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土竜のひとりごと

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エッセイです。日々考えること、共有したい笑い話、生徒へのメッセージなどを書き綴っています。
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2020年12月の記事一覧

第123話:駿河療養所研修お礼状

第123話:駿河療養所研修お礼状

*)この記事は表題の通り、2002年頃、国立駿河療養所で研修させていただいたお礼状に加筆したものです。画像は同所HPから転載させていただきました。

残暑厳しい折、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

先日は貴所にて研修させていただきありがとうございました。お忙しい中、私のためにお時問を割いていただき心から感謝申し上げます。

この2日間は私にとって、私の知らなかったたくさんのことを教

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第91話:自販機との闘い

第91話:自販機との闘い

何だか最近缶コーヒー中毒に陥っていて、朝夕の通勤で車に乗っていると缶コーヒーが無性に飲みたくなって、ついつい自動販売機の前で車を止めてしまう。

職場に行けばインスタントながらコーヒーはあるし、朝は家で紅茶を2杯は飲んで来るので、強いて缶コーヒーを飲む必要はないのだが、気付くと自動販売機にお金を入れている。

こんなものばかり飲んでいると糖尿病になってしまうとか、120円だって僕には惜しい金だと、

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第191話:共通テストを前に

第191話:共通テストを前に

(これは2学期終業式での受験生向けのメッセージです)

■共通テストまであと3週間

夏休み前、まだ200日もあったのに、あっという間にあと3週間になってしまいました。早いですね。
今の気持ちはどうですか?もっと時間が欲しい? それとも、もう、いいから早く来てほしい? 3年生はだいたい言います。12月が一番きつかったって。今、君たちも多分きついでしょうね。

ところで、21日は何の日か知っています

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第182話:セブンイレブンの怪

第182話:セブンイレブンの怪

コンビニにはそれぞれに好みがあって、ローソン派もいれば、セブン派、ファミマ派とかいろいろだろう。中には、お弁当はセブンだけどスイーツはファミマとか、うまいこと使い分けている人もいるかもしれない。みなさんは何派だろう? 

僕はセブン派であって、セブン以外のコンビニにはまず立ち寄らない。ほとんどセブンイレブンの下僕に成り下がっていると言ってもいいかもしれない。
ただ、別に深い理由があるわけではなく、

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第169話:自分への信頼が崩壊する日

第169話:自分への信頼が崩壊する日

最近、同じ職場の同僚を呼ぼうとしてその名が出てこないことが多くなった。
同僚にも親しい人もいれば、それほど親しくない人もいるのだが、同じ教科で、いつも話をしている人であるにもかかわらず、教材の打ち合わせやらテストの採点基準やら、ふっと相談しようとして声をかけようとして、よく知っているはずのその人の名前がどうしても浮かんでこない。その人を目の前にして、呼びかけようとして呼べないのである。
「うわー、

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第4話:オバアチャン

第4話:オバアチャン

おてんとうさま

おてんとうさまに
恥ずかしくないように
生きなさい

いつもおばあちゃんは
そう言った

ふと見上げると
頭の上には
青い空と
ほっかりと
おだやかな
おてんとうさま

正しさとは
案外
そんなものなのかもしれない

これもまた愚話である。

学生時代、ガラにもなく思いっきり贅沢をしてみたいと思うことがあった。別段これと言って深い理由があるのではなかったが、時としてほとんど衝動的

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第1話:ある浮浪者のこと

第1話:ある浮浪者のこと

浮浪者などという言葉を使って良いものかどうか分からないが、今の時期になると、僕はあるオジサンとの出会いをふと思い出す。

僕が東京に下宿していた頃のことで、まだ10代の頃であった。東京といっても府中という都心からはかなりはずれたところで、家並みや街の雰囲気も地方の小都市と何等変わらない平凡な街だった。
ただ、この府中には郊外だからだろうか、刑務所だの競馬場だの競艇場だの、そんな類のものがあったので

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第130話:トイレの貼り紙

第130話:トイレの貼り紙

トイレには実にいろいろな貼り紙がしてあるもので、好きな人はそれを毎日取り替えることを趣味としていたりもするらしい。その家の家訓に始まって、古人の格言、俳句や短歌、新聞の切り抜き、アイドルの写真、いろいろなものがあるようだが、受験生のいる家では英単語が貼られていたりもする。

一度、友人の家でトイレを借りたら家計簿のコピーが貼ってあってびっくりした。人の家の実態を覗くようで気が引けたが、ちらちらと見

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