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事業再生

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事業再生に関する話題をまとめています。私が事業再生19年のキャリアで現場から学んだノウハウです。
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#ビジネス

事業再生はなぜ難しいのか?

事業再生はなぜ難しいのか?

事業再生の必要性は資金繰りの困難さから露見するのですが、事業再生の問題を解決する為には単に足りないお金を足せば良いという話ではありません。

事業再生の難しさはその要因が複合的であり、対処しなくてなならないテーマが複数あるためです。同時複合的に治さなくてはいけないのですが、個別の会社ごとの優先順位があり、一般論で語るのが難しいです。

どんな現場にもある問題は、
・社長のマネジメント
・現場の改善

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事業再生における金融機関と会社の相反する価値観と関係性の変化

事業再生における金融機関と会社の相反する価値観と関係性の変化

金融円滑化法(2013年3月末終了)により返済緩和(リスケジュール)が簡便な経営再建支援となり、事業再生は緊張感を失いました。現在もなお円滑化法の精神は引き継がれるとして同様の状況が続いています。これは果たして良い事なのか?と様々に議論されています。

金融円滑化法以前は『私的整理ガイドライン』に基づく、私的整理として事業再生がありました。円滑化法施行2009年12月より前の事業再生は円滑とはかけ

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M&A仲介会社と事業再生コンサルの違い

M&A仲介会社と事業再生コンサルの違い

事業再生ができる人は実はM&Aができます。むしろM&Aの専門家より幅の広いM&Aに対応できる可能性があります。

なぜかと言うと事業再生コンサルはM&Aの値決めにもつながる企業価値も清算価値も算定する仕事をしています。また、会社を単純に売買するだけで無く、事業単位で細かく会社を見ています。再生手法の1つとして、会社を1個の塊として見るだけでなく、どのような切り口で再編すれば黒字の事業を切り出せるの

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経営者の病気と事業再生

経営者の病気と事業再生

経営者の平均年齢が62.49歳になったと東京商工リサーチが昨年8月に発表致しました。経営者といえど加齢による老いには逆らえません。老境に入ると人は、死への道のりとして病気を患います。健康や体力に自信のある経営者も持病の1つや2つ抱えているものです。

あまり語られることがないテーマですが、本稿では『経営者の病気と事業再生』としてお伝えして参ります。

経営者を深く観察していると病気に気がつく経営者

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SDGs行動目標を事業再生で考える。

SDGs行動目標を事業再生で考える。

鳥倉再生事務所はハンズオン型事業再生をご提供するコンサルティング会社です。難問解決コンサルタントとして、返済や営業赤字で苦しむ経営者を支援し再生の道を作り上げる事を仕事としております。

この困難な仕事を17年にわたり続けてこられましたのは、この仕事が顧客が喜んでくださる、顧客の人生の転換点をつくることができるだけでなく、社会に価値のある仕事だとの信念からです。

今まで弊社がご提供してきた価値を

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問答法から事業再生の活路を切り拓く

問答法から事業再生の活路を切り拓く

経営者はなぜ危機を目の前にして身動きがとれないのか?経営者は優秀な方が多いです。優秀なだけで無く百戦錬磨で経験豊富です。事業再生が必要な状況になったとしても、今までのキャリアを背景にした自負心、自尊心は崩れていません。

あなたはコンサルタントかもしれませんし、従業員かもしれません、融資をしている金融機関の社員、職員かもしれません。そんなあなたが誇り高き経営者の方が事業再生フェーズにあるとき、どの

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『夜と霧』を社長の心情理解、事業再生へ活かす。

『夜と霧』を社長の心情理解、事業再生へ活かす。

年末年始はヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』と向かい合いました。ナチスドイツのユダヤ人収容所に実際に収容される経験をした精神科医ヴィクトール・E・フランクルの記録です。

極限状態にありながらいかに悲惨かを訴える恨み節ではなく、精神科医として人間生き様や、生死を分ける心のあり方に光を照らしています。

凄惨な状況描写は極力減らしてくれていますので、“アウシュビッツ”という単語に苦手意識を持ち、

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鳥倉再生事務所 年頭所感

鳥倉再生事務所 年頭所感

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は誠にお世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

