質問029:きちんと打つことができない(副題「必ずきちんと打てる方法」)
回答
▶必ずきちんと打てる方法
ここでは、テニススクールに通ったり、常識的なテニス指導を本やユーチューブ動画などで学んだりしているにも関わらず、きちんと打てない前提で話を進めます。
そのうえで「きちんと打つ」という意味を、気持ちよくボールを捕えて、相手コートにある程度スピードの伴ったショットを、自分の狙った場所へコントロールすることだと、定義して話を進めたいと思います。
ところで「きちんと打つ」ことと、「ヒザを曲げる」や「体を横向きにする」や「打球方向にラケットを振り抜く」など、そういうフォームに関する話とは、一切の関係がありません。
きちんと打つには、「ラケット面の真ん中でボールを捕えること」と、「打球タイミングを合わせて打つこと」の、上記2点だけを満たせばいいのです(※注1)。
そうすれば、必ずきちんと打てます。
「空間認知が正しければ」という前提はありますが、必ずです。
コート上のラインやネットがどのようにレイアウトされているかの空間認知が誤ってインプットされている場合は、「ラケット面の真ん中でボールを捕えること」と「打球タイミングを合わせて打つこと」の2点が達成された場合、気持ちよく、ある程度スピードの伴ったボールは「きちんと」打てますが、コントロールについてはコースが逸れたり、コート内に収まらなかったりするズレが生じます。
▶それだけでいいならテニススクールは廃業!?
こういうと、「世の中には、テクニックに関するさまざまな解説がある!」「テイクバックの仕方」「打点の位置」「振り抜く方向や高さがボールに与える影響など、それらを学ばなければきちんと打てない!」などと、半ば怒り出す人もなかにはいます。
「それだけでいいんなら、お金を取ってあれこれ教える全国のテニススクールは廃業だ!」などとも。
そうやって怒ることが何も、悪いわけではありません。
テニスゼロのような言い分がまかり通るとそういう人たちは後述する理由などによって困るから、怒るのです。
▶フォームをきちんとしても、きちんと打てない
常識的なテニス指導では、きちんと打つために、フォームを意識するように教えます。
そのせいで多くのテニス愛好家が「きちんと打つ」というと、「ボールが飛んできたら“きちんと”横向きになる」「テイクバックを“きちんと”早く引く」「振り出すタイミングに合わせて“きちんと”足を踏み込む」「打点は体よりも“きちんと”前に取る」「左肩のところに“きちんと”フォロースルーする」などと、挙げればキリがありませんけれども(※注2)、いずれにしても「フォーム」を“きちんと”すれば、“きちんと”打てると思い込んでいます。
ところが実際には、そういったフォームを意識すると、「ラケット面の真ん中でボールを捕えること」と「打球タイミングを合わせて打つこと」の2点を正確に遂行する作業は、後述する理由によりとても難しくなってしまうのです。
▶フォームを教えるコーチに「悪気」はない
テニスコーチもそのように教える指導によって、生徒が“きちんと”打てるようになると信じ込んでいる人が少なくありません。
とはいえ悪気はないにせよ、そういうコーチ自身が試合に出場するなどして、自分がプレーする時には、そのようなフォームなど「一切意識していない」にも関わらず、です。
(本音はテニスゼロの話に合点がいくものの)立場上の事情があって、「今さら本当のことは言えない……」などと、内心では怖れているのかもしれません。
本当のこととはもちろん、「自分たちがテニスをプレーするときは、フォームなんて一切意識していない」です。
あるいはこちらで述べているとおり「社畜化」している懸念もある。
そのため、私の伝えている内容に反感を覚える向きもあるのは仕方がないところでしょう。
▶自己肯定感が高まると、コーチの指導を「スルー」できる
このあたりの認識が改まるだけでも、テニスはかなり変わります。
“きちんと”打てるようになるのです。
「コーチがフォームを教えるのには、立場上の事情があって、今は仕方がないんだ」と受け入れるのが他者肯定であり、正比例の相関である自己肯定感を高めます。
自己肯定感が高まると、ご自身にとって意にそぐわないレッスン内容だとした場合、常識的なテニス指導に従い続けなければならないと思い込む「支配」が弱まります。
