テキサスタイプライター

ゲームやアニメの感想。マガジンを整理しました。

テキサスタイプライター

ゲームやアニメの感想。マガジンを整理しました。

マガジン

記事一覧

ブルアカ『-ive aLIVE!』感想──放課後スイーツ部の距離感

 ブルーアーカイブのイベント「-ive aLIVE!」の感想です。同イベントの他に、イベント「甘い秘密と銃撃戦」や関係人物の絆ストーリー等の内容に触れています。  ふだん…

『伝道の書に捧げる薔薇』はアリウススクワッドの元ネタなのか?

 ブルーアーカイブに登場するアリウススクワッド(およびアリウス分校)のモチーフ(元ネタ)のひとつはロジャー・ゼラズニイのSF小説「伝道の書に捧げる薔薇」なのではな…

ブルアカの元ネタの映画をひたすら観る②

 前回の記事から3ヶ月近く空いてしまったが、けっしてやる気がなくなったわけではないということは強く主張しておきたい。いろいろあって映画どころではなかったんです。…

ドルフロ『慢性虚脱』感想──創造力とは何か

 ドールズフロントラインの大型イベントシナリオ『慢性虚脱』の感想です。  ネタバレを含みます。  やたら長い回想パート、しかも記憶が改竄されているからどこまでほ…

ブルアカの元ネタの映画をひたすら観る①

 ブルーアーカイブに出てくる映画ネタの元ネタをひたすら見ていきます。ただ映画を見て感想を書くだけなので、8割くらいはブルアカとなんの関係もない話をしています。(…

ブルアカ『百花繚乱編』1章感想──物語る行為の裏と表

 ブルーアーカイブのメインストーリー百花繚乱編第1章(いつかの芽吹きを待ち侘びて)の感想です。あまり整理できていないので取り留めない感じになっています。  ネタ…

ドルフロ『縦軸歪曲』感想──名付けという”ごっこ遊び”

 ドールズフロントラインの大型イベント『縦軸歪曲』のネタバレを含む感想です。  指揮官とグリフィンはほぼ登場せず、ほとんどの登場人物が初登場という異色のイベント…

アニメ『アイドルマスターシンデレラガールズU149』感想──原作の新たな切り口

 U149のアニメはとにかく手が込んでいた。リッチな画面づくりと大量の新曲など、原作からのファンたちの期待に十分応えてくれる質量だった。12話まで駆け抜けた今は感無量…

ドルフロ『静止点』感想──いちおう一区切り?

 ドールズフロントラインの大型イベントシナリオ『静止点』の感想です。  ネタバレを含みます。  どこへともなく姿を消したパラデウスを追って、指揮官とシュタージは…

ブルアカ『カルバノグの兎』2章感想──「何でもしますから」

 ネタバレあり(エデン条約1~4・最終編・カルバノグ1~2)  RABBIT小隊が変わっちまった憧れの先輩たちに戸惑いつつも、やっぱ違うだろ!とNOを突きつける展開はシンプル…

ROAD TO THE TOP感想と2000年問題

 ウマ娘RTTT、良かったですね。1999年クラシック戦線のみに焦点を絞って全4話web配信という独自スタイルで全力を傾注してくる感じがほんとうに良かった。現実の皐月賞当日…

『グリッドマン ユニバース』感想──夢みたいなことばかり起こってしまう物語

『SSSS.GRIDMAN』と『SSSS.DYNAZENON』について語るうえで必ずといって良いほど指摘されるのは、その会話劇の自然さ、ひいては人間ドラマの秀逸さだ。特撮アニメという非常…

ブルアカ『あまねく奇跡の始発点』感想③──誰にも帰責できない奇跡の話

最終編4章(完結)までのネタバレを含みます。 ↓過去の感想  ストーリー更新があったばかりで、ちょっと興奮醒めやらぬ気持ちだが、いろいろ考えることもやめられない…

アイマスHIPHOPプレイリストを作ろう

 皆さんHIPHOPって聴きますか?  いわゆるラップのことです。  私は好きでHIPHOPを聴くのですが、嬉しいのはアニソンとかで何気なく聴いたものがめちゃめちゃHIPHOPチュ…

ブルアカ『あまねく奇跡の始発点』感想②──勇者の資格

 最終編3章までのネタバレを含みます。  ↓ 前回の感想 連合作戦  なんといってもペロロジラvsカイテンFX Mk.∞ですよ。すごすぎる……。特にロボが理屈とかなく巨…

ブルアカの「七つの古則/ジェリコの古則」について

 ブルアカ最終編3章までのネタバレを含みます。  ブルアカのストーリーの要所でこれ見よがしに語られるのが「古則」である。最終編3章までの時点では2番目と4番目しか語…

ブルアカ『-ive aLIVE!』感想──放課後スイーツ部の距離感

ブルアカ『-ive aLIVE!』感想──放課後スイーツ部の距離感

 ブルーアーカイブのイベント「-ive aLIVE!」の感想です。同イベントの他に、イベント「甘い秘密と銃撃戦」や関係人物の絆ストーリー等の内容に触れています。

 ふだんはイベントの感想を書いたりしないんだけど、今回ばかりは興奮醒めやらぬという感じで書いている。それくらい良かった。
 前回の放課後スイーツ部イベント「甘い秘密と銃撃戦」はブルアカのイベント全体のなかでもトップクラスに好きな話で、「

もっとみる
『伝道の書に捧げる薔薇』はアリウススクワッドの元ネタなのか?

