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映画について

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映画のあらすじや感想、おすすめ映画などについて書いた記事をまとめています。
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#洋画

【ナイトメア・アリー】隠喩の仮説(ネタバレ有り)

【ナイトメア・アリー】隠喩の仮説(ネタバレ有り)

この記事は映画を鑑賞した方向けの考察記事となっています。
現時点で私が思った仮説3本を、備忘録も兼ねてまとめました。

仮説① モリーの服装は"経験済み"かどうかを表しているこの映画、エノクやリリスの傷(帝王切開?)などといった、たびたび胎児や出産のメタファーが出現する。
思い返せば、スタンが降霊術をやり始めてから出会った客はかつて出産に苦しめられた者、苦しめた者だったり。

映画見た直後は気づか

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性愛は残酷で生々しく美しい「アデル、ブルーは熱い色」(2013)

性愛は残酷で生々しく美しい「アデル、ブルーは熱い色」(2013)

2013年のフランス映画、『アデル、ブルーは熱い色』を見ました。

2時間59分というなかなか長い上映時間。
正直最後まで一気に見るつもりはなかったのですが、止める暇もなく見てしまいました。
主人公の女の子が何を考えているのかいまいちよく分からず、その子の心情が気になってしまって追いかけてしまった感覚が強いです。

以下、あらすじや感想についてまとめていますので、最後までお付き合いいただけたら嬉し

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スリラーだと思って見たら変化球ホラーだった『ハウス・ジャック・ビルト』の話

スリラーだと思って見たら変化球ホラーだった『ハウス・ジャック・ビルト』の話

見ました。ハウス・ジャック・ビルト。

カンヌ国際映画祭で途中退場された方が続出したという噂を聞き、上映期間中に観に行く勇気が出なかった筆者です。

先日AmazonプライムでR18+のノーカット版が配信されたことを知り、意を決して観ることにしました。
ちなみに、アメリカでは修正版のみ正式な上映が許可されています。日本は寛大だなぁ…

この映画の観賞後、本作の監督が「ダンサー・イン・ザ・ダーク」と

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《映画紹介》15分で魅せるトムヨークのドリーム・ワールド「ANIMA」(2019) ③《ネタバレ含》

《映画紹介》15分で魅せるトムヨークのドリーム・ワールド「ANIMA」(2019) ③《ネタバレ含》

前回の記事を読んで下さった方、ありがとうございます。

今回は最後のシーンである " Dawn Chorus " についてです。

① " Dawn Chorus " に含まれた2つの意味

" Dawn Chorus " は「ダウンコーラス」ではなく、「ドーンコーラス」と読みます。

「夜明けの合唱」、夜明けに鳥がさえずることを表す言葉です。

一方で、この言葉には宇宙のロマンが詰まったエピ

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《映画紹介》15分で魅せるトムヨークのドリーム・ワールド「ANIMA」(2019)②《ネタバレ含》

《映画紹介》15分で魅せるトムヨークのドリーム・ワールド「ANIMA」(2019)②《ネタバレ含》

前回の記事を読んで下さった方、ありがとうございます。

前回は、3曲構成のうち1曲についての紹介・考察でした。

今回は2曲目である " Traffic " の全容・考察を書いていきます。

trafficという言葉には「交通」「運輸」「人の往来」などの意味をもつ一方で、「不正取引」という意味もあります。

このシーンの振り付けを見ていると「人の往来」の意味も連想できますが、筆者が歌詞を考察してみ

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《映画紹介》15分で魅せるトムヨークのドリーム・ワールド「ANIMA」(2019)①《ネタバレ含》

《映画紹介》15分で魅せるトムヨークのドリーム・ワールド「ANIMA」(2019)①《ネタバレ含》

今回は、Netflixオリジナルの「ANIMA」についてです。

この作品はレディオ・ヘッドのメンバーであるトム・ヨークが手がけたPVのような15分の短編映画です。
登場人物に台詞は一切ありません。

どこか不気味なコンテンポラリーダンスの映像と、トムヨークの幻想的な歌声をのせた3曲の歌で構成されています。

(15分の作品ではありますが、翻訳を含めて最後まで書いてしまうとなかなかのボリュームにな

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「洋画・邦画・アニメ映画に登場するボブヘアのキャラクター」10選

「洋画・邦画・アニメ映画に登場するボブヘアのキャラクター」10選

筆者は16歳の頃に「アメリ」という映画に出会います。

自主的に映画を見た初めての出来事であり、映画という無限の娯楽に恋をする瞬間でした。

それから地元のレンタルDVDショップに通い、そのままアルバイトをすることに。
バイトに行っては帰りに映画を借りて見る、という映画漬けの毎日を送っていました。

そんな日々で気づいた事があります。

私は無意識に「ボブヘアのキャラクター」に惹かれている、と。

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《映画紹介》ニートの吸血鬼達が送る愉快な共同生活「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」(2014)

《映画紹介》ニートの吸血鬼達が送る愉快な共同生活「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」(2014)

皆さんはご存知だろうか。

職に就かず、ひっそりとシェアハウスを送るヴァンパイア達の存在を。

今回ご紹介するのは「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」です!

・この映画についてヴィアゴ(379歳)、ヴラド(862歳)、ディーコン(183歳)、ピーター(8000歳)はニュージーランドでシェアハウスをしている吸血鬼だ。

みな無職である。

楽器を演奏したり踊ったり、街へ繰り出したり、狼男達に喧嘩

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