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キャンセル・カルチャーをめぐる政治
キャンセル・カルチャー(Cancel Culture)が、アメリカ政治で大流行である。著名人や政治家などの、文化的・政治的に「正しくない」とみなされる行為や言動を批判し、「キャンセル」してしまうというムーヴメントだが、すっかり政治問題となってしまった。
日本ではまだ、「キャンセル・カルチャー」という言葉が政治の舞台で語られることは少ないが、もしかすると今後、いわゆるネット右翼を中心に浸透するかも
トランプ・ラビリンス
「トランプは共和党のキングメーカーになるかもしれない」
最近、この種の発言を聞くことが増えた。
筆者の知人の場合、ほとんどはネガティヴだ。しかし、たまに肯定的な人もいる。トランプに党が牛耳られてしまうことを警戒している共和党支持者のは、少なくない。逆に、民主党支持者は「ざま見ろ」と言わんばかりに喜んでいたりする。
キングメーカー・トランプ?共和党のイギリス支部(※1)の人物が、BBCに「トラ
二度目もみじめな笑劇としてーートランプ弾劾の結末
「すべての偉大な世界史的な事実と世界史的人物はいわば二度現れる…(中略)…一度目は偉大な悲劇として、二度目はみじめな笑劇として。」
この有名な言葉で始まるのは、マルクスによる『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』だけれど、ドナルド・トランプに対する弾劾は、1度目も2度目も、みじめな笑劇だったような気がする。1度目は民主党にとって、2度目は共和党にとって。
幕切れは早めにトランプに対する2回目
「劇薬」トランプの代償
共和党にとってドナルド・トランプは、劇薬だったらしい。誰が対抗馬でも勝てないはずだったヒラリー・クリントンを降し、2018年中間選挙でも上院多数派を維持した。劇薬は効くときにはよく効いた。ところがその代償は、重く苦しい。
大統領を退任して3週間、一度は「トランプ追放」に傾いた党幹部も、支持者のバックラッシュに遭遇して、立場を反転。そうすると中道に近いグループが「あんな異常者に付き合ってられるか」と
「トランプ信者」の裏側
ドナルド・トランプ大統領の退任が、あと12時間ほどに迫った。
ABCやNBCといった比較的中道を行くニュース・メディアも、喜々として「あと12時間だ」とカウントダウンしている。報道は、大統領就任式に向けた警備状況や、新型コロナウイルス(特にワクチンに関するもの)が、多くを占める。おいおい、次期国務長官とかの公聴会はそっちのけでいいのかい、と若干つっこみたくなるほどだ。アメリカの主要メディアの関心は