ヘェイスブック→メタ メタって何だ? 平野啓一郎「本心」を読みながら
Facebookの名称が「メタ」に社名を変更し、仮想空間メタ・バースを構築すると発表した。
2次元世界を切り取りVRで再現することは難しくない。長期的に見れば「没入感」を体験できる空間になるでしょう。
と、メタバース開発担当者は言う。
さて、それはどんな世界なのか、どのようにその世界に入るのか。
たまたま最近読んだ平野啓一郎「本心」にそのような仮想空間で過ごす未来の人々の様子が書いてあったので、紹介したい。
まず、「本心」ではヘッドセットを着けることによって仮想空間に入ることが出来る。そして、そこでの自分の姿はアバターと呼ばれる姿になる事が出来る。
アバターは有料のものもあり、無料のものもある。
人型、猫など選ぶことが出来、人気アバター作家のデザインしたアバターは高額だ。
仮想空間、いろんな場所があるだろうがここに出てくるのは南国高級ホテルのプールサイド、人々が性的享楽に溺れる秘密のサイト、そして、宇宙の誕生から消滅までを体験できる“縁起“というサイト。アプリをインストールする事で様々な仮想空間を選ぶことが出来るようだ。
「本心」の世界は近未来。
貧富で日本は大きく分断され、人の自由死が認められ、主人公はリアルアバターとして、依頼者の代わりに様々なことをこなす便利屋をしている。
リアルアバターはヘッドセットを装着し、自分の自我をなくし依頼者の言われるままに動かなければならないという過酷な仕事だ。
(ヘッドセットを着けることで依頼者にリアルアバターが見えてる光景や聴こえる音が届く。依頼者の意向に反する言動は減点評価に繋がる)
この社会では仮想空間にて既に死んだ人を甦らせる事も出来る。生前の膨大な情報をAIに与え、まるで生きているかのようにその空間にて接することが出来る。
人々は仮想空間で普段行けないところに行き、満足、幸福、楽しさを得る。
しかし、主人公はそんな仮想空間に
現実の幸福を補ってくれるが、
却って渇望を掻き立てることもある。
僕があまり、好きになれない理由の一つだ。
との印象を持っている。
もちろん、人それぞれということになるのだろうが、スマホ依存、スマホ脳という言葉が既にある今の世界から推測すると、よりダイレクトな仮想の世界が人々に与える影響は容易に推し量る事が出来る。
良いことばかりではないのは明白だ。
宇宙体験アプリ「縁起」
「縁起は、時間のスケールが、
300億年とかなの。想像できる?
ビッグバンとかから始まって、
途中で地球が誕生して、
太陽に呑み込まれて滅んで、
そのあとも淡々と時間が続いていて、
更にまた100億年後とか。」
主人公はダイジェスト版「縁起」を試す。
(1分で1億年を体験できる)
そして、ヘッドセットを装着し、
しばらく目を閉じていたあとで、
ゆっくりと開いた。
そこは宇宙の中だった。
どこを見ても雲のない澄んだ星空のようで、
数秒後には、無重力状態のように、
上下左右の感覚に変調を来した。
星の数は、夥しかった。
僕の肉体は、仮想空間に取り込まれておらず、手を見ようとしてもお腹を覗き込んでも何も見えない。
ただ意識だけが、広大な宇宙に漂っているかのようだった。
この後、主人公は宇宙の誕生から地球の誕生、死、太陽の矮小化までを味わい現実に戻る。
意識体として、仮想空間において宇宙を味わう事が現実的存在にどのような影響を与えるだろうか。
宇宙の圧倒的広大さと圧倒的な時間、美しさ、星の誕生と死。
それらをダイレクトに味わった人々が得るものは何か・・・
🧘♂️ 🧘♂️ 🧘♂️ 🧘♂️ 🧘♂️
この仮想空間と対局する位置に瞑想がある。
自己存在をリアルにとことん見つめ、内側にある宇宙を感じ、外なる宇宙と内なる宇宙を融合させていく。
瞑想を極めたものはエネルギー体として時空を越えこの宇宙を旅していく。
死を受け入れ、死を越え、待っている死の後の世界。
Facebookが変更した「メタ」はヘブライ語では「死」を意味する言葉だそうだ。
(Yahoo!ニュースではこのメタ=死の記事は削除)
さて、一体どんな思惑があるのか。
人々を「死」に閉じ込めようとする意図があるのか。
人々の魂と意識を切り離し人間存在としての完全な死を迎えさせようとしているのか・・・
自立しない奴隷、ゾンビ。
そんな事が頭に浮かんできたところで、今回は終わりにしたいと思います。
ぼくの書いた未来の記事はこちらから。
ムーンショット計画について。
ぼくはこういう宇宙の方がいいなあ。
ポエトリーヨガ、てる・ダヤカールさんの記事より。
自己を見つめ、内なるチャクラを感じ
魂とひとつになる。
みんなでこっちに行きましょう~✨
平野啓一郎「本心」は近未来において人間のあり方を問う作品です。
興味のある方は是非ご一読を!
ご一読ありがとうございました!
ナマステ✨
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