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英語科教育法の歩み

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かわむらが勤務校で担当する英語科教育法の取り組みについて、授業者としての振り返りや実践のログを残すことを目的として記事を書いていきます。理想的には毎回の授業について書いていきたい…
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2022年10月の記事一覧

教師教育者の意図

教師教育者の意図

英語科教育法IIの振り返り。
いつもは学生にも授業を思い出してもらって、更に思考を深めてもらえればみたいな気持ちも持ちながら書いているが、今回は完全に自分のための省察としてのみの目的で書く。
まぁ、教師の省察を実際に見せたり聞かせたりすることも教師教育者の仕事なので、そういう目的もなくはないが、それでも今回は見せすぎではないかという気がする。

英語科教育法IIは「問い」に基づいてディスカッション

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求められる学習者像が強すぎる・・・

求められる学習者像が強すぎる・・・

英語科教育法IV『外国語学習者エンゲージメント』の第2章後半「学習者の促進的マインドセット」の教師の行動の検討。

学習者の促進的マインドセットを育むための教師の行動として以下の5つが挙げられている。

コーチのように考え、行動する

学習の進歩を可視化する

信念について明示的に話し合う

選択や意見を取り入れる

学び方を考える

毎回、報告担当者を立てているが、それ以外の学生にも事前に文献を

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楽しく効果的な英文法指導とは?

楽しく効果的な英文法指導とは?

英語科教育法IIの授業記録。
今回もまた壮大な問いが設定されているが、学生にそれぞれの考えを持ち寄って交換してもらいつつ、適宜理論の補足をしていくスタイル。

今回の問いは前期にSVOとSVCの文の見分けの模擬授業から持ってきた問いだ。

当該模擬授業の検討会では生徒役が「分からん」「なんで(SVCとSVOの見分けを)やらなきゃダメなの?」と述べ、文法指導への納得感が理解の面でも、感情の面でも低い

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学習者の促進的マインドセット

学習者の促進的マインドセット

3年後期、英語科教育法IV

教科書はこちら。

この日は第2章「学習者の促進的マインドセット」の前半、「原則」を検討した。ここで取り上げられた原則は以下の5つ。

原則1 有能感を高める

原則2 成長マインドセットを育む

原則3 学習者の当事者意識と自己統制感を高める

原則4 積極性を育てる

原則5 粘り強さを育てる

学生の関心を多く集めたのは「成長マインドセット」だ。
私自身も中学3

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生徒を英語の授業に巻き込むために

生徒を英語の授業に巻き込むために

2年生後期の「英語科教育法II」は、やや抽象的・哲学的な「問い」への自分なりの答えを持ち寄って、それについて議論を広げていくスタイル。
帯活動として毎回一人の学生に中学生・高校生を対象としたコミュニケーション活動を実際にやってもらったり、3週に1回模擬授業をやったりと実技的側面も配置しながらではあるが、基本的にはディスカッションから何を考えられるかが最も大事になる授業だ。

毎回の授業の起点となる

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学習者に影響を与える授業外の諸要因

学習者に影響を与える授業外の諸要因

2022年度後期、3年生の「英語科教育法IV」は『外国語学習者エンゲージメント』(サラ・マーサー、ゾルタン・ドルニェイ著 / 鈴木章能、和田玲 著)を教科書として、基本的に2週をかけて1章分を読んでいく。(第1章のみ1週)

第1回は第1章「学習者エンゲージメントを取り巻くもの」を私が報告担当を務めて議論した。

家庭と学習者エンゲージメント今回は特に「原則3 家庭は学習者エンゲージメントの貴重な

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