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Twitterで行われたユーザー参加型漫画・ゲーム企画10選!

突然ですが、みなさんはSNS参加型キャンペーンをご存知でしょうか?
企業や商品のSNSアカウントをフォローして、特定のハッシュタグ付きで投稿したりすると抽選で賞品がもらえるようなキャンペーンのことです。

この形式のキャンペーンは、UGC(ユーザー生成コンテンツ)としてのユーザー投稿が拡散されることで高いPR効果を発揮するため、ここ数年で主流のSNSマーケティング手法の1つになりました。

また、その中にはユーザー投稿エピソードの漫画化キャンペーンや漫画ジェネレーター、Twitterアンケート結果で展開が変わる連載漫画、Twitter参加型の謎解きゲームなど、ユニークなユーザー参加型企画も存在します。

この記事では一風変わったTwitterのユーザー参加型漫画・ゲーム企画を紹介したいと思いますので、広報・マーケ担当者やSNSで活動するクリエイターの方は是非参考にしてもらえればと思います。

■Twitterユーザー参加型漫画キャンペーン事例

①シャープ:#わたしのホットクックストーリー

1つ目はシャープの自動調理器具「ヘルシオ ホットクック」の新型発売記念エピソード募集キャンペーンをご紹介します。

キャンペーン内容は、Twitterで「#わたしのホットクックストーリー」タグ付きでエピソードを募集し、抽選10名に新型ホットクックをプレゼント、またインフルエンサー漫画家のぴよととなつきさんがエピソードを4コマ漫画化して特設サイトに掲載するというものです。

エピソード投稿というハードルがあるにもかかわらず応募は800件以上に上り、従来の約半分のPRコストで製品サイト誘導数2桁成長を実現するなど、予想以上の反響を呼んだSNSキャンペーンですので、下記インタビュー記事も是非ご覧いただければと思います。


②旭化成ホームプロダクツ:#サランラップ漫画劇場

旭化成ホームプロダクツはリニューアルしたサランラップを若年層へPRするため、「#サランラップ漫画劇場フォロー&ツイートキャンペーン」を実施しました。

企画の目玉となったのは、漫画『ベルサイユのばら』の作者である池田理代子先生が描き下ろすオリジナル漫画への出演権で、その他にも、人気漫画家にTwitterアカウント用のアイコンイラストを書いてもらえる権利や、池田先生オリジナルデザインのQUOカード5,000円分を500名にプレゼントなど、様々な賞品が用意されています。

また、数万から20万超のTwitterフォロワーを抱える漫画家たちが、リニューアルの特長である「『サランラップ』がM字の刃になって切りやすい」をテーマにオリジナルストーリー漫画を描き、特設サイトで公開しています。
キャンペーン初日は5,000万以上のインプレッションを記録し、アカウント開設からわずか10日で約2万人のフォロワーを獲得、インプレッション数は広告で9,000万、オーガニックで3,000万の合計1億2,000万を獲得しました。

オーガニックのツイート量も多く、約9割がポジティブな内容で、ネガティブな反応はほとんど無い大成功のキャンペーンとなっております。


③キリン:あたらしく☆画たろう!!!

鬼才漫画家の漫☆画太郎先生と缶チューハイのキリン氷結が異色のコラボを実現し、「あたらしく☆画たろう!!!」キャンペーンを実施しました。

スマホから特設サイトにアクセスして自分の顔写真を投稿すると、漫☆画太郎先生の画風で似顔絵が自動生成され、新年度の宣言文と組み合わせたオリジナルイラストを作成できるという斬新な企画。イラストをTwitterアイコンに設定すると、漫☆画太郎先生直筆の似顔絵やオリジナルTシャツが当たるという豪華キャンペーンで、元AKB48の高橋みなみさんもイラストを投稿しています。

また本企画はトレンド・プロもイラストマネージャーとして参画し、D2Cが主催するコードアワード2017でグッド・イフェクティブを受賞しました。


④サントリー:北斗の宴 by The MALT‘S

サントリービールは「ザ・モルツ」の自撮りジェネレーターアプリ「北斗の宴 by The MALT’S」を開発し、生成された動画を「#サイン入りグッズ当たる」タグ付きでTwitterでシェアすると、作者の原哲夫先生サイン入りスペシャルグッズと 「ザ・モルツ」セットが当たるキャンペーンを実施しました。

アプリ「北斗の宴 by The MALT’S」では画像を選択するだけで誰でも北斗の拳のキャラクターになることができ、全5パターンのストーリーの中から好きなストーリーを選んで動画にすることができます。また作成した動画はSNSでシェアすることも可能です。

貴重なサイン入りスペシャルグッズには「北斗の宴 by The MALT’S」オリジナルポスター、コミック「北斗の拳[究極版]」、「ケン シロウペール缶」の3種類があり、ファンの皆様に「北斗の拳」の世界観と「ザ・モルツ」をもっと楽しんでいただくためのラインナップとなっております。

■キャンペーン以外のユーザー参加型漫画企画

①ユニリーバ:CLEAR【魁!!俺の塾ジェネレーター】

ユニリーバが展開するヘアケアブランド「クリア」が、累計発行部数2,700万部を誇る人気漫画「魁!!男塾」とコラボレーションし、ユーザー自身の信念を「魁!!男塾」タッチの似顔絵と共に発信できるジェネレーター「魁!!俺の塾ジェネレーター ~自分を信じて、塾を開け~」を開発しました。

このジェネレーターは原作者の宮下あきら先生がイラストを監修しており、
輪郭・髪型・目など全86個のイラストパーツを組み合わせて自分の似顔絵を生成し、大切にしていること(塾長としての教訓)を選択・自由記述すると、自身が塾長となった「俺の塾オリジナル画像」を生成できます。

生成した画像はそのままTwitterに投稿できますが、「髪」や「スカルプケア」に関するキーワードを選択しない場合は、江田島塾長風スキンヘッドの似顔絵が生成される仕掛けになっており、有名漫画家のやしろあずき先生も自分のイラストを投稿しています。


②ベネッセ:#勝ち夏4コマ

ベネッセは進研ゼミプラスのwebサイトで、進研ゼミ漫画の自作ジェネレーターを活用してオリジナル各品を制作・公開する「4コマ漫画コンテンスト」を実施しました。

進研ゼミの定番シーンを元に台詞を加えて応募するユニークなコンテストで、お題はカラー、白黒、実写の計9種類が用意されており、黄色くなっているフキダシの編集が可能なジェネレーターです。

作成した4コマをTwitterに投稿する際には、ハッシュタグ「#勝ち夏4コマ」が付くようになっており、優秀作品は進研ゼミプラスのwebサイトで順次公開。お笑い芸人のおほしんたろうさんやボカロPの164さん、「ワンパンマン」の原作者ONEさんなども4コマを投稿していました。


③アンケート機能で進むギャルゲー漫画

Twitterのアンケート機能を使って、読者に次の展開を選んでもらう漫画「アンケート機能で進むギャルゲー漫画」は斬新な手法で注目を集めました。作者はぱげらった(@pageratta)さんです。

主人公の拓巳が偶然幼なじみの詩恋に再会して始まるギャルゲー漫画で、Twitterのアンケート機能で出掛ける場所を「動物園」「遊園地」「屋内プール」から選んだり、いい雰囲気になったときに「言葉で好きと伝える」「そっと手をつなぐ」「キスをする」から選択でき、次の回はアンケートで多数派だった選択のストーリーが続いていきます。

序盤は平和な恋愛漫画なのに途中から詩恋の背後に黒いモヤが見えたり、同じ大学に通っているという彼女の言葉がウソだったという疑惑が浮かび上がり、やがて詩恋は他人に憑いた呪いの瘴気を吸収する力を持っていること、そのキャパシティーに限界が来たこと、浄化するには愛する人に殺してもらわなければならないなどの急展開を見せます。

