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空太と怜子のランダムトーク【どこが面白い?その映画①】 「VIDEOPHOBIA」
映画について男性と女性に語ってもらうことにします。セレクトは気分任せ。話題の映画だったり、配信で見た昔の映画だったり。登場するのは以下二人。
♂ 空太: 30歳になったばかり。自称シネフィルだが・・・? 話が長い。テニスもするらしい。
♀ 怜子:
DAU.ナターシャ / 「おぞましさ」「リアル」「狂気」そして「共犯」
誰もがただならぬ「おぞましさ」に目を見張るであろう。この重々しい暗青色の空間の底に漲る緊張感は何なのか。延々と繰り広げられる酒宴。人目憚らぬ性交。手慣れた残酷な拷問。普通の「演技」なら、何かしら観客の共感を得ようとするはずだが、そこにあるのは、観客を意識していない「行為そのもの」だ。凄まじい暴力とエロスに圧倒された後、冒頭の伏線を拾って話は終わる。そこで観客は思い出す。これは映画なのだ、と。しか
もっとみる復元された記憶 セルゲイ・ロズニツァ「国葬」
顔の映画だ。スターリンの国葬に集まってくる国民の顔、顔、顔。しかしよく見ると、恐るべきことにどれも一様に「抑圧された無表情」なのだ。弔意はむろん無く、悲しみはあるべくもない。「実物を見る興奮」すら見て取れず、あるとすれば微かな畏怖だけだ。
そもそも、彼らは何故集まってきたのか。強制によるのか無意識の反応なのか。顔には何の意思も感じられない。「赤の広場」に集められた数百万の人々は、ポスターをみ
「ROMA」について、後輩二人へ答える!
【YNへ】
昨日はありがとう!
ちょっと気になったのは「ROMAの良さがわからなかった」というYN君の発言でした。「ROMA」のような、淡々と長回しの映画はあまり好かれない傾向にあります。そういう映画を「良い」と言わないと「通」と思われない、という感じもありますので、モゴモゴと「悪くなかったよ。」と言って誤魔化してしまうこともありますよが、わからなかったら、「どこがいいのかわからなかった。」
ジョルジュ・フランジュ「顔のない眼」は、比類なき怪奇メルヘンだ。
この映画はいわゆる「ホラー映画」ではない。むしろ「怪奇映画」と呼びたい。その全編を支配する気味の悪さは、眼の穴だけの無表情なお面のインパクトによる。顔は物理的に人間のコミュニケーションの核であり、それが機能していないことがこれほどの不気味さを生むのだ。「能面のよう」であるが、能面ほども表情がない。
物語は皮膚移植の権威ジェネシュ博士を襲った突然の災厄に始まる。娘が交通事故により、顔に大
映画の極北、または壮大な虚しさ
「レベナント / 蘇りし者」 映画の極北、または壮大な虚しさ。
エマニュアル・ルベツキ。初めて出会ったのは「ゼロ・グラビティ」であった。どこまでも透徹した宇宙空間は、デジタル時代とは言え誰もが成し得るものではなく、その名を脳裏に刻み込むこととなった。
そして、本作。室内でできる撮影の極北を「厚田雄春 / 小津安二郎」が目指したとすれば、室外(自然)でできる撮影の極北を「ルベツキ / イニャ
黒沢清「岸辺の旅」はホラー映画である。
ホラー映画とは、そもそも生者と死者が交わる映画のことではなかったか。死者が生者の世界に現れ、思いを果たそうとする映画ではなかったか。その方法において生者が竦むような強引さがあるか、または生者の悔恨に寄り添い、応えようとするのかの違いはある。後者であるこの映画は、その意味では広義のホラー映画なのである。黒沢清は、一貫して生者が死や死者と向き合うホラー映画を作り続けてきた。死者が生者に訴えかける思念
もっとみる「人生スイッチ」が面白くない人間はいないはず!
「人生スイッチ」(ダミアン・ジフロン監督)
「太鼓判」です!「抱腹絶倒」間違いなしなんですよ、これが。面白くなかった人は、あなたの街まで、レンタル代返しに伺います! パッケージデザインが最低で、ちょっと不安になるけど、大丈夫ですよ!プロデューサーの「ペドロ・アルモドバル」は、私が愛し、尊敬し、拝んで止まないスペインの監督です。もしプロデューサーが「リュック・ベッソン」なら、「エクサイティング・ノ
ある週末、彼もしくは家族が出かけて一人の夜に、「映画でも見よう」と思い立ったら・・・。
ある冬の土曜日の夜、あなたは特に予定もなく一人なので映画のDVDでも見ようと思う。でもスターウォーズ過去作はすべて出払って、ミッションインポッシブル2もブルーレイしかない。テッド2は来週リリース。昔の名画とかを見るほど元気もない。何か、肩肘のはらず、かと言ってストーリーはしっかり練られてて、主人公に共感できて、意外性もあって、自分の部屋でグリーンラベルを飲み、ドリトスナチョチーズ味をボリボリ食
もっとみるピース又吉「火花」・・・「芸」を巡る思弁小説かつビルドゥングスロマン
皆様、今年読んだ本のベスト3はなんですか? 「火花」は読みましたか? 「芸人が書いた本」として興味本位で読み始めると、意外と難しいことにびっくりされるはず。芸事の世界は小説にするのが難しく、なかなかこういう本はありません。私は「文学界」の増刷で読んで面白かったのでFBに載せました。過去のFBの投稿ですが、読んでくだされば幸いです。
■ピース又吉「火花」・・・「芸」を巡る思弁小説かつビルドゥングス
ダイエットその後の報告
10月の末に「ダイエットを始めてます!」と報告しましたが、その後です。
続けてます。問題なく続いています。先回から今日までの結果としては、
①体重が67.5kg~68.5kgまでの間となりました。それまで72kg近辺だったので、-4kgくらいですか・・・。これ以上は、夕飯や飲み会を根本的に見直すしかないようですが、それはさすがにキツい・・・。
②お腹は、かなり脂がしぼんできました。元のように
4時間の大作映画「ニンフォマニアック(色情狂)」が絶対面白い理由!
人は、他人の性行為を見て性的な興奮を憶える動物です。初めから「窃視(覗き見)」という性癖がある、ということ。性行為そのものは、単調な動作にすぎないのに、それを見て興奮するのは人間がそれぞれどこかに自分が興奮するツボや性向をもっているからです。ある男性は女性の胸であり、ある女性は男性から少々乱暴にされるのが好きであったり。性行為の真ん中に性はなく、「性癖」という形で、人間の個々に性があるのです。主
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