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七十八年

奪うだけのヒトたち
奪い続けるだけのヒトたち
いまでも

同胞以外の命など
なんとも思わないヒトたち
なんとも思えないヒトたち
いまでも

そんなヒトたちのご機嫌とって
そんなヒトたちに魂を売って
自分の富だけを守りたいひとたち
自分の命だけを守りたいひとたち
いまだに

そんなひとたちにバッジを与えてしまった我ら
どくのぬられたハンバーガーを
ありがたがって食べながら
もやしのようなせいしんを抱えて
いまも

三百十万の犠牲を顧みず
残され支えた人たちの悲しみも忘れ
無責任に息だけしている我ら

山ほど欲して山ほど捨てて
言葉だけの「もったいない」に
美意識さえ持ってくる我ら

毎年毎年夏の中核にだけ
束の間神妙な顔つきになる
想像力の乏しい我ら

あの夏にこころの核を掴まれ
なみだをながせばながすほど
憎しみだけがまた膨らんでゆく

なみだをながせばながすほど
勝つためには手段を選ばぬヒトたちの
げひんなげひんなうすらわらい

なみだをながせばながすほど
真の平和が遠退いてゆくようで
音もなく
我らの前から
いまこの瞬間も

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