最後のアンケートでは20万票近くの投票が集まるという大盛況で、アンケート回答した人に抽選で賞品プレゼント等の企業キャンペーンにも応用できるのではと思わせる傑作企画となっています。


④1リツイートか1いいねで1年寿命が延びる短命少女

医師から余命を宣告された少女の寿命がTwitterのいいね・リツイート数によって決まるという読者参加型漫画が話題になりました。作者は齋藤勁吾(@saitou1218)さんです。

予想を遥かに上回る反響により少女の余命は9万7867年にまで延び、4万年ほど自堕落な生活を続けた少女は暇すぎて科学者になって新人類を生み出します。さらに8万年後には自力でロケットを開発し、最後は宇宙へ飛び立つという予測不可能な幕切れとなりました。

まさかの壮大すぎる世界観に読者からは戸惑いと応援の声が殺到し、元のツイートは現時点で3万回以上リツイートされ、「いいね」も12万を超えるという大反響で、いいね&リツート数が増えればマンガの続きが読めるor賞品が豪華になる等の企業キャンペーンも面白いかもしれません。

■新しいタイプのユーザー参加型ゲーム企画

①スパイク・チュンソフト:Hidden Bats/カクレコウモリ

スパイク・チュンソフトのリアルタイム謎解きプロジェクト「Hidden Bats カクレコウモリ」は、現実のTwitterやウェブサイト上でリアルタイムに展開する失踪事件に、プレイヤーたちがコミュニケーションを通じて挑む謎解きプロジェクトです。

5月8日(日)には女子高校生の失踪者「壱来アイネ」から、5月9日(月)には男子大学生の「卒斗原ビナト」から謎解きが提示され、彼らのアカウントからプレイヤーは事件や彼ら自身の情報を得て、真相に迫っていきます。

また、失踪事件の解決を支援するという架空の団体「砂育財団」のウェブサイト上では本格的に「カクレコウモリ」がスタートする以前の記事も残っており、事件が進展するとニュースが更新されるという、現実とフィクションが融合した2.5次元のゲームコンテンツとなっています。


②電ファミニコゲーマー:ギ・クロニクル

『ギ・クロニクル』はセガのスマートフォン向けRPGシン・クロニクルの外伝コンテンツで、人狼における「投票」とアドベンチャーゲームにおける「選択肢による分岐」をTwitterのアンケート機能を使って再現し、不特定多数のプレイヤーと共に遊ぶという、大規模かつ実験的なゲームです。

物語は電ファミニコゲーマーの記事上で進行し、通常のアドベンチャーゲームや人狼とは違い不特定多数のプレイヤーが同時に投票を行うため、時には思いがけない選択肢が選ばれる可能性もありますが、そこも含めて実験的な作品となっています。

本作の企画・シナリオを手掛けるのは、人狼をモチーフとしたアドベンチャーゲーム『レイジングループ』などを手掛けたamphibian氏で、キャラクターデザイン・イラストは『ラブプラス』のキャラクターデザイナーで知られる箕星太朗氏が担当しています。また、本作をより一層楽しむために、相良茉優さん、芹澤 優さん、吉岡茉祐さんといった声優陣によるリアルタイム実況も電ファミニコゲーマーのTwitterのスペースで実施されています。

■ユーザー参加型エンタメコンテンツの可能性

いかがでしょうか。
最近はメタバースやWEB3が話題になっていますが、それとは違う形で今回紹介したような斬新なTwitter参加型企画も続々と生まれてきています。

また、これらのコンテンツはPRキャンペーンにも幅広く応用できるし、純粋なエンタメ作品としても楽しめるというメリットがあります。

効果的で拡散しやすいSNSプロモーションを検討している広報・マーケ担当者や、ユニークなユーザー参加型コンテンツに興味のあるクリエイターの方は、今回のTwitter参加型企画を参考にしてみてはいかがでしょうか。

文:中嶋駿

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