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演技・演出方法

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#映画感想

『偶然と想像』の「偶然」が俳優の芝居に火を点ける。

『偶然と想像』の「偶然」が俳優の芝居に火を点ける。

ベルリン映画祭銀熊賞『偶然と想像』年末に観にいってきました!
満員の客席は年齢層高め、上品な老夫婦カップルも多かったんですが、始終笑い声が上がっていていい雰囲気でした。

『偶然と想像』は『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介脚本監督による「偶然」をテーマにした3本の短編オムニバスです。121分間ただただ「刻一刻と変化する人間関係」が描かれている会話劇なんですが、これが意外にも超エキサイティングだった

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ゾンビの正しい演じ方☆

ゾンビの正しい演じ方☆

さて今回のテーマは「ゾンビの演じ方」です。

俳優たるもの、まったく共感できない/気持ちを想像できない人物を演じなければならない時があります。しかし「もし自分がこの人物だったら…」のアプローチでは感情が想像できない役はえてして紋切り型演技になるものです。例えば「連続殺人鬼」とか「天才棋士」とか「皇族の人」とか・・・そして「ゾンビ」とか。

唐突ですよね(笑)。わかってます。

あの、じつはボク今ゾ

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ホアキンのジョーカー、ヒースのジョーカー、ニコルソンのジョーカーの演技。

ホアキンのジョーカー、ヒースのジョーカー、ニコルソンのジョーカーの演技。

ヒース・レジャーのジョーカーは最高でした。
映画『ジョーカー』が期待外れだった!と言う人って要するに、ヒースのジョーカーが見たかったのに!って人多いみたいですね。わかります。ボクも少しそんな気分で『ジョーカー』を観に行きました。 でもホアキン・フェニックスのジョーカーを見てぶっ飛んだんです。ああ・・・これはこれで・・・最高だ(笑)。

「なぜ彼は笑いながら世界を混乱に陥れようとするのか?」。ジョー

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クロエ・ジャオ監督の「腐女子サイド」が炸裂!『エターナルズ』

クロエ・ジャオ監督の「腐女子サイド」が炸裂!『エターナルズ』

「アベンジャーズを継ぐ、新たな最強チームが遂に始動。」
というのが映画『エターナルズ』のキャッチコピー・・・これは期待に胸膨らみますよね。

しかも監督は『ノマドランド』『ザ・ライダー』で現代社会を美しくも切実に撮りきった女流天才映画監督クロエ・ジャオ。
まさに映画界の最先端を走る、しかもヒーロー映画から一番遠いところにいる芸術映画監督じゃないですか!これはマーベルも生半可な覚悟じゃない、アッと驚

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