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美術を学んでいたわたしが小説を書くのが面白くなった話。

 昔から本を読むのは好きだった。
 保育所を上がり、学校に行き始めてからは国語の教科書を貰うと、一日で読破するくらいには。
 でも、それよりも絵を描くのが好きだったわたしの表現手段は絵だった。成人するまでは。

 美術系の大学に入って、上手い人がたくさんいたのは勿論だし、その人たちは早くから絵を学んでいて、どうしても埋められない時間や量の差があったし、そこに特に嫉妬はなかった。
 ただ、ものすごく苛立ってた、自分に。
 頭の中でキャラクターは自由自在に動き回っているのに、この手で描こうとすると自由にならない。一コマに何日もかかることだってあった。
 卒業と同時に絵を描かなくなった。就職先が決まって、学んだことはそこでは活かせないと分かっていたし、他にもやりたいことがあった。
 それから何年も経って、純粋に描きたいものが見つかった。米国の、とある女子フィギュアスケーターをオリンピックで見てから、この子のこのキラキラした姿を描きたいと。どう表現すれば、それが伝わるんだろう。試行錯誤。それから何年も何年も描き続けた。スケーター本人も喜んでくれて、原画を欲しいと言ってくれて、毎月、絵を米国までEMSで送った。(ボードで描いていて結構大きさがあったため)
 そのスケーターが引退してからはほぼ描かなくなった。完全燃焼しちまったぜ……。
 それからしばらくして、とある漫画にハマって絵や漫画を描こうとしたときに気づいてしまった。
 たしかにそのスケーターを自分の絵柄で描いてたし、癖もあったけど、何枚も何枚も描いてきたのは目の前にお手本(写真)があるものだ。こういう動きをさせたい、とか、そういうものを表現する力が元々弱いのに、ほぼなくなっていた。模写っていっても、フィギュアスケートの動きって非日常だから、二次創作では、まぁ活かせない。
 でも、その数年を後悔はしていない。単純に楽しかったし、スケーター本人に凄く喜んでもらえたから、わたし、絵を描いていてよかったと思えた。

 そして、ふと思い出したんですね。わたしって本を読むのが好きだったはずだし、漢字も結構覚えているほうだったし、文字の中でならキャラを自由に動かせるんじゃないかって。(本気で小説を書いているかたにしてみたら、生半可と思われても仕方ない……)

 この記事を読んだとき、その当時のわたしは8:2くらいだったな、と思った。小説を書く上での基本的なルールとか全然無視していたし、文章能力の向上とかまったく考えず、とにかくキャラにそれっぽい台詞を言わせて話を動かす、みたいな。
 やりはじめたときは萌えと勢いがあって、楽しいのは楽しかったけど、その当時はすごく他人から評価されたくて、でも当然だけどされなくて、そう言う他者に求められるような作品が作れないけど飽きられたくなくて、段々、特にしたくもない萌え語りばかりをし始めちゃって、でも周りは作品を作ってる、焦る……と言う自意識過剰な義務感に苛まれて、つまんなくなってやめた。もう心の中でだけ愛でることにした。

 時が経ち、また同じ漫画にハマったわたしは、再びキャラを動かしたくなった。
 ふと、当時書いていた自分の小説、と言うか文章を読み直した。言わんとしてることは自分の中ではだけど面白いのに、絶対この文章じゃ自分にしか伝わらないし、なんか色々はしょりすぎて恥ずかしすぎるでしょ! となった。でも消したりはしない。いつかこのころより上手くなって書き直そうと目論んでいる……。
 書き始めて気づいたけど、あのころと違うのはキャラがいる情景や仕草にも萌えがあって、それを読んでいる人が想像できるような文章力がほしい、と考えるようになった。
 これはすごく偶然なんだけれど、そのときにはわたしは所謂プロ作家さんの小説を積読していて、これ、もうさすがに読まんとあかんでしょってレベルまで来てたので、そのキャラと年齢の近い登場人物が出てくる小説を重点的に読んだ。映画も見た。そうすると、自分にはなかったけどほしかった青春のシーンとか、あー、この学生特有のこれ分かるわーってシーンがいっぱい出てきて、スポンジ脳に一気に吸収されていった。なにより、その小説たちが面白かった。こんだけ積読してたのが不思議ってくらい、一気に読めちゃった。やっぱり言葉の魔術師はすごいと思った瞬間だった。
 でも、読んだだけじゃ忘れちゃうんだよね、人って。だから読書ノートと言うものを一冊作って、そこに知らなかった単語や、好きな表現を箇条書きして書き写していく作業を今している。

 ちなみに基本中の基本の書き方は、ネットで詳しく教えてくれているブログやサイトを、私の作品の完成間近になると読み返して、そして修正する、と言う繰り返しをしている。その繰り返しをしていくと、大体修正しなくても書いてるうちにちゃんと書けるようになってたりする。
 なんか……小説書くの楽しいじゃん!! 文字は絵よりどうしても興味を持たれないって書かれてたの見たことあったけど、別にいいわ! 楽しいから!! 思い描く情景にキャラが生きてて、喋って、幸せそうならもうそれでいい! そのために上手くなるぞ! と思い、今、小説や指南書を読み、映画やドラマも見ながら勉強中です。あれ、勉強ってこんな楽しかったっけ? 今どきの学校ではしているかもしれないけれど、お話を読ませたり、感想文を書かせるだけじゃなくて、登場人物を作らせて長い短い関係なく一本のお話を作らせる、そういうのやってほしい、やってほしかった。

 一次創作の小説ネタもないわけじゃない。今三つくらい燻ってるネタがあるけど、それは多分この先、自分がどんな形の文章で書いていくか定まったら一気に書けるような気がする。そのお話を通して伝えたいことがあるから、その熱さえ冷めなければ書ける。

 そんなわたしに仲良しさんなんて出来るかどうか分からない。壁打ちですって言っちゃってるし……。(コミュニケーション能力が著しく乏しいため)
 でも、その壁打ち作品を読んでくださる読み手さんには凄く感謝している。もしかして……また読んでもらえます? よし次も書こう! と思えるから。
 そんな今の私は4:6か3:7か……いや〜〜4:6で!!(こう言うの考えるの楽しいですね。元記事のかたの思考力がすごい)
 これからも色んな言葉や表現を楽しく学んで、ちょっとした自分の進化に気づける作品を作っていきたいなぁ、と思っている今日この頃でした。

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