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自選短編まとめ

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#恋

ぼくだって、世界の中心で愛を叫びたい

ぼくだって、世界の中心で愛を叫びたい

『読んでいない本について堂々と語る方法』という本があります。

当然ながら僕はこの本を読んでいません。僕がこの本から学んだことは(あるいは学んでいないことは)、読んでいない本について堂々と語る方法なのですから、その方法を当のこの本に適用してみます。というのは、おそらく使い古されたネタでしょうから、次の本に移ります。

次の本は『『罪と罰』を読まない』です。

この本は『読んでいない本について堂々と

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ガロア殺し

ガロア殺し

ガロアは不可能を証明した。

エヴァリスト・ガロア。1811年10月25日にフランスで生まれた夭折の天才数学者。

同級生の男たちが、毎年新たに誕生する女性アイドルに熱をあげ、同級生の女たちが、新卒の若い体育教師にうっとりしていた頃、同じ16歳の僕はガロアに傾倒していた。初夏の誰もいなくなった放課後の教室で、セミの鳴き声に重なった運動部のかけ声を、耳のずっと奥の方で聴きながら、僕はガロアの人生に思

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ぬいぐるみの愛

ぬいぐるみの愛

僕は自分がぬいぐるみになって初めて、人を愛するということがどういうことなのか少しわかったような気がする。



「『付き合う』ってどういうことなんだろう。」

中学生の時、僕はいつもそんなことを考えていた。思春期入りたての子供にはありふれた議題だ。でも実際に恋人と仲のいい女友達とでは何が違うのだろう。

デートをするかしないかの違い? それだったらデートってなんだろう。女友達と二人で遊びに行くの

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白いイルカ

白いイルカ

正確にはそれがいつなのか覚えていないが、僕がまだ幼稚園児だった頃の記憶で、今でもふとした瞬間に思い出す光景がある。

僕が生まれた時、母方の祖父は既に鬼籍に入っていて、祖母は一人で新潟県の田舎に住んでいた。塩の匂いが漂う港町だった。僕は祖母が大好きだったから、母親と一緒に帰省するのがいつも楽しみだった。

その光景の中で、祖母は僕にこんな話をする。

「大きくなったら、そのうち大きな波がやってくる

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