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星組公演『1789』。


チケット!

本当なら今頃は〜
…と書きたいところだが、こればかりは仕方ない。

前にも少し書いたが、ゆっくり休んで万全の体制で公演を再開してほしい。

毎度のことながら、精神科医・藤野智哉先生のツイートを引用させて頂こう。

果たして演者さんはもちろん、スタッフさんや関係者の方々は、この公演中止期間中、ゆっくり休むことができていたのであろうか…

人それぞれではあると思うが、プレッシャーの方が大きかったのではないか…と、勝手に思ってしまう。

気になるネットニュースを見つけた。

劇団といえども会社。企業?組織?
…その辺りは詳しくないが、株主さんのおっしゃることも最もだとは思う。

ただ、演者さんもスタッフさんも人間だ。
簡単に代えのきくロボットなどではない。

こちらの記事で、観劇予定であった方のインタビューでは、「代役公演はできないものなのでしょうか。他の舞台は歌舞伎では(市川)猿之助さんが一家心中騒ぎを起こしても、休演は1日かそこら」とある。

歌舞伎についても分からないが、代役公演に関しては、宝塚歌劇の体制に問題があるのではないかと思う。

短い稽古期間、そしてギチギチのスケジュール。
どこで聞いたかは忘れたが、代役の稽古は一回くらいではなかっただろうか…。

それを70〜80人もの演者さんたち、たくさんのスタッフさんが大きな舞台で急に別の役割を担うことになる。

きっと、全て本役の舞台であったとしても大変なことだろう。

そして、「体調不良」に関してはコロナ禍で誰もが敏感になってしまった。
代役公演を強行したら、更に体調不良者が出てきてしまうのでは…という懸念もあるのかもしれない。

それに、タカラジェンヌさんは知っての通り皆が女性。
女性ならではの体調不良も頻繁にあるだろう。

むしろ、コロナ禍以前には、ほとんど休演なく公演が行われていたことが不思議なくらいだ。

今まで当たり前のように楽しく観劇させて頂いていたけれども、演者さんやスタッフさんの本音は分からない。

よくよく考えてみると、あまりに無謀すぎるスケジュールではなかったのではないかと思う。

もちろん、トップスターさんや上級生に限ったことではない。

下級生には、本役以外にも新人公演(入団7年目の生徒のみの公演)の役もあり、もちろん稽古もある。
そして、忙しい上級生の手伝いもあるらしい。

きっと、スターさんの早着替えの手伝いなど、下級生であってもすぐに代わりができる人などなかなか居ないのではないだろうか。


CEOさんの株主さんに対する説明はこちらだ。

「たとえ主役級の生徒が罹患しても、2、3人で収まるようなら、せっかく取ったチケットが無駄になって観られないよりは、代役でご覧いただいた方がいいに決まってる。今後は代役公演を積極的にしたい

「代役でご覧になった方がいいに決まっている。」

…とあるが、こちらはお客さんそれぞれ思いは違うだろう。
自分は、演者さんやスタッフさんが無理なく安心して公演できる環境であれば観たいと思う。

ただ、せっかく大きな難関を突破して入団された生徒さんたちをもっと大切にしてほしいと思う。


どの会社や組織にも言えることかもしれないが、お客さんのことばかりを考えて、組織に所属する人間をないがしろにしては元も子もない。

どの生徒さんたちもそれぞれ素晴らしい才能を磨き上げてこられた上で、たくさんの選択肢の中から宝塚への入団を希望された方が多いはず。
劇団、音楽学校などの組織が「選んであげた」ような意識では納得いかない。


「今後は代役公演を積極的にしたい」

…と、ある。
そのためには今の体制では無謀すぎるのではないだろうか。

何が一番良いかは分からないが、どんなに「好き」を仕事にしている人でも身体は消耗していく。

こちらは精神科医・樺沢紫苑先生のツイートだ。

本当はその実例を書かれたツイートか動画があったはずなのだが見付からなかった。
実際に、樺沢先生の同僚のお医者さんでそのような方がいらしたらしいのだ。

なぜこちらのツイートを引用させて頂いたかというと、「好きなこと」を仕事にできたら、必ずしも「幸せ」とは限らないことを伝えたかったからだ。

もちろん夢見ていた舞台に立てることは、この上なく嬉しいことでもあるだろう。
ただ、ツイートにある通り、朝から晩まで働き続けていたら、心は満たされていたとしても身体は悲鳴をあげているかもしれない。

それでも自分ではなかなか気付けない。
それに、「皆が頑張っているから負けていられない」などという気持ちもあるだろう。

「好き」だからこそ、その気持ちは大きく、緩急をつけることも難しいのかもしれない。

こちらは、タカラジェンヌさんたちに限らず、誰もが一度は憧れるであろう華やかな芸能界や、好きで始めた仕事なら何にでも当てはまることだと思う。

「こんなはずではなかった…」と思いながらも、続けざるを得なくなってしまっている人はどれだけ居るだろうか…
辞めたくてもその勇気がない人も居るかもしれない。


自分は、1789の公演がまだ初日を迎える前、公演後、トップスターさんが休まれるというニュースに違和感を持った。

あくまで勝手な推測だが、劇団側に引き止められているのではないかと…。

トップスターに就任したら、大抵の方が、2〜3年で卒業される。
もちろん「好きで」長く続けられる方もいるだろう。

ただ、以前も書いた通り、毎年40人ほどの初舞台生が入団し、同じくらい卒業されていく方もいらっしゃる。

それだけ世代交代が早ければ、次期トップスター候補はたくさん居る。
中にはそういうプレッシャーなどもあってか、早めに卒業を決める人も居るだろう。

しかし、稀に引き止められることもあるようだ。

元雪組のトップスター轟悠さんは、その座を退かれてから、専科(どの組の公演にも出演できる一部の人たち)に移られた。
何かの記事で読んだが、その時は半年ほども悩まれたそうだ。

