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『愛なのに』見た直後の雑記

MOVIX三郷で城定秀夫監督・今泉力哉脚本、瀬戸康史主演の『愛なのに』を見てきました。

前半こそはややぎこちない脚本だったが、後半に思い切った展開になり、爆発的に面白くなる!

本作は城定と今泉によるコラボレーション企画「L/R15(えるあーるじゅうご)」の作品で、『愛なのに』は「L/R」のうちのLの作品と位置づけられているそうだ。

瀬戸康史が演じる主人公・多田浩司はしがない古本屋の店主で、この店主に恋心を抱く女子高生、浩司が憧れていた女性・一花、一花と婚約するが不倫している亮介、と今泉力哉お得意の輪舞曲なラブストーリー。

徐々に成瀬巳喜男監督作品『驟雨』のような様相を呈するも、

「踏み込み足りないな…」とか「ナチュラルじゃないな」と思ってたら

意外にも思い切りが良かった。『驟雨』をより日活ロマンポルノにまぶした展開で、ラストは心地良い着地点となってた。

そこには常に、世間体、不貞、罪/罪悪感が渦巻いていて、個人的にはこのドロドロさは好みである。が、どこかぎこちなく、わざとらしい脚本がハナにつき、そこに脚本の甘さが見える。

良心・良識・倫理が本能を抑え込み、ここに中盤までのストーリーの鈍さがあると見ている。

それでも後半はわりと頑張った方かな。

悪くはないけど、脚本を書いた今泉力哉の良識や倫理観がどこか見え隠れして、そこがもどかしい。終盤に見せたホテルのシーンの逆さ演出など城定秀夫の演出力で盛り返した気もする。


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