暑さから逃げるためにエアコンをつけたのですが、気温が変わらない室内は私の時間さえも止めてしまったようです。 外に出ると、暑い、不快、冷たい、ぬるい、寒い、暑い、…
ブカブカの黒い服に身を包み、一歩離れた私の友人 私の弾む心と眠そうなおじさん 霧島が飛んだ スカートの丈に悩まなかった15歳 声に会いたいという表現の良さ 私がい…
気づいた時には、家の布団で眠っていた。帰ってきて何もできずに横になったから、布団に触れていない部分からは体温が抜け落ちてしまっている。つめたい足を抱え込んで、…
野球部の帽子、ユニフォーム、やけた肌、全てが憎悪と慈しみをもたらす テニス部のラケット、どうしてこんなにあるの 桜から始まる歌の数 電車からしかまだ桜を見ていな…
親友が結婚した。 友人に対する独占欲が小学生の時から強かった。隣にいるのは私、その子の親友と呼ばれる立ち位置がいつも欲しかった。奇数グループは大嫌いで、よく…
昨日まで白い靴だったのに革靴を履いたひと いつもより歩みが遅い学生 梅と桃、さくらはもう少し コーヒーは温かいのに、ホイップクリームが冷たくて苦手 私の知らない…
病院の待合室、次から次へと呼ばれる言葉の中に私の名前はまだない。昼下がりの明るいベージュが待合室を包み込んでいて、普段なら順番が回ってこないことに苛立ちを感じ…
かえるぴょこぴょこ春っぽいね おおいぬのふぐりの青とホトケノザのピンク 春の訪れを愛せるようになった 杉の木を憎む君と春を慈しむ君 河辺で見た鳥たち、羽ばたきが…
随分と長い時間、文字を書くことから離れていた気がする。私の中で生まれて消えていく感情や、少女の嘆きや男性の物語は誰に認知されるわけでもなく消えてしまうのかもし…
呼ばれない待合室で冷たくなった足先 病室の苦しさの中とびきり素敵な手紙を風にのせてくれた人 あの子はヒーロー お見舞いの花の黄色いこと 乾いたタオルからする家の…
誰にも見つけてもらえないのかもしれない。そんな不安を抱えながら、今日も目を瞑る。 明日がいい日にならなくてもいいから、この時間を永遠にしてください 夜の黒は白に…
甘やかされることと愛されることの隙間 太陽を明るい星と呼ぶ人 ゆうたくんともえちゃん やりがいとかくそくらえとか 最後に乗ったフェリーでしたお別れ パーティの主…
好きだった人が結婚した。SNS、最悪、なんでも、知らせるサービス。友達と呼べるかあやしいその子が投稿している動画には、純白の服に包まれた好きだった人が馬鹿みたい…
乾かせないまま滴が落ちる髪 私の黒い髪を綺麗だねと褒めてくれたひと 猫の毛みたいに優しい髪の彼女 髪と肌からだけ感じられるその人の美しさ うねる漆黒に留まった花…
コンタクトが妙にずれて今日も目が痛い。ツーウィークのコンタクトレンズは開けてまだ5日目なのに、もう使い物にならない。メガネに変えようと目を開く中指に力を入れる…
メガネが曇って恥ずかしい時 メガネが曇って救われる時 初めて職場で方言が出た日、にやりとする先輩 手が悴まない夜とフリック入力さえできない夜 ずっと停められたま…
とみ
2023年7月17日 23:06
暑さから逃げるためにエアコンをつけたのですが、気温が変わらない室内は私の時間さえも止めてしまったようです。外に出ると、暑い、不快、冷たい、ぬるい、寒い、暑い、移り行く気温とそれを携えた人がそこにいて、私だけ取り残されていた気がします。変わらないことの気持ちよさと快適さは、移り行く人の強さを見ると、弱さに変換されてしまい自己嫌悪に陥る。別の性質のものを個人の中でぐちゃりぐにゃりと拡大収縮伸ば
2023年4月20日 18:01
ブカブカの黒い服に身を包み、一歩離れた私の友人私の弾む心と眠そうなおじさん霧島が飛んだスカートの丈に悩まなかった15歳声に会いたいという表現の良さ私がいう大丈夫とあなたが言う大丈夫の重み葛根湯を飲む、全てが解決する苦味カフェインを飲む人コーヒーを飲む人床と同化した
2023年4月8日 23:16
気づいた時には、家の布団で眠っていた。帰ってきて何もできずに横になったから、布団に触れていない部分からは体温が抜け落ちてしまっている。つめたい足を抱え込んで、布団を体に巻き付け、じっとしていると少しずつ全身が温まってきた。部屋の灯りは消えたままで、カーテンを開け放した窓から外の暗闇が窺える。今は、何時だろう、時間を確かめたいけど、カバンに入れたままのスマホを取るために起き上がる元気もなく、室内が
2023年3月29日 08:09
野球部の帽子、ユニフォーム、やけた肌、全てが憎悪と慈しみをもたらすテニス部のラケット、どうしてこんなにあるの桜から始まる歌の数電車からしかまだ桜を見ていない白木蓮の散り方に自己嫌悪を重ねる椿のように死にたいとしわしわの手で私の手を握る種となって冷たい土の中に埋められそのまま芽出さずに眠りたいあの子のために綿毛となって飛んでいきたい
2023年3月19日 23:03
