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音大・音高受験の30年前と現在

僕が高校生の頃、ざっと30年前ほどですが、その頃の音楽大学は相当特殊な進路で、何というか大げさかもしれませんが「選ばれしもの」だけが入れる学校というイメージを受けていた気がします。公立高校の普通科だったからかもしれませんが。

世代だと思いますが、僕よりも年上…40代後半より上くらいの方は特に、音大に対して極端なイメージをお持ちの方が多いような気がします。例えば生まれた時から情操教育が始まってモーツアルトみたいな頭をした先生か、スネ夫のママみたいな先生に3歳からピアノとヴァイオリンの厳しいレッスンを受けて、なんかすごいお屋敷に住んでるみたいな、多分昭和マンガの影響だと思うのですが、実際にそんな感じだと思っている人(半分冗談なのかもしれませんが)いらっしゃたので記憶に残っています。

まあそれは少し大げさかもしれませんが、でも「音大出身」という響きで「まあすごい!」とリアクションされる方は僕より上の世代にとても多かったです。

僕が音大受験をした30年ほど前は、大学入試といえば2月頃にある一般入試しかなく、一発勝負でした。しかも倍率もかなり高くて、確か僕が受験した時の東京音大のトランペットは5人に1人くらいしか合格できなかったように感じます。僕はいわゆる「団塊ジュニア」なので世代人口が多く、大学入試は浪人が当たり前の時代で、予備校が儲かる時代でした。

一方で、今の音大事情はどうかと言いますと、子供の数が減ってきているために東京藝大など倍率が高い大学はごく一部で、ほとんどの場合入試に向けてしっかりした基礎的な演奏技術、伸びしろのある音楽性、楽典などの基礎さえあれば合格できます。

しかも、昔はトランペットで音大に入りたければ、いわゆる「器楽専攻」を目指すしかありませんでしたが、多様化が進み、選択肢もかなり多くなりました。大学によってはジャズやポップスの専攻もありますし、僕が講師をしている東京音大の吹奏楽アカデミー専攻のように吹奏楽を軸として、様々な音楽を学ぶ専攻もあります。

そもそも器楽専攻というのは、自分の楽器を極めたプロフェッショナルな奏者を目指すことを目的としています。個人レッスンやソロの試験、室内楽、吹奏楽、管弦楽と様々な音楽形態を学ぶわけですが、それらすべてが「自分の専門楽器」との関連性、というテーマが常に存在しています。ですから、将来はオーケストラのトランペット奏者になるとか、トランペットでコンクール入賞を目指すと言った意思を持った学生が最も多いのです。

下野竜也特任教授による合奏授業(東京音大吹奏楽アカデミー専攻)

吹奏楽アカデミー専攻も器楽専攻と同様に自分の担当楽器の実技レッスンはありますが、最も異なるのは多岐にわたる選択肢が用意されている点です。
演奏家を目指すのはもちろんですが、吹奏楽を多角的に学ぶバンドディレクション、合奏、室内楽、指揮法、作編曲、マーチング、実際の部活動の指導やレコーディング実習(ワークショップ)など大変充実したカリキュラムが用意されていて、要するに教員や指導者を目指そうとしたら、部活動の現状を理解した指揮が振れて、スコアリーディングができ、マーチングもできる人材になれる、というわけです。

このように近年、音大と言っても専攻でかなり中身が違いますので、これから音大を目指す中高生の方は、「音楽が好き!吹奏楽やトランペットが楽しいから、もっと吹くために音大行く!」ではなくて、自分が好きな音楽やトランペットを将来どのように仕事として役立てていくのかをぜひ考えていただき、その目指す方向と合致する大学や専攻を見つけてください。

とは言え、大学案内やホームページを見ていてもいまいちピンと来ないでしょうから、ぜひ進路相談にいらしてほしいです。

ツキイチレッスンで進路相談と受験対策を

現在、ツキイチレッスンという名前で、1ヶ月に複数回土日祝に対面レッスンを開催しております。ツキイチレッスンは単発参加型なので、音楽教室のように入会金を支払う必要もありません。内容も受講される方が自由に設定できるので、音大・音高受験を視野に入れている方の場合、進路相談や、受験に向けたカリキュラムを決めて一緒に目標達成できるようにレッスンを進めてまいります。

ちなみに音大・音高受験ですから、ツキイチレッスンという名前で単発参加型ではありますが、1ヶ月に複数回、コンスタントな受講が必要です。
また、実技レッスンと並行して楽典(音楽のペーパーテスト)や聴音、視唱などのソルフェージュなどのツキイチレッスン内で実施できます。

副科ピアノはレッスンできませんが、僕が信頼できるピアノの先生をご紹介することができますので、音大・音高受験を総合的にサポートできる荻原のツキイチレッスンにまずは進路相談として一度トランペットを持ってご参加ください。できれば親御様もご一緒にいらっしゃれるのがよろしいかと思います。

音大、音高受験に関してはオフィシャルサイトにより詳しく掲載しておりますので、ご参考になさってください。

ということで、様々な目的で受講できるツキイチレッスンは随時参加者を募集しております。開催日時や詳細、お申し込みはこちらをご覧ください。

お待ちしております!


荻原明(おぎわらあきら)

荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。