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パリ日記

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パリに行く夢が現実になったその日からのこと 今はただひたすらに パリに逢いたい
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2023年10月の記事一覧

新しい夢のはじまり

新しい夢のはじまり

ことばが頭の中に溢れてゆく。

掬い上げようとして画面に向かうと、さっきまで頭のなかでぐるぐるしていたはずなのに、パンッと弾けて消えてしまう。そんなとき少し、眉が下がる。

パリにいる間、ことばが追いつかなくて夢中でシャッターを切った。そのときの感情が記憶からこぼれ落ちてゆかぬよう、頭の中でことばにした。ことばを文字にしたくてもその時間がないことが、ひどくもどかしかった。

写真をもっと上手に撮れ

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モンマルトルに恋して

モンマルトルに恋して

本格的にパリに興味を持ちはじめた小学生の頃、買ってもらった パリ のガイドブックを2冊 と フランス のガイドブックを1冊 を毎日のように眺めた。

モンマルトル サクレ・クール寺院

どのガイドブックにも必ず載っていて、サクレ・クール寺院は「五大ランドマーク」として紹介されているのに、片面1ページで紹介が終わってしまうことがほとんどで、「モンマルトルはサクレ・クール寺院があるところなんだ」と思っ

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あこがれが思い出に変わっても

あこがれが思い出に変わっても

日本に帰ってきて、朝ごはんが クロワッサン から 食パン に変わった。食パンは焼いて、お土産に買ってきたエシレバターとヌテラ(ヘーゼルナッツとチョコのスプレッド)を塗って食べている。

パリが私に与えた食いしんぼう魂は帰国後も消えてくれなくて、毎晩ひとりでバリバリ食べていた『LU』というメーカーの板チョコが載ったクッキーを、日本でもおやつによく食べている。帰ってきてから2週間で、もうなくなりかけ。

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ガラスの靴は履いたままで

ガラスの靴は履いたままで

大学生のうちにパリに行くのが夢だった。

夢が叶い、その日々が過ぎ去ってしまってからの1週間、私は夢の国を抜け出せずにいた。

9月24日(日)

列車の到着と同時にホームにたどり着いてなんとか乗り込んだ成田エクスプレスで、スーツケースを特大荷物置場に置いて、席を探した。

予約者とブッキングして二度ほど席を移動したけれど、切符の確認にまわってきた車掌さんに事情を説明して席を押さえてもらって、窓際

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