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あなたを覚えていなくとも
「宮田、転校するって!」
廊下から、大げさに息を切らした山川がそういった。
その瞬間、休み時間の弾んだ空気が響めきに飲み込まれる。
二組の宮田はサッカー部の副主将だ。彼は頭の回転がとてもよく、言葉を選ぶのがうまいから凄く顔がいいわけでもないのにモテるし、慕われてる。
マジかよ、嘘でしょ、そんな言葉が行き交う教室で、私はしらけ切っていた。
どうせ半年後の卒業式には、彼の名前が出る事はないだ
ハンドメイドイベントに参加します。
結婚を機に中断していた、アクセサリーのハンドメイドを復活させました。
作ったはいいけれど、インスタグラムに載せるくらいで、さて、どうしようかと考えあぐねていたところ、先日参加した、対面販売のZINEイベントを思い出しました。
金沢なら、ハンドメイド即売会はきっとたくさんあるはずだと検索してみたところ、何件かヒットして、まず、わたしの作品とショップ名を覚えてもらおうと、応募してみました。
そ
わたしたちを結ぶもの
ぴかぴかに磨かれたコートに座り、彼はバッシュの紐を結ぶ。いつもは適当、が口癖のくせに丁寧に。
私はこの様子を見るのが好きだ。
「毎日よく飽きないよな」
彼は少し呆れたように笑みを浮かべる。
私たちは高校三年生。彼にとって今年が最後のインターハイ出場のチャンスだ。
私は大きなバックパックを背負っている。私が履くのはスケート靴だ。
毎日、足の甲の部分から紐をぎゅ、ぎゅ、と絞めるから指の皮が