『伝道の書に捧げる薔薇』はアリウススクワッドの元ネタなのか?

 ブルーアーカイブに登場するアリウススクワッド(およびアリウス分校)のモチーフ(元ネタ)のひとつはロジャー・ゼラズニイのSF小説「伝道の書に捧げる薔薇」なのではないかと思ったので、それについて説明する。
 あとそんなこととは関係なく『伝道の書に捧げる薔薇』は傑作短編集なので、これを読んだひとが少しでも興味を持ってくれたら嬉しい。

 ロジャー・ゼラズニイはアメリカのSF作家で、短編小説「伝道の書に

もっとみる
ブルアカの元ネタの映画をひたすら観る②

ブルアカの元ネタの映画をひたすら観る②

 前回の記事から3ヶ月近く空いてしまったが、けっしてやる気がなくなったわけではないということは強く主張しておきたい。いろいろあって映画どころではなかったんです。ヒナ委員長のピアノの練習を毎日やることもできない感じの状況だったので……。
 そんなことを言っているうちにブルアカも3周年のアニバを迎えたりアニメの企画が動いていたりといろいろと話題があった。便利屋のイベントもあったし。『ロシアより愛をこめ

もっとみる
ドルフロ『慢性虚脱』感想──創造力とは何か

ドルフロ『慢性虚脱』感想──創造力とは何か

 ドールズフロントラインの大型イベントシナリオ『慢性虚脱』の感想です。
 ネタバレを含みます。

 やたら長い回想パート、しかも記憶が改竄されているからどこまでほんとうなのかよくわからないという非常にトリッキーな話でいろいろ困惑させられたが、話としてはあるべきところに収まったように思う。アンジェの話というよりは、パラデウス側の内在論理が見えてきた話という印象が強い。
 また、ドルフロがずっと追求し

もっとみる
ブルアカの元ネタの映画をひたすら観る①

ブルアカの元ネタの映画をひたすら観る①

 ブルーアーカイブに出てくる映画ネタの元ネタをひたすら見ていきます。ただ映画を見て感想を書くだけなので、8割くらいはブルアカとなんの関係もない話をしています。(残り2割はほんのりとブルアカと関係があります)。
 映画とかブルアカのネタバレはありません。
 見ていく順番はノリで決めているので、2023年の話題が多いです。あと、映画によってぜんぜん感想の量が違います。筆が乗って、つい。ごめんっす!

もっとみる
ブルアカ『百花繚乱編』1章感想──物語る行為の裏と表

ブルアカ『百花繚乱編』1章感想──物語る行為の裏と表

 ブルーアーカイブのメインストーリー百花繚乱編第1章(いつかの芽吹きを待ち侘びて)の感想です。あまり整理できていないので取り留めない感じになっています。

 ネタバレを含みます。

 

 物語る行為について

 物語というのは基本的にフィクションだけど、物語るという行為は必ずしも虚構のみを対象にしていない。つまり、まったくの嘘八百を物語ることも可能だし、現実に起こった出来事を物語ることも可能だ。

もっとみる
ドルフロ『縦軸歪曲』感想──名付けという”ごっこ遊び”

ドルフロ『縦軸歪曲』感想──名付けという”ごっこ遊び”

 ドールズフロントラインの大型イベント『縦軸歪曲』のネタバレを含む感想です。

 指揮官とグリフィンはほぼ登場せず、ほとんどの登場人物が初登場という異色のイベント。マフィアの内部抗争の話とか、孤児とロボットの話とかもうなんのゲームなのかよくわからなくなってきたが、終わってみるとまあなんか良かったかなくらいのところに落ち着いた。
 汚染地域を通過する列車の中で事件が起きるというシチュエーションが良く

もっとみる
アニメ『アイドルマスターシンデレラガールズU149』感想──原作の新たな切り口

アニメ『アイドルマスターシンデレラガールズU149』感想──原作の新たな切り口

 U149のアニメはとにかく手が込んでいた。リッチな画面づくりと大量の新曲など、原作からのファンたちの期待に十分応えてくれる質量だった。12話まで駆け抜けた今は感無量で、U149という作品が永久に続いてほしいというただひたすらそういう気分になっている。
 一方で、個人的には10話くらいまで、このアニメ版をどういうスタンスで見れば良いのか掴みきれていなかった。

 周知のこととして、U149はアニメ

もっとみる
ドルフロ『静止点』感想──いちおう一区切り?

ドルフロ『静止点』感想──いちおう一区切り?

