#老人
「アポカリキシ・クエイク」#4
【承前】「DOSSOI!!」
谷松の猛烈なぶちかまし! 目の覚めるような一撃だった。敵は血反吐を噴いて真後ろに吹き飛び、壁に人型の穴を開けた。敷金が!
「かはァッ!」
敵は壁を突き破って、隣の部屋に。埃がもうもうと煙を上げる。人が入ってなくてよかった。
「や……やった! でも」
「ここは捨てろ。やつらに捕捉された。次々来るぞ」
「え、え」
谷松が『ドヒョウ・フィールド』を解き、もとの小柄
「アポカリキシ・クエイク」#2
【承前】その時の地震は、そう大きなものではなかった。震度4、ぐらい。けれど、ぼくが感じた心的衝撃は……。
「雷電、ですか。『雷電為右衛門』。江戸時代の、史上最強の力士……!」
アパートの一室。谷松老人の力場のためもあってか、ものが倒れたりはしなかった。ぼくには……谷松の言葉が、もはや狂人の戯言とは思えなかった。あれを見た。体験してしまった。世界のほうが狂いだした。いや、ぼくの常識が、異常な世界
「アポカリキシ・クエイク」名鑑01
☆葦の海 渡(あしのうみ・わたる)
主人公。28歳、独身。相撲取りであったが怪我で引退し、今は小さなちゃんこ屋を営む男。アパート住まい。店が休みの日の午後、谷松老人に突然訪問された。
☆谷松 昭(たにまつ・あきら)
もうひとりの主人公。70歳の独居老人。謎めいた能力と該博な知識を持ち、奇書『黙力士録』の写本を所有する。そこに記された予言により、葦の海のもとを訪れる。
◇【能力名:ドヒョウ・