シン映画日記『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』
TOHOシネマズ西新井にてクリス・パイン主演映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』を見てきた。
もうすぐ登場から50年になるテーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の映画化作品で、2001年に公開された『ダンジョン&ドラゴン』シリーズのリブート作品にあたる。
もっとも『ダンジョン&ドラゴン』はシリーズといいながらも世界観のみの継承で、本作も同じく世界観のみ同じで内容は完全に独立している。
盗賊のエドガンは女戦士ホルガ、魔法使い見習いサイモン、詐欺師フォージーとパーティーを組み活動をするが、盗みの罪でエドガンとホルガは投獄される。数年後、二人は命からがら脱獄し、エドガンの生き別れとなった娘キーラを探す旅に出る。
ストーリーは娘キーラ探しをメインに、兜探しから領主になったフォージの元に乗り込む話などがあり、それぞれにイベント的なエピソードが展開される。
映画の世界観は5世紀〜6世紀あたりの「アーサー王伝説」の頃のヨーロッパを魔法使い・ドラゴン・モンスターが出てくるファンタジーで煮込んでいて、『ロード・オブ・ザ・リング』をライトにして「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」を混ぜて、ちょっぴり『ハリー・ポッター』や『インディー・ジョーンズ』、『メイズ・ランナー』風味も入れた感じである。
序盤のパーティーは盗賊エドガンに女戦士ホルガと魔法使いサイモン、詐欺師フォージだが、
脱獄後のパーティーはエドガンとホルガにサイモンが再合流し、これに動物に変身する能力があるドルイドのドリック、そして一部ゲスト的に生真面目な戦士ゼンクが加わる。
フォージはエドガンとホルガの投獄の間に領主、現実世界で言えば県知事や州知事みたいになり、羽振りがよく、また自分の元には悪の魔法使いソフィーナがいて、このソフィーナが本作のヴィランになる。
だいたいは
司令塔で策士のエドガンが己の目的の元で仲間を動かして、アクションアドベンチャー的に展開し、原作の「ダンジョンズ&ドラゴンズ」ファンや『ロード・オブ・ザ・リング』、『ハリー・ポッター』、『キング・アーサー』といった中世ヨーロッパベースのファンタジー映画(ハリポタは現代だが)が好きな人やドラクエやFFが好きな人ならすんなり入り込めると思われる。
各エピソードのミッションを
ホルガのパワープレイや
ドリックによる「ワンダー3」のような動物アクション解決、
それとエドガンの知恵と
未熟な魔法使いのサイモンの土壇場の勇気で切り抜けるので飽きずに見られる。
が、このサイモンの魔法や魔法アイテムが少々ご都合よろしい、というかチートなアイテムが見られ、
チートさ加減では「ドラえもん」よりもチートな感じもなくはない。
終盤、というかフォージ周りのエピソードには「水戸黄門」の悪代官的なムーブが見られるが、
これを『ハリポタ』や『ファンタビ』に出てきそうな悪の魔法使いソフィーナのイーブルファンタジーな雰囲気で世界観を保っている。
アメコミヒーローものでもない、
また『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリポタ』みたいな小説原作でもない
ゲーム原作発ではわりとしっかりとした映画なので、
キャストをもう少し豪華にし、ストーリーも『ロード・オブ・ザ・リング』や『アバター』並に何部作にも及ぶ超巨編スケールにすれば
一大シリーズが作れる可能性は秘めている。
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