗ったあと乾くとほとんど見えません。

       まず 裏から柿渋を塗ります。
       赤い色をしているのはベンガラを混ぜているから。

       それから全体に松煙を混ぜた黒色の柿渋を。

        表に返したところ。
        ドー

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使われてこそ生きる作品

使われてこそ生きる作品



note 友達の 🌟 さんが大切にしている宝物の鉱石。
その入れ物として私の箱を選んでくださいました❤️

愛猫🐱🐈ちゃんも 気に入ってくれた様子😊
ご要望 大きさから用途 色合い 雰囲気などなど
何度もメッセージやりとりして お互い納得のいく出来栄えの箱になりました。
こうして使っていただくことで初めてボクの作るものは生きてくると 改めて思いました。

🌟さんと 楽しく話し合いする

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石州紙を染めてみた

石州紙を染めてみた

石州 石見の国 現在の島根県の紙 石州紙。
原料の石州楮(こうぞ)の繊維が長く 強靭な紙が特徴です。
入手したのは 薄口の紙と特厚ちり入り の二種類。
薄口の紙は白く 特厚ちり入りは ちょっと生成りです。

こちらは 薄口の紙を染めた様子です。
まず ドウサ液で模様を付け 色の墨で彩色し、その後柿渋に色墨を混ぜて重ね塗りしました。
もともとの紙の性質に加え ドウサ液が効いていて 柿渋がそんなに浸み

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