【昨年の振り返り】

事業再生には出会いと別れが常にあります。5年来の大口クライアント様の事業再生が成功に終わり完結致しました。弊社にとって大きな分岐点となりましたが、顧客と共に伴走する事業再生を標榜し、事業再生の実行支援する鳥倉の実力もまた成長しております。結果として、新たなクライア

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鳥倉再生事務所 2021年仕事集 新たな方向性を求めて

鳥倉再生事務所 2021年仕事集 新たな方向性を求めて

事業再生って結局、何をしているんだろう?
そんな素朴な疑問を頂く事があります。

そのため毎年1年の仕事を振り返って、
守秘義務に配慮しながらも、
仕事の概略をお届けするようにしています。

難問解決が鳥倉の仕事です。

ビジネスにおいてご自身では解決できない問題が生じた場合は、
鳥倉へご相談下さい。

必要に応じて他の仕業と連携致しますので、
ワンストップで問題解決のご支援ができます。

法令に

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初学者が事業再生を学ぶ 必読書7選

初学者が事業再生を学ぶ 必読書7選

「会社を再建できるんですか!?カッコイイ!」とたまに言われる事があります。この一言に、救われて事業再生なんて因果な仕事を17年も続けているのかもしれません。

何も知らない人にまでスゴい!と思われるくらいには、事業再生は難しい仕事です。必要な知識も経験も多く、会社を取り巻く関係者の広範な理解と協力を取り付ける事が必須の仕事です。

その為、理論がわかっていれば会社が再建できるというものではないとい

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会社にお金がなくなったときに気をつけたい3つのこと

会社にお金がなくなったときに気をつけたい3つのこと

2021年上半期の倒産件数は過去最低水準との事で、「よそ様の会社はそんなに頑張っているのか?」と焦った社長も多いと思います。しかしながら下半期に入り、9月10月11月と月別では過去最多の倒産件数となり12月も勢いを増しています。国の様々な支援策を使い果たした社長も増えています。

「去年はコロナ融資が借りられたが、今年の伴走型支援融資は借りられない。」「1回、2回目は借りられたが、3回目は借りられ

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コロナ禍で生き残る企業経営3つのポイント

コロナ禍で生き残る企業経営3つのポイント

1.資金調達をためらわない
現預金を積み上げることが最も有効なリスクコントロールです。
会社に起こるあらゆる危機は現預金によって緩和できます。

昨年のゼロゼロ融資、今年の伴走支援型特別融資、資本性劣後ローンとあらゆる手法を検討して現金を積み上げてください。返済方法はいかようにも検討する事もできれば、相談することもできます。しかし、運転資金を割り込み、さらには現預金がゼロになり行き詰まると誰も対処

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事業再生が必要な社長の『共感マップ』

事業再生が必要な社長の『共感マップ』

共感マップを作ったことはありますか?共感マップは、ターゲットの置かれている状況や感情を理解するための分析方法です。

ここでは『事業再生が必要な社長』と対象のペルソナを設定し、ペルソナの考えていることや、ペルソナの行動が分かるよう分析します。ペルソナのことを本気で考え、理解することが大切であり、そのために欠かせないのが共感マップです。

鳥倉は事業再生を仕事として17年が経過しました。70社を超え

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事業再生の専門家への報酬 支払い方・専門家のもらい方

事業再生の専門家への報酬 支払い方・専門家のもらい方

事業再生の仕事をしていますと「お金の無い会社から報酬をもらうのは難しくありませんか?」とご質問いただきます。

クライアントである相談者の方も「お金がなく、顧問料のお支払に自信がありません」と言われることもあります。

ご心配は様々ですが、鳥倉は事業再生のプロです。私に支払う報酬に困らせるような事は致しません。簡単に申し上げると、キャッシュフローを改善させ、私への報酬の支払に困らない資金の流れを作

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