今日もご飯がおいしい。 思いつきの雑文置き場。

今日もご飯がおいしい。 思いつきの雑文置き場。

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雨の日

雨は嫌いだ。 頭は痛いし、出歩けば足元は濡れて汚れるし、傘は邪魔だし。 私は傘をさすのが上手くない。そう言うと、傘のさし方に良し悪しがあるのか、と笑われる。あるに…

青
2か月前
1

カフェ

カフェでの過ごし方が分からない。 正しくは、おしゃれなお店での身の置き方が分からない。 好きに過ごせばいい、と分かってはいても、普段私はどんな風に振る舞っていた…

青
2か月前
1

私はほとんど夢を見ない。 それでも稀に、目覚めたときに、形にならない夢が指の間からすり抜けていく、そんな感覚を覚えることがある。 目覚めた瞬間に、強烈な感情を持っ…

青
2か月前
1

学ぶ

何に繋がるか分からなくても、知りたいことを知りたいときに学ぶこと。 これができるようになったことが、私の人生をたぶん、少し豊かにしている。 福祉の資格を取るため…

青
5か月前

読むこと、書くこと

ずいぶん久しぶりになった。 最後に書いたときから、色々なことがあった。 まず、故郷に帰ってきた。故郷と書くとなにかしっくりこないのだけれど、好きな街に戻ってきたと…

青
5か月前
1

5

ひそかに500円玉貯金をしている。 はじめてから、ちょうど5年たった。 数えてみたら、5万円貯まっていた。 5、という数は、なんだか中途半端な気がする。 直線のようで…

青
4年前
3

7

思いたくても思えなかったことがある。 書きたくても書けなかったものがある。 父の命日は、7日だ。 月が変わり、季節が変わり、年が変わった。そのうち日付を意識する…

青
4年前
2

大事な人を亡くした。 30年も生きれば、大抵の出来事には出会うだろうと思っていた。 大抵の出来事は、やり過ごしていくだろうと感じていた。 事実、やり過ごして一年が…

青
4年前
12

4

まだ4年、と思ったと同時に、もう4年、と言葉が浮かぶ。 あの日病室に満ちていた生ぬるい空気は、忘れたようで時々ふと溢れだす。 もう声も思い出せないのに、痩せ細った…

青
4年前
3

9

香水を買った。 9。 添えられた物語も、その香りも、深い大人の色をしていた。大人。 私は成人を迎えて久しいけれど、果たして心は大人ではないと思う。いつも背伸びし…

青
4年前
2

2

2という数字は、いつも恋人を連想させる。 私はねちっこいくせに飽きっぽい。同じ相手と2年を共に過ごせたことがない。 そんな私も、長い片想いをしていたことがある。タ…

青
4年前
1
雨の日

雨の日

雨は嫌いだ。
頭は痛いし、出歩けば足元は濡れて汚れるし、傘は邪魔だし。
私は傘をさすのが上手くない。そう言うと、傘のさし方に良し悪しがあるのか、と笑われる。あるに決まっている、と思いながら曖昧な笑いで誤魔化したりする。

傘をさすのがうまくない。
まず、どこを持つのかが曖昧だ。
まっすぐなところ?曲がっているところ?
なんとか落ち着く場所を持ってみると、今度は頭が骨につかえる。
あげく、細い骨に髪

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カフェ

カフェ

カフェでの過ごし方が分からない。
正しくは、おしゃれなお店での身の置き方が分からない。

好きに過ごせばいい、と分かってはいても、普段私はどんな風に振る舞っていたかが途端に分からなくなる。
挙動不審に周りを見回してしまったり、近くのお客さんと目があって気まずくなったり。
そんなことばかり、繰り返している。

同じお金を払うなら、スーパーでお惣菜を買い込んで、こたつでお酒を飲みながらゴロゴロした方が

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夢

私はほとんど夢を見ない。
それでも稀に、目覚めたときに、形にならない夢が指の間からすり抜けていく、そんな感覚を覚えることがある。
目覚めた瞬間に、強烈な感情を持っていることがある。

