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【詩】俳人へのオマージュ
たった十七文字の
無限に広がる深淵に
海女のように勇敢に
潜ってゆく人達がいる
指先を浸し 鼻先を浸し
その底知れぬ感覚とにおいに
慄く詩人を余所に
初めて触れたのは小学校での授業だった
落書きだらけの国語の教科書から
あの時確かに私にも聴こえた
「蛙飛びこむ水の音」が
聞こえのいい比喩に囚われ
使い古しの形容に縋り
言葉の雑木林で迷子になった男
いまひとり行間の樹海に分け入れば
遠く微か
たった十七文字の
無限に広がる深淵に
海女のように勇敢に
潜ってゆく人達がいる
指先を浸し 鼻先を浸し
その底知れぬ感覚とにおいに
慄く詩人を余所に
初めて触れたのは小学校での授業だった
落書きだらけの国語の教科書から
あの時確かに私にも聴こえた
「蛙飛びこむ水の音」が
聞こえのいい比喩に囚われ
使い古しの形容に縋り
言葉の雑木林で迷子になった男
いまひとり行間の樹海に分け入れば
遠く微か