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経営者の平均年齢が62.49歳になったと東京商工リサーチが昨年8月に発表致しました。経営者といえど加齢による老いには逆らえません。老境に入ると人は、死への道のりとして病気を患います。健康や体力に自信のある経営者も持病の1つや2つ抱えているものです。

あまり語られることがないテーマですが、本稿では『経営者の病気と事業再生』としてお伝えして参ります。

経営者を深く観察していると病気に気がつく

経営者に悩みは尽きませんが、多くの経営者の方が感じてご発言になるのは「今まで通りに行かない」・「昔と同じようにいかない」とおっしゃる方が多いです。私も幾度となく、そのようなお悩みを伺い“時代の変化についていけない”・“新しい学びができない”のだと受け止めて参りました。

ただ、高齢でもアグレッシブな経営をされる経営者もいます。それを考えると、そこに厳然としてある違いは何によって生み出されているのか?ということに着目するようになりました。

それが病気の有無です。経営者をサポートする仕事を長年続けていますと、「睡眠薬」や「持病の薬」飲んでいる人が多いことに気がつきます。経営者の方を深くサポートしていきますと、そういった持病や薬の話をしてくれます。

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性格と病気の傾向

ストレスが自律神経の働きや免疫機能に影響を与え、自己修復能力を超えた変化を身体に与えて発生するのが病気と考えるとわかりやすいと思います。動的平衡を超えた、ダメージを身体に与えています。

また、経営者の性格が趣味趣向といった生活習慣となり、その性格が経営にも影響を与え、その会社での言行がその人の身体へ影響すると考える事もできるでしょう。

東洋医学ではそのような心と病について深く考察されています。
例 お医者様が言っている一例
肝臓癌   怒り過ぎ、怒りをため込む
胃癌    精神的な未消化
大腸癌   罪悪感や悲しみをため込む
肺癌    生きたくないという願望
心臓病   悦楽ばかりを求める
腎不全   小さいことに苦悩し恐怖
アレルギー 自分への罪悪感
関節炎   動きたくない
鼻炎    体裁や常識に縛られる
難聴    不安により聞きたくない

事業再生の内部要因は社長の病気に起因


業績悪化の前に経営者の健康悪化があるように感じています。事業再生では、外部要因と内部要因が議論されますが、外部要因は景気循環や円高円安、規制や法律の変化、コロナ禍といった固有の企業に根ざさないものですが、内部要因は経営者の経営方針が深く影響しています。

経営方針は社長の個性が大きく反映されます。経営者の極端な言動、意思決定を日常的にひっくり返す、他人に厳しく当たる、酒浸りになる、クラブ活動に熱心になる、家庭に帰らなくなる。資金繰りが苦しいとわかっていても、接待交際費が減らない等の形に現れます。このような経営者には事業再生が必要になりますし、持病を抱えている事が多かったです。

多くの場合は、経営者が手術や入院をすることより早く、不眠や体重の増減に現れます。「資金繰りが一番ダイエットになる」との笑い話をしてくださる経営者は多いです。多くの資金繰り問題は「既に銀行融資が打ち切られ、ニューマネーが出ない」後の話であり、当事者である経営者にも対処が難しくなっています。メシも喉を通らないのは無理もありません。

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眠れない社長、体調悪化から打ち手が極端に

睡眠は健康の基盤です。経営不安により眠れなくなった経営者の方は、どうしても健康を害します。また、睡眠不足により意思決定が曖昧になり、指示が徹底されない判断が保留される等、スピード感がなくなりライバルに差をつけられ、組織に影響が出ます。徐々に経営が悪化します。

社長も体調が思わしくなく経営悪化の中、事業に時間をさけなくなってくると最終的には全体を挽回する奇跡の一手を望むようになります。ヒットを積み重ねるという、コツコツとした努力ができず、ホームランを狙い大振りになります。場合により、自分が動けない代わりに、他人に稼いでらいたい、儲かるビジネルモデルに期待、不労所得を期待する等、儲け話に乗せられ犯罪被害者になることも多いです。

経営者とうつ病

また、経営者には「躁うつ病」の方が多いと体感しています。病院で診察されている人、そうでない人がいます。病名がつき診断されても、病院やご自身でケアできると良いのですが、ご自身で認識していない事も多いです。経営者は責任とプレッシャーが慢性化し、極度の緊張状態は休まることがなく、自律神経も悲鳴を上げています。

多くの会社では多額の金融機関からの借入に対し、経営者は個人で連帯保証契約をしています。万が一経営に失敗をするとその連帯保証契約のために、今まで人生をかけて築いた財産をすべて失う危険を背負いながら事業を営んでいます。他の依存症と違い、経営者という仕事は1年365日24時間、経営者に過酷な精神的状況を強いています。

経営者の極端な言動を見ながら、躁状態、鬱状態かを感じながら見守っていると状況がよく見えるようになります。繰り返し観察すると今日はどの日なのかわかるようになります。経営者に寄り添うために必要なアドバイスがなんなのかが見えてきます。

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経営者の病気がマネジメントを見直すきっかけになる

経営者が病気を原因に手術や入院のため、長期にマネジメントから離れると会社の意思決定にも影響が出てきます。社長がいなくても回る会社か否かが問われます。これは普段から部下を育成し、委任権限を与えて仕事をまかせていたのか否かにより成否が変わります。

経営者の病気により本業に身も入らず、集中したくてもできない気の毒な状態です。一方で部下は冷徹に経営者を見ています。自分でできる仕事を他者に任せているのか?自分でやる能力も、やる方法も、アイディアが無い状態で押し付けているのか?を見定められます。場合により、従業員の退職原因や、モチベーション低下、モラル低下につながり、経営に粘りがなくなります。

大病や死病と言われるものにかかる経営者の方もいらっしゃいます。後継者が明確にいれば何とかなりますが、事業再生の最中の社長には後継者がいないこともめずらしくありません。事ここに至ってすべてを見直す機会となります。死の前ではあらゆる前提が無意味となります。

病気が進む事により、事業再生や経営悪化という表層の問題から、人生の問題に向き合うことになります。すると、急に経営者の意思決定が加速するのを何度も目撃しました。あらゆる前提の中で、価値のあるもの、価値の無いもの、後世に伝えるもの残すものを達観されササッと仕分けされます。

その上で「鳥倉さんこの部分だけなら、どうにかなりますか?」、「入院中に方向性を出してもらえますか」と言われます。ここまで到達されると私もご支援がしやすくなります。

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事業再生は利害関係者を大きく巻き込み、その調整が必要な難しい仕事です。とはいえ、社長がすべてを諦観し、人生をかけて覚悟して臨んだ場合、利害関係者の心を打つものがあります。

金融機関も経営者が死ぬかもしれない現実に、最終的な債権をどう処理するかを現実的な目線に落とし込みます。債務者も債権者も歩み寄って、最期の方向性を出そうと協力できるのです。債権者も社長がどうしようも無い状態で急死してしまい、どうしようも無い状態でやり散らかされるより、金融機関としても応援できる形の結論を出してくれた方が助かるのです。

経営者の病気は先行の不透明感が明日を拒否しているからだと感じます。まず最初は鳥倉との打合せで不安を除きたいと思っています。経営者は、夜であっても眠ってしまっても良いかと不安が襲う生き物です。その不安のすべてを想定の範囲に変えるお手伝いをしています。現実の厳しさは何も変わらなくても、不安を取り除くことにより、安眠のお手伝いもできると思います。

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