マガジンのカバー画像

論文抄読

11
日々の論文の記録です
運営しているクリエイター

記事一覧

【論文抄読】筋束長特異性という考え方

【論文抄読】筋束長特異性という考え方

❇︎専門家向け 約1800字あります

こんにちは!
今日は久しぶりに、論文抄読のまとめをやってみようかと思います。

本日参考にした論文はこちら↓

筋力トレーニングにおける筋束長特異性という考え方

このnoteを読んで、さらに知りたくなった方は、ぜひ原著をお読みになることをおすすめします!

それでは行ってみましょう!

「関節特異性」という考え方みなさんは「関節特異性」という言葉を聞いたこ

もっとみる
【論文抄読】在宅でのリハビリに大切な考え方(暫定版)

【論文抄読】在宅でのリハビリに大切な考え方(暫定版)

#5
《していることを、立ち止まって考えてみる》

**

*専門家向けです。 注:4600字程度あります。


1年ほど前に9年間勤務した回復期リハビリテーション病院を退職し、訪問看護ステーションへ転職しました。

訪問看護ステーションからのリハビリは一回の介入につき、40〜60分程度で、かつ介護保険点数の制限により1週間に1~2回程しか入れないことが多いです。

病院で毎日リハビリを提供して

もっとみる
【論文抄読】心不全に対するリハビリテーション

【論文抄読】心不全に対するリハビリテーション

*専門家向けです。*5650文字程度あります

こんにちは!

またまた久しぶりの更新となりましたが、本日は「心不全のリハビリテーション」について自学のために少しまとめたいと思います。
私は訪問看護ステーションの理学療法士として従事していますが、その対象者は骨折後や脳卒中の方よりも、フレイルなどの廃用性の機能低下をお持ちの方も多い印象です。

今後も高齢化が進み、潜在的に心不全を既往に持つ方も多く

もっとみる
【論文抄読】視覚と方向転換

【論文抄読】視覚と方向転換

*専門家向けです。注:2600文字程度あります

寝返るとき、方向転換をするとき。
皆さんが体を捻るとき、どこから回旋が行われているのか感じたことはありますか?

実は寝返りも方向転換も、眼球や頭部から開始されます。
今回は「視覚と歩行」と言うテーマで論文をまとめていきたいと思います。

それではいってみましょー!

視覚と運動制御僕たちは普段歩いているとき、段差を跨いだり、角を曲がったりしていま

もっとみる
【論文抄読】認知運動療法について、なにも知らない人がまとめてみた

【論文抄読】認知運動療法について、なにも知らない人がまとめてみた

*専門家向けです。注:2900文字程度あります。

こんにちは!今回は「認知運動療法」について調べたので、まとめます。

臨床を長く経験するなかで、筋肉がついても、関節の動きが良くなっても「動作」が変わらない・・徒手療法や運動療法だけではどうしても太刀打ちできない、そんな場面に遭遇します。

そんな中、僕はピラティスというエクササイズを通して「言葉」による認知変化が、運動に与える影響を体感しました

もっとみる
【論文抄読】ストレッチのエビデンスについて

【論文抄読】ストレッチのエビデンスについて

*専門家向けです。注:3800文字程度あります

久しぶりに論文抄読noteを書きます。いやね、論文は読んでたんですがね…時間がね…
つまりはサボりです。(どーん)

今回、主に参考にした論文がこちら!↓

(クリックすると論文に飛びます。*すみません、リンクが切れてたみたいです。2020年12月25日貼り替え)

これはストレッチに関する効果をレビューした論文で、2011年発行のものなので少し古

もっとみる
【機能解剖・触診】三角筋

【機能解剖・触診】三角筋

*専門家向けです。注:4800文字程度あります。

お久しぶりです。
今日は、前々からやろうと思っていた筋の機能解剖や触診についてまとめてみようかと思います。

本日のテーマは三角筋です!
それでは、いってみましょうー!

三角筋の解剖

三角筋は、肩の周りに付着する大きな筋肉です。三角筋はその起始部と作用の違いから3つの線維に分かれています。すなわち、

前部線維:鎖骨外側1/3→屈曲
中部線維

もっとみる
【論文抄読】Diane Lee,Biomechanics of the thorax – research evidence and clinical expertise,2015

【論文抄読】Diane Lee,Biomechanics of the thorax – research evidence and clinical expertise,2015

*専門家向けです。注:2500文字程度あります。

呼吸、横隔膜と続き、本日はその呼吸を取り巻く肋骨の運動学についての論文です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4534848/pdf/jmt-23-128.pdf

前回、横隔膜の論文で「横隔膜の機能を良くするためには胸郭のアライメントを治さなければならない」と述べました。
では、その胸郭

もっとみる
【論文抄読】大貫崇,呼吸機能と体幹、横隔膜の関係性について,2019

【論文抄読】大貫崇,呼吸機能と体幹、横隔膜の関係性について,2019

*専門家向けです。注:4100字程度あります。

前回、以下のような呼吸に関する記事を書きました。

今回、横隔膜の動きと呼吸トレーニングについてさらに知見を深められる総説論文があったので、こちらもまとめてみようと思います!

↑クリックすると、今回の紹介論文のページに移ります。

それではいってみましょうー!

呼吸機能不全は多次元で捉える

まず、本論文で紹介されているのは呼吸療法についての考

もっとみる
【論文抄読】宮川哲夫, 呼吸筋の運動学 ・生理学とその臨床応用,1994

【論文抄読】宮川哲夫, 呼吸筋の運動学 ・生理学とその臨床応用,1994

*専門家向けです。注:3600字程度あります。

呼吸についての論文。
1994年とけっこう古い論文で、現在と相違のある点はあるかもしれないが呼吸運動学の基礎や呼吸リハビリテーションの基礎を学ぶうえでは、とてもわかりやすかった。
自分なりに呼吸をまとめてみようと思う。

呼吸筋呼吸に関わる筋として、Campbellらは以下のように分類しています。

今の分類はもっと分かりやすいのがあるとは思うので

もっとみる
【論文抄読】沖田実,関節可動域制限の発生メカニズムとその治療戦略,2014

【論文抄読】沖田実,関節可動域制限の発生メカニズムとその治療戦略,2014

*専門家向けです。2900文字程度あります。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/41/8/41_KJ00009647371/_pdf

沖田実先生は、関節拘縮の分野では第一人者と言っていいくらいだと思う。

ある日、偶然にも沖田先生の書かれた関節可動域制限についての論文を発見。
とても面白かったので、自分なりに少しまとめてみます。

関節可動

もっとみる