それは反芻しているうちに、跡形もなく溶けてなくなってしまう。
残るのは、なんとも言えない後味の悪さ。

夢は願望の現れだとか、処理しきれない思考のガス抜きだとか、そんなコトを聞いたことがある。

私が夢を見ないのは、

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学ぶ

何に繋がるか分からなくても、知りたいことを知りたいときに学ぶこと。
これができるようになったことが、私の人生をたぶん、少し豊かにしている。

福祉の資格を取るために通信制大学に進学したこと。好きになったスポーツをもう少し深く知りたくて、アナリストの勉強をしてみていること。
たぶん他人から見たら少し愚かで、無駄なことをしているのかもしれない。
でも、知りたいと思ったことを知ろうとすること、それは私に

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読むこと、書くこと

ずいぶん久しぶりになった。
最後に書いたときから、色々なことがあった。
まず、故郷に帰ってきた。故郷と書くとなにかしっくりこないのだけれど、好きな街に戻ってきたということだ。水がいい、空がいい、道がいい、空気がいい。立っていて、歩いていて、しっくりくる。そんな街に帰ってきた。
次に、転職をした。そこまで立派な理由があったわけではないけれど、それなりに今までの経験やできることを活かして仕事ができてい

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5

ひそかに500円玉貯金をしている。

はじめてから、ちょうど5年たった。

数えてみたら、5万円貯まっていた。

5、という数は、なんだか中途半端な気がする。

直線のようで曲線。曲線のようで角がある。

大きいようでいて、足りない。足りないようでいて、なんだか持て余す。

そんなイメージだ。

5。

気がついてみれば、今までの人生でそんなに縁のない数だった。

それがどうしてか、ここに来て目に

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7

思いたくても思えなかったことがある。

書きたくても書けなかったものがある。

父の命日は、7日だ。

月が変わり、季節が変わり、年が変わった。そのうち日付を意識することがなくなった。

なのにどうしてなのか、ふとカレンダーを見て気づくと、明日が7日だったりする。

その瞬間が、とてつもなく痛い。 苦しいとか悲しいのではなくて、痛い。

父を思うことが出来るようになったのは、最近だ。

ずっと、思

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大事な人を亡くした。

30年も生きれば、大抵の出来事には出会うだろうと思っていた。

大抵の出来事は、やり過ごしていくだろうと感じていた。

事実、やり過ごして一年がもうすぐ過ぎる。

職場の上司だった。

友達に声をかけられて転職を考えていたあの頃、初めて出会った。

すごい人だと思った。

変な人だったけれど、猛烈に惹き付けられる人だった。人生で初めて、この人と仕事がしたいと思った。

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4

まだ4年、と思ったと同時に、もう4年、と言葉が浮かぶ。

あの日病室に満ちていた生ぬるい空気は、忘れたようで時々ふと溢れだす。

もう声も思い出せないのに、痩せ細った顔も思い出せないのに。写真のなかで笑う父は、いつまでもそのままだ。

後悔はたぶん、きっとないけれど、ふとしたときに胸が締め付けられる気がする。肩に置かれた手を感じる気がする。

4年。

短いような、長いような。

あの日無理やり進

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9

香水を買った。

9。

添えられた物語も、その香りも、深い大人の色をしていた。大人。

私は成人を迎えて久しいけれど、果たして心は大人ではないと思う。いつも背伸びしているだけの、小さな子ども。わがままな、幼くもろいもの。

人はどうやって大人になるのだろう。

いまだにその答えを見つけられないまま、私は明日もひとり背伸びをする。

9の香りとともに。

2

2という数字は、いつも恋人を連想させる。

私はねちっこいくせに飽きっぽい。同じ相手と2年を共に過ごせたことがない。

そんな私も、長い片想いをしていたことがある。タイミングの合わない彼と自分を、恋物語のようだと自惚れたこともある。ずっと、運命のように思っていたところもあるのだろう。

そんな彼は、もうすぐ結婚する。2年ぶりに私の誕生日に届いたメッセージでそれを知った。悲しくはなかった。でもようや

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