ビジネスで成功するには
<答え>成功の定義を更新する
攻撃のときは、相手にこちらの意図を悟らせない。
守備のときは、相手の狙いを見抜いて有利に防衛する。
孫子は、戦いの基本をこのように定義していました。
「敵と対峙するときは、『正』すなわち正規の作戦を採用し、敵を破る時は、『奇』すなわち奇襲作戦を採用する。これが一般的な戦いかたである」
守る時は、相手に奇襲をさせないことです。攻めるときは、常に相手への奇襲になるようにするのです。
しかし、現代のビジネスシーンで、このようなことが可能なのでしょうか。
世界最大のスーパーマーケットチェーンである米ウォルマート。1969年にサム・ウォルトンが創業した会社です。同業界では後発企業であるにもかかわらず、同社は世界1位の座を手にしました。
一歩早く規模の拡大に成功していたKマートは、2002年に破産を宣告。なぜ、このような逆転劇が可能になったのか。
最大の理由は、ウォルマートの出店形態にありました。
スーパーマーケットの出店には10万人以上の人口が必要とされていました。ところが、ウォルマートは1万人規模の都市に、小型店を出したのです。
業界の常識を完全に無視した出店でした。彼らには別の勝算があったからです。小型店をネットワーク化して、150店舗で100万人の人口をカバーする。
書籍『良い戦略・悪い戦略』(日本経済新聞出版社)では、次のように指摘しています。
「ウォルトンは常識を破ったのではなく、店舗の定義を覆したのだ」と。ウォルマートは新しい成功の定義を見つけていたのです。
彼らがなぜ成功しているか、ライバル企業は見抜けませんでした。だからこそ、出店システムの変更から10年以上優位が続いたのです。意図のわからない攻撃には、対抗することができないのです。
「こちらからは、敵の動きは手に取るようにわかるが、敵はこちらの動きを察知できない。これなら、味方の力は集中し、敵の力を分散できることができる」
ウォルマートの成功に似た動きをしている日本企業があります。コンビニ最大手のセブンイレブンです。
惣菜の製造工場を、大型のものではなく小型で分散配置しています。食品の製造を工場で集約するセントラルキッチンに代表されるように。大型工場は低コストです。
しかし、小型工場を地域分散して配置すると、配達時間が短縮できるのです。すると、他のチェーンに比較して圧倒的に鮮度が高くできるのです。セブンイレブンは、製造工場の定義を変化させています。低コストではなく、高い鮮度の実現を目標にしたのです。
こちらの意図が見抜けない企業は、マネをすることができないのです。
<孫子ならどうする>
成功の定義を更新すると、敵は意図を見抜けない
(参考文献 実践版孫子の兵法 鈴木博毅 P129抜粋)
【感想】
ようするに、イノベーションですね。
新しい価値、新しいやり方、新しい仕組みの発見。
新しいビジネスのきっかけは色々なところに転がっています。私も常に探し続けています。
この発見が出来るかどうかで人生が変わります。
売り方、商品、マーケティング全てに言えますが、今までと同じやり方だと同じ成果しか得ることが出来ません。
新しいやり方でいかにプラスにしていくか、それが前に進むためには必要なのです。
何かの本に、新しいこととは、今まであったものの組み合わせ、見方を変えることと書かれてありました。
常にアンテナを高くし、既存のものを組み合わせて、誰も考えないようなやり方を思いつく習慣をつけるようにしましょう。
それが、成功への近道です。