先達はあらまほしき事なり
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「先達はあらまほしき事なり」とは徒然草の一節。「仁和寺にある法師」は古典の授業で習ったので、内容も憶えている。
後からふりかえって失敗原因を指摘したり、誤りを批判するのは簡単だ。新しいサービスの立ち上げ直後に何らかの不備が見つかり「ちょっと考えればわかるだろ」と叩かれる例は少なくない。
しかし、徹底的に検討しても想定外は起こるものだ。むしろ、微に入り細を穿つほどに検討を重ねたことで、サービスが急成長し予想外が起こるほどのポテンシャルが生まれた結果ともいえる。そもそも大して思慮されてなければ、どうにもならず人知れず無に帰す。
なので、実際に物事をゼロから考えてイチにした経験がある先達は付加価値のない批判の代わりに、本質を見抜いて改善に向けた助言をしてくれる。
プロジェクト完了後のふりかえりを「ポストモーテム(post mortem)」と呼ぶ。直訳すると「検死」とは、なかなか物騒だ。しかも、死んだ(破綻した)プロジェクトではチームが即解散となり、滅多にポストモーテムされないのは皮肉だ。
ポストモーテムを原因調査と考えると犯人探しとセットになりそうだが、良かった点も含めたふりかえりをすることは改善を促進する。ちなみに「改善(Kaizen)」は英語にもなっているほど有用なものだ。
とはいえ、プロジェクトを俯瞰視点から見ると、メンバー個々人がどうだったかというより、調査・分析・判断・指示・実行を適切に行える体制・環境だったかどうかといったマネージメントの改善可能性に帰着する。
ところでカバー写真は、 日本の固有種であるヤンバルクイナ。人為的な原因により絶滅危惧種となってしまい、今は天然記念物として保護されている。こういった悪例と同じ轍を踏まずに改善していくためにも、先達はあらまほしき事なり。
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