いい意味で「無視」できる「スルー力」が強くなるのです。
▶「無視」できる力「スルー力」
テニスが上達するうえでは「これ」が、とてもとても大きいのです。
テニスはミスするスポーツだから、「失敗したらどう思われるだろう」などと、周囲の人目がとても気になりがちです。
「人目を気にする」=「ボールに集中できない」相関ですから、先述した「ラケット面の真ん中でボールを捕らえること」「タイミングよくボールを打つこと」の2点が難しくなる結果として、“きちんと”打てなくなるからますます「人目」が気になる悪循環なのですね。
人目が気になるから“きちんと”打てなくなるのと同様に、フォームを気にするから「ラケット面の真ん中でボールを捕らえること」「タイミングよくボールを打つこと」の2点が難しくなります。
人目を気にしつつフォームも気になる「ダブルパンチ」です。
▶「スルー」できるとテニスは変わる
繰り返しになりますけれども、このあたりの認識が改まるだけでも、テニスはかなり変わります。
“きちんと”打てるようになる可能性が、随分高まるに違いありません。
常識的なテニス指導を、罪悪感なく「スルー」できます。
するとフォームを意識せずにすみます。
そんなの無視して(スルー力)ピョンピョン跳ねながら打っていたのが、「エアK」の起源なのでしたね。
またスルー力が高まると「人目」も気にならなくなるから「ラケット面の真ん中でボールを捕えること」と、「打球タイミングを合わせて打つこと」の2点が“きちんと”達成されるという「からくり」です。
テニスが上達するうえでは「これ」が、とてもとても大きいと、先述したのは、こういう理由によります。
▶スルー(無視)できないのは自己肯定感が低いから
スルー(無視)するだなんて「相手に失礼だ」という感じ方は、自己肯定感がまだ高まっていない証拠。
相手の心の器を小さく、寛容度を低く見積もっているからです(他者否定感=自己否定感)。
また自分の都合や事情よりも、相手の言い分を優先してしまうきらいがあります。
その場合、相手に対してどこか「ビクビクした感じ方」にもなるでしょう。
▶自己肯定感由来の「スルー力」は、日々の筋トレのようなもの
とはいえ、すぐに罪悪感なくスルーできるわけではありませんよ。
自己肯定感の強化は「筋トレ」のようなもの。
日々 「他者肯定=自己肯定」を実践して高めていくようにすると、それに伴い「スルー力」も力を増してきます。
自己肯定感が低いまま「スルー力」を発揮しても、「無視してしまった。相手に嫌われたかな……」などと罪悪感を強めてしまいかねません。
順序が大事。
パスタソースをかけてから茹で始めてお湯を切り、器に盛るのは、得策ではありません。
「嫌われる勇気」のその前に、「好かれる勇気」です。
そのためのポイントは、本noteの画面上部検索窓に「テニスゼロ 自己肯定感」などと打ち込むと、情報を得られます。
▶テニスは「メンタルのスポーツ」。「高度なテクニック」など不要
このあたりの認識が改まるだけでも、テニスはかなり変わります。
すなわち気持ちよくボールを捕えて、相手コートにある程度スピードが伴ったショットを、自分の狙ったところへコントロールできるようになります。
ご所望の“きちんと”打てるようになるのです。
テクニックではないのです。
飛んで来るボールをただ広い相手コートへ打ち返すのに、何か高度なテクニックなど必要ありません。
運動神経も要らないゲームだと、こちらではお伝えしました。
気持ちや心理が影響するから、テニスはとりわけ「メンタルのスポーツ」などとも言われます。
もちろんほかのスポーツも、メンタルが関わらない競技はないけれど、その比重がテニスの場合は「テクニック(軽め):メンタル(重め)」なのです。
※注1
実際には打球タイミングが合えば、自動的にラケット面の真ん中でボールを捕らえられるので、打球タイミングが合うたったひとつの条件だけを満たせば大丈夫。
逆に言えば、世界最高峰の舞台でノバク・ジョコビッチが犯すエラーも、今日テニスを始めたばかりの初心者がミニテニスで犯すミスも、原因はまったく同じで、打球タイミングがズレた場合にのみ発生しています。
※注2
挙げればキリがない無限の課題に取り組むから、いつまで経っても上達しない矛盾に気づくことです。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero