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個人的な栞(しおり)として皆さまの作品をピン留めしております。ヒマなときに見てもらうと、ひょっとしておもしろいかも。
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2021年2月の記事一覧

大泉黒石『俺の自叙傅』

大泉黒石『俺の自叙傅』

親記事>大泉黒石『俺の自叙伝』『人間開業』の入力作業と覚え書き
底本:『俺の自叙傅』玄文社、1919年12月20日発行
入力註:
・基本方針は旧字旧仮名の原文ママ(誤字脱字も原文ママ)
・取得不能な旧字は新字や異体字で代用
・くの字点は清音濁音を問わず「\/」を入力
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俺の自叙傅 大泉黒石

幼年時代 アレキサンドル・ワホウィッチ

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そして人は詩に立ち戻る

そして人は詩に立ち戻る

 いつも、詩を書きたいと思いながら文章を連ねている。
 しかし、どういうわけか形式としての抒情「詩」は、現在の自分の表現方法としてはしっくりこない。そのかわりに、自分が書くいかなる文章にも詩的精神を宿したいという、青臭いような身構えが、自分のうちにはある。   「青臭い」というのは、そういう詩的精神の面構えの内心に、誰にでも伝わる形で素直に書けない気恥ずかしさがあるからだ。しかも、「詩を書きたい」

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小説|コーヒーが冷めるとき

小説|コーヒーが冷めるとき

 おばあさんは眠るまえにコーヒーを飲みます。「眠れなくなるからやめなさい」とおじいさんは毎日のように言いましたが、おばあさんはやめません。「うまいんだから仕方ない」

 近所の人に会ってもあいさつをしないことも、お医者さんに止められているのにお酒を呑むことも、めんどうでお風呂に入らない日があることも、おじいさんは何度も注意しましたが、おばあさんは聞きません。

 おじいさんはとつぜん亡くなりました

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【書籍レビュー】愛着障害  子供時代を引きずる人々

【書籍レビュー】愛着障害  子供時代を引きずる人々

今年は読んだ本の整理も兼ねてレビューをしていこうかなと思っています。単なるレビューというか、自分なりにどう消化したかという点でまとめていくつもりです。

早速ですが、今回は岡田尊司著「愛着障害 子供時代を引きずる人々」を取り上げたいと思います。

読もうと思ったきっかけは子供が初めて生まれるということで、Twitterのタイムラインに流れてきた発達心理学という言葉に興味を持ち始めたところ、愛着の発

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サンガを応援してくださっていた皆様へ

サンガを応援してくださっていた皆様へ

ご挨拶この文書は、株式会社サンガの元社員一同より書かせていただいています。
株式会社サンガは、2021年1月27日(水)に裁判所に破産手続開始申し立てを行いました。

皆様には多大なご心配とご迷惑をおかけしております。また、そのようななかで、たくさんの応援のお言葉をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。そこでここに、今までの経緯と現在の状況、そしてこれからのことをお知らせさせていただきます。

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