親友が結婚した。 友人に対する独占欲が小学生の時から強かった。隣にいるのは私、その子の親友と呼ばれる立ち位置がいつも欲しかった。奇数グループは大嫌いで、よく見る仲良し3人組って私には怖くて仕方ない。どうしても私は誰かの特別になりたくて、3人仲良しって私とあの子が親友同士で、もう1人「も」仲良しってことだと信じてて、あの子と仲良しの女の子が2人で話している日には腹の底が黒くてドロドロしたもので
2023年3月13日 18:34
昨日まで白い靴だったのに革靴を履いたひといつもより歩みが遅い学生梅と桃、さくらはもう少しコーヒーは温かいのに、ホイップクリームが冷たくて苦手私の知らない言葉を話す綺麗なひと知らない言葉だけど綺麗な声で紡ぐからきっと綺麗な言葉腰の痛み、武士のような佇まいを目指す同じカフェにいる大事な話をする男女と手を繋ぐだけの男女見つめあっている2人の長い髪の毛
2023年3月6日 18:17
病院の待合室、次から次へと呼ばれる言葉の中に私の名前はまだない。昼下がりの明るいベージュが待合室を包み込んでいて、普段なら順番が回ってこないことに苛立ちを感じるところだけれど、今日はもう予定もないし、ただただ漂うゆるやかな空気に身をまかせる。 看護師さんはよく通る高い声で知らない人の名前を呼ぶ。カワグチさん、ヒラタさん、コンドウさん。小学生の時に一回だけ同じ班になったカワグチノブオくん、小6の
2023年3月5日 21:27
かえるぴょこぴょこ春っぽいねおおいぬのふぐりの青とホトケノザのピンク春の訪れを愛せるようになった杉の木を憎む君と春を慈しむ君河辺で見た鳥たち、羽ばたきが強くなる春が寂しい季節だったのは、少し昔のこと春はたくさんお出かけしようね、初めて私から約束した
2023年3月2日 22:55
随分と長い時間、文字を書くことから離れていた気がする。私の中で生まれて消えていく感情や、少女の嘆きや男性の物語は誰に認知されるわけでもなく消えてしまうのかもしれない。きっと見たことのある姿でしょう、聞いたこのとある言葉でしょう、それでも私の中に芽生えた言葉や姿を可能な限り、文字にしたいとたまーに思う。 私はこの場所で私の中で死んでいくものたちの言葉を少しでも拾い上げて、書き記していくしかない
2023年2月18日 21:27
呼ばれない待合室で冷たくなった足先病室の苦しさの中とびきり素敵な手紙を風にのせてくれた人あの子はヒーローお見舞いの花の黄色いこと乾いたタオルからする家の匂い明日もし起きなくていいなら、今夜はパーティ唐揚げの横のレモンをかけるか、あなたはいつも聞いてくれる黒い靴と白い靴を履いた男女明日はお休みですね
2023年2月13日 01:39
誰にも見つけてもらえないのかもしれない。そんな不安を抱えながら、今日も目を瞑る。明日がいい日にならなくてもいいから、この時間を永遠にしてください夜の黒は白に近いと思うあなたに会いたいから夜がなるだけ早くおわりますように国道沿いの車の灯りが消えない窓月明かりしか見えない窓街灯しか見えない窓窓辺で寝る猫、こっちへおいでみんな何をみながら夜を過ごしていますか
2023年2月9日 21:42
甘やかされることと愛されることの隙間太陽を明るい星と呼ぶ人ゆうたくんともえちゃんやりがいとかくそくらえとか最後に乗ったフェリーでしたお別れパーティの主役が消えた夜
2023年2月7日 18:27
好きだった人が結婚した。SNS、最悪、なんでも、知らせるサービス。友達と呼べるかあやしいその子が投稿している動画には、純白の服に包まれた好きだった人が馬鹿みたいにでかいスプーンでケーキを食べさせてもらっている。「わたし、これやる人種とは一生仲良くできないな」インターネットに数多ある知らないカップルの披露宴の動画を観ながら、スコップでやるケーキ入刀やおもちゃの釣竿で新郎にケーキを食べさせる
2023年2月5日 12:00
乾かせないまま滴が落ちる髪私の黒い髪を綺麗だねと褒めてくれたひと猫の毛みたいに優しい髪の彼女髪と肌からだけ感じられるその人の美しさうねる漆黒に留まった花弁青いドレスから伸びる白い首、お花畑のようなあなたの髪世界で1番綺麗な日に理由がないと隣にいられない朝日がさした時、あなたの髪は1番美しい
2023年2月3日 21:32
コンタクトが妙にずれて今日も目が痛い。ツーウィークのコンタクトレンズは開けてまだ5日目なのに、もう使い物にならない。メガネに変えようと目を開く中指に力を入れるが、ずれる癖になかなか取れないレンズに苛立ちが募る。 顔の余白が広いことが強いコンプレックスだったあの頃、少しでも隠すために大きめのフレームのメガネを選んでからはや5年。顔の余白は白いマスクで隠されて、伸ばしっぱなしの前髪とメガネをかけ
2023年2月2日 20:05
メガネが曇って恥ずかしい時メガネが曇って救われる時初めて職場で方言が出た日、にやりとする先輩手が悴まない夜とフリック入力さえできない夜ずっと停められたままの車クリスマスリースがいつの間にかしめ縄に変わって、今はもう何もない工事の振動と歯医者さんの振動の類似性