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想い入れ。

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#散文

朝はいつだって過不足なく満ちている

朝はいつだって過不足なく満ちている

春が近いと感じる。まだまだ寒いけれど快晴の日に当たる陽の温かさとか柔らかさとか、外から聞こえる自然の音とか。

目を閉じると草木が揺れる音がもうすぐそこに聞こえてくるような気がする。目を開ける時自然と口角が上がる。

冬は外がとても静かだし陽が沈むのが早い。けれど雪が降りよく積もった日は、手元や足元が電灯なしでもよく見えるほど明るい。それがものすごく好き。

朝起きて、温もりを溜め込んだベッドから

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「かわいくなりたい」という呪いから解放された話

「かわいくなりたい」という呪いから解放された話

学生時代から20代前半まではもうそれはそれは容姿の良さに囚われて「可愛くなりたい」という自分が自分にかけた呪いに半殺しにされていた。

誰かに暴言を吐かれたとか、トラウマになるような悪口を言われたとか、そういう特別ななにかがあったわけではなく、ただ「何もないくせに容姿もこんな醜いのね」と自分をひたすら嫌っていた。

中身に関しても人間として素敵だという認識は到底なかったし「何もない」とひたすら泣い

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忘れない

忘れない

爆弾でこの街が爆破される妄想をしなくなって、ただなんとなく虚しさを抱えたままわたしは何も書けなくなってしまった。

2025年の夏、世界が終わるらしいから、若いうちにどれだけ痛々しくいられるかを試したい。本当は、きらきらよりもキラキラと、キラキラよりもギラギラとしていたい。その辺の女の子と同じになりたくない。平仮名多めのほわほわツイート、ネイルを見せるために持たれたぬいぐるみ、わざとカバーを外した

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