送る
無宗教の身軽さに
無戒名の潔さ
無慈悲の薫りを残して
無口だった父が眠る
無量の無念が染みついた
無言の仏を囲む女たち
無花果の忘れ形見を熟れさせて
無表情に舟は漕ぎ出される
無傷の人生などあるものか
無意味に思えた家族の時間を
無理矢理にでも肯定し
無関心を装う兄と
無気力の俺
母の選んだ黒装束に包まれて
やはりあなたは侍だったのだ
無縁だった涙を最期まで拒んだ
無頼の似合う男を送る
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無宗教の身軽さに
無戒名の潔さ
無慈悲の薫りを残して
無口だった父が眠る
無量の無念が染みついた
無言の仏を囲む女たち
無花果の忘れ形見を熟れさせて
無表情に舟は漕ぎ出される
無傷の人生などあるものか
無意味に思えた家族の時間を
無理矢理にでも肯定し
無関心を装う兄と
無気力の俺
母の選んだ黒装束に包まれて
やはりあなたは侍だったのだ
無縁だった涙を最期まで拒んだ
無頼の似合う男を送る
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