 ドールズフロントラインの大型イベントシナリオ『静止点』の感想です。
 ネタバレを含みます。

 どこへともなく姿を消したパラデウスを追って、指揮官とシュタージは謎に包まれた「死海」に戦術人形を派兵し、アンジェを救出するためのアエネアス作戦を決行する。過去に類を見ない苛烈な戦いが幕を開ける──。

 今回は戦闘シーンがほとんどなのでストーリーはあまり進まなかったが、ウィリアム周りの話が思わせぶりに

もっとみる
ブルアカ『カルバノグの兎』2章感想──「何でもしますから」

ブルアカ『カルバノグの兎』2章感想──「何でもしますから」

 ネタバレあり(エデン条約1~4・最終編・カルバノグ1~2)

 RABBIT小隊が変わっちまった憧れの先輩たちに戸惑いつつも、やっぱ違うだろ!とNOを突きつける展開はシンプルに熱い。一方のFOXもRABBITにかつての自分たちを見出して投降するというのも、ベタながら良かった。思えばこのゲームは学園RPGを謳いながら、こういう直球の先輩-後輩ものをやってこなかったから妙に新鮮だった。
 定番の共闘

もっとみる
ROAD TO THE TOP感想と2000年問題

ROAD TO THE TOP感想と2000年問題

 ウマ娘RTTT、良かったですね。1999年クラシック戦線のみに焦点を絞って全4話web配信という独自スタイルで全力を傾注してくる感じがほんとうに良かった。現実の皐月賞当日から始まって毎週日曜日更新というのも巧みだったね。

 個人的にはオペラオーのことが好きなので、終始オペラオーの器の大きさが描かれていたのが嬉しかった。どうしてもクラシックを軸に話が進むと、オペラオーはトップロードにとっての超え

もっとみる
『グリッドマン ユニバース』感想──夢みたいなことばかり起こってしまう物語

『グリッドマン ユニバース』感想──夢みたいなことばかり起こってしまう物語

『SSSS.GRIDMAN』と『SSSS.DYNAZENON』について語るうえで必ずといって良いほど指摘されるのは、その会話劇の自然さ、ひいては人間ドラマの秀逸さだ。特撮アニメという非常にオタク的な題材を扱いつつ〝萌え〟に頼らない人物造形と脚本に裏打ちされた危なげない話運びが魅力だ。
 両作の直接の続編にあたる映画『グリッドマン ユニバース』も相変わらず人間ドラマが滑らかだ。マルチバースもののお祭

もっとみる
ブルアカ『あまねく奇跡の始発点』感想③──誰にも帰責できない奇跡の話

ブルアカ『あまねく奇跡の始発点』感想③──誰にも帰責できない奇跡の話

最終編4章(完結)までのネタバレを含みます。

↓過去の感想

 ストーリー更新があったばかりで、ちょっと興奮醒めやらぬ気持ちだが、いろいろ考えることもやめられないので吐き出していこうと思う。思えば1月からほんとうに更新があるたびに感情を揺さぶられ、良い意味で翻弄され続けてきた激動の日々だった。やりきったなあ……ブルーアーカイブ。

プレナパテスについて

 途中まで単なるATMかと思ったプレナパ

もっとみる
アイマスHIPHOPプレイリストを作ろう

アイマスHIPHOPプレイリストを作ろう

 皆さんHIPHOPって聴きますか?
 いわゆるラップのことです。
 私は好きでHIPHOPを聴くのですが、嬉しいのはアニソンとかで何気なく聴いたものがめちゃめちゃHIPHOPチューンだったときですよね。思いがけず突然ビートが聴こえてきてラップが始まって、しかもそれがバチバチにかましてたりするととても嬉しい。
 アイマスの曲でもしばしばそういうことがあります。特に最近の曲は多いようです。たぶんヒプ

もっとみる
ブルアカ『あまねく奇跡の始発点』感想②──勇者の資格

ブルアカ『あまねく奇跡の始発点』感想②──勇者の資格

 最終編3章までのネタバレを含みます。

 ↓ 前回の感想

連合作戦

 なんといってもペロロジラvsカイテンFX Mk.∞ですよ。すごすぎる……。特にロボが理屈とかなく巨大化するというジェットジャガーのオマージュもあり、特撮をふだん見ない自分でも激アツになれた。なにより、ペロロジラもカイテンFXもすでにプレイヤーが「知ってるエネミー」だからこそ安心して見られる。
 しかもなにがすごいって、カイ

もっとみる
ブルアカの「七つの古則/ジェリコの古則」について

ブルアカの「七つの古則/ジェリコの古則」について

 ブルアカ最終編3章までのネタバレを含みます。

 ブルアカのストーリーの要所でこれ見よがしに語られるのが「古則」である。最終編3章までの時点では2番目と4番目しか語られていないが、今回はひとまずこれについて考えていきたい。ストーリーの考察というよりは、古則を通してブルアカのストーリーを改めて読んでいこうというくらいの気持ち。
 お遊びに近い文章なのでくれぐれも真に受けないでください。
 あと、前

もっとみる