星組トップスターの礼真琴さんは、自分が宝塚にハマり始めた頃の初舞台生。

下級生時代から大きな役に何度も抜擢されていた。
それでも、下級生がすること(新人公演や上級生の手伝いなど)が免除されることはない。

そしてトップスターになられてからもう3年半。
ご本人が思われていることはもちろん分からないが、初舞台から13年以上。

ファンとしては、まだまだタカラジェンヌさんであってほしい気持ちもあるが、もう十分ではないだろうか。

もしも卒業後、芸能活動を続けられるのであれば、すぐに大きな役に抜擢されることもあるだろう。
ご本人が望めば、きっとこれからも役者として、大きな舞台に立ち続けることができるであろう才能あふれる方だ。


全て自分の憶測でしかないが、ただ、卒業や退団に関しては、本人の意志を尊重して頂きたい。

宝塚歌劇はあまりに昔ながらの制約が多い。
それが「良さ」にも繋がっているとは思うが、あくまでお客さん目線だ。

今までにも、その制約のために退団せざるを得なかった人たちも居るかもしれない。
そちらに関してはまた別の問題だが、あまりに利益重視になってはいないだろうか…


話は少し変わるが、現在5組中、3組のトップスターが95期生だ。

自分も数年前までは期待してしまっていたが、初の「同時期に全5組、同期がトップスター」も夢ではない。

ただ、それではご本人たちにも、他の期のスターさんや、応援している方々に失礼だと思って期待するのはやめた。

あまりにキレイに振り分けられた組替え…
自分も以前期待してしまったこともあってか、劇団はそれを狙っているのではないか…と、どうしても疑ってしまう。

もちろん話題作りには最適だろう。
ただ、他の組の他の期のトップスターさんは…?


前々から思ってはいたが、トップスターになられた人のプレッシャーは大変なものだと思う。

もちろん、トップと言えども、他の人よりも全てが優れているわけではない。
自分よりも下級生と比べられることもあるだろう。

どんな仕事でもそうかもしれないが、下(部下など)からのプレッシャーは本当に大きいと思う。

そして、それぞれのトップ候補のスターさんにはファンが大勢いる。

なんて凄くて恐ろしい世界だろうか…
自分だからそう思うのかもしれないが。
(むしろ縁はない。)


劇団側や演者さん、スタッフさん方がどのように考えられているかは自分には分からない。

それでも、無理して話題作りをしようとしているならやめてほしい。
普通の会社などと同じように、「辞めたい」もしくは「続けたい」など、本人の意志を第一に考えてほしいと思う。

しかし、全て深く考えすぎてしまうが故の自分の勘違いである可能性も高いので、もし読んで下さっている方がいらしたら、軽く読み流して頂きたい。


最後に、公演中止問題などについての自分の意見をまとめておこう。

・代役公演を推し進める前に、公演スケジュールを緩くして、演者さんたちの負担を減らしてほしい。
(例 : 大劇場公演は各組一年に一回ずつ、期間は2ヶ月くらいに延ばす/2回公演の日を減らす)

・チケットのとりにくい小劇場公演の期間を延ばしてほしい。

・歌や踊りなど、一つのことに秀でた人に特化したコンサートやショーなどの舞台も増やしてほしい。

・トップスターの就任期間の上限を決めてはどうだろうか…(変なプレッシャーなどを軽減するために)

…一応書いてはみたが、「意見」だろうか?
自分の勝手な願いのような気もするが、要は、演者さんが一回一回の舞台に集中できるような環境を整えてほしい。

せっかく観劇するなら、一回一回必死にこなされる舞台よりも、演者さんが魂を込められるような最高の舞台を観たいと思う。


ところで、直近で大劇場まで行けたのはいつの日のことだっただろうか…
調べてみた。

105周年!

どうやら約3年半前、宙組公演を観に行っていたようだ。

そして、映画館のライブビューイングでは、礼さんのトップお披露目公演も観ていた。

ライブビューイングのポスター!

本当にあっという間だ。
次に観劇できるのはいつになるだろうか。

昨年はチケットはとれたものの、精神不安定のため観に行けなかった舞台があった。
本当にもったいないことをしたと思うが仕方ない。


今頃、演者さんもスタッフさんも明日の公演再開に向けて尽力なさっていることだろう。

どうか、無理なく皆が無事で幕が上がってほしいと思う。

組織のお偉いさん方も、きっと沢山の意見や圧力などに翻弄されて頭を抱えていらっしゃるかもしれない。

どうか本当に大切なものは何か、まず一番に考えて頂きたいと思う。


精神科医・藤野智哉先生のツイッター。↓


精神科医・樺沢紫苑先生のツイッター。↓


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